ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ 香港盤 謎のソリッド・センター!!

今回紹介するのはローリング・ストーンズの謎のシングルです。USA盤のローリング・ストーンズ・レコーズと全く同じラベルなのに中央の穴がLPのようにソリッド・センターとなっているレコードです。これは「Brown Sugar」から「It's Only Rock'n Roll」まで4枚存在しています。最初はアメリカのエラー盤かと思いましたが4種類もあるので謎に思い、eBayでもこのレコードはいつもマレーシアから出品されているので私はてっきりマレーシア盤だと思っていました。その後2006年の資料本「STONES WORLDWIDE」やイタリアのコレクターの方の情報で香港盤ということで落ち着きました。今回は4枚を一気にまとめて紹介します。

最初は「Brown Sugar/Bitch」です。USA盤のプレス工場コードLYのラベルが使われています。これはニューヨーク州のShelly Products,Inc.のことですが、後で触れるマトを見ると疑問が生じます。規格番号や面表記、曲目の部分など全てUSA盤のシングルと同じになっています。マトはDIST. BY ATCO~から始まる初期のものです。マトリクスは手書きでRS 21843 LY  RS 19100-A/RS 19100-B  RS 21844です。このマトはUSA盤のものとは全く違い、アメリカのShelly Products,Inc.で作られたものではなく違う国ものだと判断出来ます。音はモノラルで、ステレオでは殆ど聞こえないベースが効いていて、サックスがオフ気味になっています。盤質が悪いのかザラザラした音ですがAB面共になんだか迫力のある音に聞こえます。

B面のラベルです。こちらもUSA盤のLYプレスのラベルと全く同じです。こちらもモノラルです。

これらのレコードは全てカンパニースリーブに入っています。こちらは最初期のKINNEYのものです。裏側も同じデザインです。このカンパニースリーブはUSA盤のものとは違うものです。

こちらはWEAに変わってからのカンパニースリーブです。上のスリーヴでKINNEYと書かれていた部分がWEAのロゴに変わっています。このスリーヴもUSAなど他の国には同じものがありません。

WEAのカンパニースリーブには傘下の会社の欄にローリング・ストーンズ・レコーズのベロマークが載っています。

「Tumbling Dice/Sweet Black Angel」です。USA盤のSPプレスのラベルと全く同じラベルですが、ソリッド・センターとなっています。マトリクスは手書きでRS 19103 A/RS 19103 Bです。モノラルで高音の抜けがいいはっきりした音です。後半はヴォーカルにエコーがかかったような感じになっています。

B面のラベルです。これはSTEREOと書かれていますがモノラル?だと思います。音は悪いですが高音の抜けがいいです。

「Angie/Silver Train」です。この「Angie」のシングルだけ文字の配置がUK盤のラベルと似ています。UK盤とはベロの位置や、左側にあったクレジットが全てそのまま右側へ移動しているので微妙に違います。UK盤風なデザインですが、リムはDIST. BY~から始まるUSA仕様という面白いデザインとなっています。マトリクスは手書きでRS-19105-A/RS-19105-Bです。ステレオで収録されています。音質はUK盤などと同じです。

B面のラベルです。こちらもステレオで収録されています。ハープがオフ気味に聴こえます。

「It's Only Rock'n Roll/Through The Lonly Nights」です。これはUSA盤のSPのラベルと全く同じデザインですが、リムがDIST. BY ATCO~から始まるものとなっています。このレコードのUSA盤はROLLING STONES RECORDS~から始まるリムになっているのでこのDIST. BY ATCO~から始まるリムは「It's Only Rock'n Roll」には存在しません。この組み合わせは珍しいですね!マトリクスは手書きでRS-19301-A/RS-19301-Bです。ステレオで音は悪いですがやけに音圧が高いです。

