ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ミック・ジャガー MEMO FROM TURNER②各国盤いろいろ パート1!!

前回に引き続きミック・ジャガーのソロ・シングル「Memo From Turner」です。今回はイギリス以外のヨーロッパ盤を紹介します。最初はオランダです。オランダでは1970年10月に発売され、規格番号はF 13067です。ピクチャースリーヴはオランダで作られていますが、中のレコードはUK盤を輸入して販売していました。ピクチャースリーヴはミックの写真が使われています。右上にDECCAのロゴと規格番号があります。

ピクチャースリーヴの裏側です。表と同じ写真が使われていますが、左下のタイトル部分が「Natural Magic」となっています。中のレコードは前回紹介したUK盤と同じレコードが入っているのでここでは省略します。

アイルランド盤です。アイルランドでは正確な発売日は分かりませんが、おそらくUK盤と同じ1970年の秋頃だと思います。規格番号はF 13067です。ピクチャースリーヴは元々無くデッカのカンパニースリーブに入っています。イギリスで66年頃まで使われていたオレンジのカンパニースリーブですが、私の持っているアイルランド盤の「Honky Tonk Women」もこのオレンジのピクチャースリーヴで、この後の「Little Queenie」では青の渦巻のカンパニースリーブになっているのでイギリスよりも後で変更になったか、イギリスで余っていたものがアイルランドへ回されたのかも知れませんね。

ラベルです。一見するとUK盤と間違えそうですが、ボックストデッカではなく、カーヴド・デッカなのですぐに見分けがつきます。左側にPressed in Eireとありますが、このEireというのはアイルランドのことです。その下にMirage MusicとⓅ1970があります。右側にマトと規格番号、そしてUK盤にはなかったタイム表記があります。曲目の部分のフォントはUK盤初回盤と同じです。マトリクスは機械打ちでXDR-47868 T1-1C/XDR-47869 T1-1Cです。これはUK盤のマトと同じです。

B面のラベルです。アイルランド盤もUK初回盤同様InstrumentalとクレジットすべきところをMICK JAGGERと間違っています。アイルランド盤では修正されたラベルは見た事がありません。

ドイツ盤です。ドイツでは1970年10月に発売され、規格番号はDL 25437です。ピクチャースリーヴは映画のワンシーンからと思われる写真が使われています。上部に崩した文字でミック・ジャガー、左下にタイトルがあります。DECCAのロゴと規格番号は右側中央よりやや下にあります。ピクチャースリーヴは表裏同じデザインで、エンボス加工となっています。

ラベルです。ドイツ・デッカの赤ラベルです。上部にデッカのロゴがあります。左側にドイツの著作権協会のGEMAとマト、タイム表記があります。右側に規格番号とSTEREOがあります。マトリクスは機械打ちでZDR-47668/ZDR-47689-1です。A面は枝番がありません。また、両面にMunufactured in Germanyの刻印があります。B面のクレジットはMick JaggerでもInstrumentalでもなくタイトルだけとなっています。 

フランス盤です。フランスでは1970年10月に発売され、規格番号はF 13.067 Bです。ピクチャースリーヴの写真は衣装から考えてこの年に行われたヨーロッパ・ツアーのものだと思います。右上に規格番号とSTEREOが、右下にDECCAのロゴがあります。

フランス盤は裏側が2種類あります。こちらはミックの写真が載っている方です。上部にタイトルがありその下にミックの写真があります。

こちらは文字だけの方です。上のピクチャースリーヴでミックの写真があった個所はストーンズのフランスでのレコードのカタログとなっています。

フランス盤は右下の部分に発売された年月が書かれていますが、このレコードは両方共10-70となっているのでミックの写真の方と写真無の方のどちらが先に発売されたのかは分かりません。上が写真がある方です。

左下の部分です。両方共ここにMade in Franceがあります。上が写真がある方です。

フランスで使われていたジュークボックス用のカードです。

ラベルです。67年以降に使われていたボックストデッカのラベルです。デッカのロゴの下にMADE IN FRANCE BY~があります。左側にⓅ1970とヨーロッパの録音権協会国際事務局を表すBIEMのロゴがあります。右側にマトと、規格番号、面表記があります。面表記はFace 1です。タイム表記はタイトルの後にあります。マトリクスは機械打ちでF 13067 A C1/F 13067 B C1です。B面のクレジットはInstrumentalです。

ベルギー盤です。ベルギーでは1970年10月に発売され、規格番号は105/26.257 Yです。ベルギー盤のジャケットは一枚の長方形の紙を折って写真が両面に来るようなつくりとなっています。反対側も同じデザインです。これは他のベルギー盤のシングルと同じ作りです。ジャケットの右側にアーティスト名とタイトルがあります。左下にDECCAのロゴがあります。

ラベルです。ボックストデッカのロゴの左下にMADE IN BELGIUMがあります。左側にベルギーの出版社協会のSABAMのロゴがあります。右側に規格番号とマトがあります。マトリクスは機械打ちでF 13 067 A P2/F 13 067 B P2です。