B面のラベルです。こちらも音圧が高いですが、音が悪くステレオの分離も良くないせいかモノラルのようにも聞こえます。

15年以上前になりますが、K県にお住いのTさんとUSA盤のいろいろなラベルの画像を交換していました。頂いた写真の中には持っていないものも多く一気にコレクションが進んだことを思い出します。その時にこのソリッド・センターのレコードが話題になり、最初にも書きましたが当時はマレーシア盤だと思っていたので、マレーシアと答えてしまいましたがこれって謎のレコードですよね!資料では香港となっていますが、私はそれぞれ全部マレーシアの複数の出品者から買いましたし、ストーンズ・レーベルのEMI時代の東南アジア盤は香港、マレーシア、インドネシア3国共通盤もあるので、香港の他にマレーシアでも販売されていた可能性もありますが、東南アジア諸国のレコードはまだまだよく分からないことが多いです。

(画像について)

当ブログで使用している画像は全て私の所持しているレコードでサイトからの転用ではありません。詳しい画像のリクエストがございましたら遠慮なくご連絡ください。

ローリング・ストーンズ オーストラリア盤 BIG HITS いろいろ!!

ローリング・ストーンズのオーストラリア盤『BIG HITS』です。オーストラリアでは1966年12月に発売され、規格番号はモノラルがTXL 101、ステレオはTXS 101です。モノラルはいつ頃まで販売されていたのかは不明ですがオーストラリアでは70年1月の『LET IT BLEED』までモノラルが発売されていたのでこのアルバムもその頃まで生産されていたのではと思います。配給元はオーストラリアEMIです。オーストラリアでは当初イギリスからジャケットを輸入して、自国プレスのレコードを入れて販売していました。UK盤と全く同じ仕様のジャケットなのでここでは中のブックレットを省略して、ジャケットの表裏のみを載せておきます。

裏ジャケです。60年代後半に発売されたモノラル、ステレオを判別する穴あきではなく初回盤のMONO、STEREOが背にあるタイプのジャケットです。中の写真集にPrinted in Englandのクレジットがあります。

ステレオの方はモノラル用のジャケットにSTEREOのシールが貼られています。

ラベルです。こちらはモノラルの黒ラベルです。上部にDECCAのロゴがあります。その下にLONG PLAYINGとffrrの耳のマークがあります。左側にSAMPLE RECORDのシールが貼ってありますが、この部分は回転数が書かれています。(次のB面のラベルの写真を参照してください)その下に出版社のクレジットがあります。右側に規格番号とマトがあります。面表記は左下と右下の両方にあります。曲目は中央揃いになっています。リムにMADE BY E.M.I. (AUSTRALIA) LIMITED. SYDNEY. N.S.W.とあります。下部にアレンジとプロデューサーのクレジットがあります。マトリクスは機械打ちでXARL-7503-1A/XARL-7504-3Aです。

B面のラベルです。A面のサンプル・シールが貼ってあったところはLONG PLAYINGと33 RPMがあります。

ステレオのラベルです。上部にffssとデッカのロゴがあります。中央にFULL FREQUENCY STEREOPHONIC SOUNDがあります。その下に出版社のクレジットと、右側に回転数、規格番号、マトがあります。モノラル同様面表記は左側と右側の2ヶ所にあります。曲目は中央揃いです。その下にアレンジとプロデューサーのクレジットがあります。マトにMade in Australia By E.M.I.~のクレジットがあります。マトリクスは機械打ちでXZAL-7503-3W/XZAL-7504-3Wです。

B面のラベルです。

UK盤のジャケットを輸入して販売されていたのは1年位だったそうです。その後のオーストラリア製のジャケットはステレオのみ作られています。そう考えるとUK盤ジャケットを使っていたモノラル盤は1年位で製造が終了したとも考えられます。ここからはオーストラリア製のジャケットです。表側は上部タイトルの右下にSTEREOの文字が追加されています。ジャケットは初期型は表裏コーティングされていますが、後期型は表側だけしかコーティングされていません。

右上のSTEREOの部分です。表側からはこの部分でしかオーストラリア盤と判別できません。中の写真集はなくシングル・ジャケになっています。

裏ジャケです。UK盤と違いタイトル、曲目の部分は写真の上に印刷したものではなくなっています。また、下に各クレジットがまとめて書かれています。このデザインはオーストラリア独自のものですね!下部中央にDECCAのロゴがあります。

裏ジャケ左下に回転数とオーストラリアEMIの住所が書かれています。

右下にこのレコードの取り扱いの注意書きが書かれています。

A面の曲目です。オーストラリアではUK盤と同じ内容です。

B面の曲目です。

ステレオのセカンド・ラベルです。オリジナルのラベルで左側にあった出版社のクレジットが曲名の最後に移動したのでスッキリした感じとなっています。出版社のクレジットがなくなったので左側に回転数とマトが、右側に規格番号があります。面表記は2ヶ所にあります。曲目は中央揃いとなっています。リムはオリジナル盤と全く同じです。マトリクスは機械打ちでXZAL-7503-3W/XZAL-7504-3Wです。このレコードはオーストラリア製の両面コーティングのジャケットに入っていました。

B面のラベルです。

73年から80年代に使われていたボックストデッカのラベルです。中央のステレオのラインは控えめになっています。その分オープンデッカのラベルと比べると中央が空白でシンプルな感じがします。ラベルの下半分とリムは上のラベルと全く同じです。マトリクスは機械打ちでXZAL-7503-3W/XZAL-7504-3Wです。このレコードはオーストラリア製の表側だけコーティングされているジャケットに入っていました。

B面のラベルです。

オーストラリア盤はUK盤と同じ音圧、音質でいい音が聴けます。また、ジャケットですが『BIG HITS』と『サタニック』は特殊ジャケのせいか最初にUK盤のジャケットを使って発売されていた国が多いですね。オーストラリア製のジャケットになってからはシングルジャケになってしまい、中の写真集も無くなってしまったのが残念ですが、裏ジャケは写真と曲目が部分が分かれているオーストラリア独自のものです。ジャケットも表裏コーティングされており、写真もきれいな印刷となっています。この時代はやっぱりLPは高価なものなのでジャケットなどもしっかりとした造りになっているのを感じます。

(画像について)

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ローリング・ストーンズ USA盤 GOATS HEAD SOUP② 再発盤+その他!!

前回に引き続きローリング・ストーンズのUSA盤『GOATS HEAD SOUP』です。今回は規格番号がオリジナル盤のCOC 59101からCOC 30106へ変更になった再発盤を紹介します。この規格番号は79年から84年まで販売されていました。ジャケット等に変更はなくただ規格番号の部分だけCOC 59101からCOC 39106に変わっただけという感じです。

裏ジャケです。こちらもオリジナル盤同様のデザインで右下にベロマークがあるだけでクレジット等は全くありません。

山羊のスープのシートは同じものですのでここでは省略します。インナーです。こちらもクレジット等はオリジナル盤に付いていたインナーと全く同じです。

右下にベロマークと規格番号があります。規格番号はCOC 39106と新しい番号となっています。

背の規格番号の部分です。一部でオリジナルのジャケットを流用して、COC 59101の上にCOC 39106のシールを貼ったものがあります。ジャケットが余ったのか、印刷が間に合わなかったのでしょうか?COC 39106の方は0598の数字はありません。

ラベルです。プレス工場コードがSPです。これはペンシルベニア州のSpecialty Records Corporationです。上部にCOC 39106とグループ名、タイトルがあります。左側にベロマークとSTEREOが、右側にSIDE ONEと著作権クレジットがあります。曲目は左揃いです。リムにWEAのWのロゴがあります。マトリクスは手書きでST-RS-732933E  SP/ST-RS-732934-Fです。B面にだけPRがあります。 

プレス工場コードがMOです。これはカルフォルニア州のMonarch Record Mfg. Co.です。マトリクスは手書きでST-RS-732933-B  △13279/ST-RS-732934-G  △13279-Xです。こちらは両面にPRがあります。

ここからは84年に配給元がコロムビアになってからの再発盤です。87年11月に発売され、規格番号はFC 40492です。ジャケットは見開きではなく残念ながらシングル・ジャケとなっています。

表側右上にヒット曲が収録されている趣旨を表すステッカーが貼られています。

裏ジャケです。右上にバーコード、左下にクレジットが加わっています。

裏ジャケ右上にバーコードがあります。写真のものはプロモの刻印が押されています。

裏ジャケ左下の部分です。著作権表示とコロムビアの住所が書かれています。

ジャケットがシングル・ジャケになったため、中に見開きにあった3人のメンバーの写真が載ったインナーが付けられています。オリジナル盤のゲスト・プレイヤーの写真が載ったインナーや、山羊のスープのシートは付いていません。

右上に曲目が書かれています。オリジナル同様キーボードの担当者のクレジットがあります。

左下に著作権表示があります。

シートの裏側です。横にレコードの取り出し口が見えます。ただここでは左側に取り出し口があるので普通はこのままジャケットにしまうのですが、インナーのサイズが合わず、インナーを横にしてレコード取り出し口を上にしないとジャケットに収納出来ません。

右上にオリジナル盤のインナーにあった担当楽器やプロデューサー、アレンジャーなどのクレジットがあります。

右下に規格番号のFCを除いた40492があります。

ラベルです。上部にグループ名とタイトルがあります。左側にベロマークとSTEREOが、右側にSIDE ONEと規格番号があります。曲目は左揃いで、タイトルの後にタイム表記があります。 作者クレジットとプロデューサー・クレジットは下部にあります。マトリクスは手書きでAL 40492-1A  G1/BL 40492-1A  G1です。

B面のラベルです。

ここからはラジオ局用のレコードです。『STICKY FINGERS』の時にもこのレーベルの事を書いており、同じ文になってしまいますがもう一度書きます。このAFRTSというレーベルはメリーランド州にある会社で、American Forces Radio and Television Serviceの略です。主に世界各国の米軍が駐留する場所に設けられたAFNで使われていたレコードです。ラジオの他、テレビ制作局(RTPO)、ペンタゴンチャンネルなどにも関連しているようです。ストーンズ関連では『STICKY FINGERS』と『GOATS HEAD SOUP』を確認しています。専用のジャケットは元々無く、レコードは穴あきの白いジャケットに入っています。A面全体とB面の1曲目までストーンズで、残りはクラプトンのレインボウ・コンサートの音源が収録されています。

ラベルです。上半分はafrtsのロゴになっています。左側にマトのP-14201、右側にSTEREOと規格番号に当たる?RL 16-4があります。曲目は「Doo Doo Doo Doo Doo」「Can You Hear The Music」「Dancing With Mr. D」「Silver Train」の4曲です。曲名の後にタイム表記とイントロの秒数が書いてあります。イントロの秒数があるとラジオ局で使われていたという感じがしますね。曲は全てフル・ヴァージョン収録されています。マトリクスは手書きでP-14201  RL 16-4  2A-10  RE-1-10/17//P-14202  RL 16-4  2A  RE-1-10/17です。途中にスラッシュがあるのでAB面の境は//です。  

反対側のラベルです。こちらは1曲に「100 Years Ago」が収録されています。クラプトンのレインボウ・コンサートからは3曲が収録されています。

このアルバムはオリジナル盤は見開き仕様で山羊のシートと、曲目やゲストプレイヤーの写真が載ったインナーが付けられていましたが、CBSからの再発になるとシングル・ジャケとなり、見開きの内側の3人はインナーに回されてしまうという残念な再発ものとなっています。そのインナーも3人の写真と一緒に元のインナーにあったクレジットを一緒に印刷するという節約なものとなっており、これはこれでよく考えたものだなと感心してしまします。そしてAFN用に作られたレコードですが、大ヒットした「Angie」を入れてもいいようなものですが、ここではマニアックな選曲となっています。まあ、ここに入っている5曲は特にこのアルバムの雰囲気を表しているような気もしますが…。ストーンズは60年代から、イギリス以外のいろいろなところでレコーディングしており、この時もジャマイカで録音しているのをミュージック・ライフで読んでとんでもない所で録音しているんだな、と思ったのを覚えています。当時はレゲエも知らなかったですしね。ストーンズが演奏にレゲエを取り入れたのはこれよりも後、74年の「Luxury」や76年の「Cherry Oh Baby」からですが、この時のジャマイカでの経験が確実に実った結果だと思います。

(画像について)

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