B面のラベルです。アーティストの個所がMICK JAGGERとミスっています。ベルギー盤では修正されたラベルは見た事がありません。

デンマーク盤です。デンマークでは1970年10月に発売され、規格番号はF 13067です。ピクチャースリーヴは上部にタイトルがあり、サウンドトラックのLPで使われていたミックの写真が使われています。裏側は何も印刷されていません。他のデンマークのピクチャースリーヴ同様柔らかい紙質です。デンマークではUK盤のシングルを輸入して自国のピクチャースリーヴを付けて販売していたので中にはUK盤のレコードが入っています。

ピクチャースリーヴの裏側です。中に入っているレコードはB面がMIK JAGGERとなっているUK初回盤のシングルと同じなのでここでは省略します。

スウェーデン盤です。スウェーデンでは1970年10月に発売され、規格番号はF 13067です。ピクチャースリーヴは映画の中の写真が使われています。こういうオールバックのミックもカッコいいですよね!上部にMICK JAGGERが、下部にタイトルやDECCAのロゴ、規格番号があります。裏側も同じデザインです。

ラベルです。ボックストデッカのロゴの左下にMADE IN SWEDENがあります。左側にスカンジナビア全体の著作権協会のNCBのロゴ、マト、Mirage Musicがあります。右側に規格番号とⓅ1970があります。マトリクスは機械打ちでXDR 47868/XDR 47869です。B面はMICK JAGGER、Instrumentalのどちらのクレジットもありません。 

ヨーロッパでは各国独自のデザインのピクチャースリーヴが付けられており、いろいろなデザインを見れて面白いですね。同じレコードでこういう独自のデザインというのは現代では全くなくなってしまったので惜しい文化ですよね。また、国によって「Natural Magic」のクレジットがMICK JAGGERとInstrumentalとバラバラなのは伝達不足だった気がします。次回はヨーロッパ各国盤の続きとオーストラリア、ニュージーランドなどで発売されたレコードを紹介します。

ミック・ジャガー MEMO FROM TURNER① 日本&UK盤いろいろ!!

7月はミック・ジャガーの誕生月という事で何回かに分けてミックのファースト・ソロ・シングル「Memo From Turner/Natural Magic」の各国盤を紹介します。両面共映画『パフォーマンス』に使われた曲で、ライ・クーダーのスライド・ギターをフューチャーしています。今回は日本盤とUK盤を紹介します。最初は日本盤です。1970年10月に発売され、規格番号はTOP-1579です。ピクチャースリーヴは69年ツアーのミックの写真が使われています。上部に「ローリング・ストーンズひさびさのヒット!!」のコピーがあります。ひさびさというのは前年の「Honky Tonk Women」以来ということでしょうか。左上にサントラ盤とあります。

右上にSTEREOとLONDONのロゴ、回転数、そして規格番号のTOP-1571があります。

ピクチャースリーヴの裏側です。

見開きの内側です。越谷政義さんの解説が載っています。両面共演奏はストーンズと書かれているのが当時いかに情報がなかったか分かりますね!このブログの最後に演奏者を書いておきますが、B面はミックもストーンズのメンバーも参加していません。

曲目の部分です。この部分だけ見ると両面ミック名義のような感じです。

カンパニースリーブです。60年代後半から70年代初頭に使われていたキングレコードのスリーヴです。

ラベルです。上部にLONDONのロゴがあります。左側にMADE IN JAPANとSTEREO、右側に回転数と規格番号、タイム表記があります。マトリクスは機械打ちでSDSt 453-3/SDSt 454-2です。プロモに両面1があるのでレギュラー盤もこれより若いマトがあるかも知れません。

プロモ用白ラベルです。上部にSTEREOがあります。左側に見本品、右側に非売品、規格番号、タイム表記があります。マトリクスは機械打ちでSDSt 453-1/SDSt 454-1です。両面にJISマークがあります。

ここからはUK盤です。イギリスでは1970年10月23日に発売され、規格番号はF 13067です。イギリスではデッカのカンパニースリーブに入れられて発売されました。

UK盤のラベルです。おそらくこちらが初回盤のラベルだと思います。ボックストデッカのロゴの左下にMADE IN ENGLANDが、右下にTHE DECCA RECORDS CO, LTD.があります。左側にミックとキースのソングライタークレジットに関する出版社のMirage Musicが、右側にマトと規格番号、Ⓟ1970があります。マトリクスは機械打ちでXDR-47868-T1-1C/XDR-47869-T1-1Cです。

B面のラベルです。アーティストのクレジットがMICK JAGGERとミスっています。正確にはジャック・ニッチェによるInstrumentalです。

こちらは上のラベルとは文字のフォントが違うラベルです。上のラベルと比べると全体に文字のサイズが小さくなっています。右側が上からⓅ1970、マト、規格番号と順序が入れ替わってます。その他の文字の配置は上のラベルと同じです。B面のクレジットが修正されているのでこちらはセカンド・ラベルだと思います。マトリクスは機械打ちでXDR-47868-T1-1C/XDR-47869-T1-1Cです。

B面のラベルです。こちらはMICK JAGGERではなくInstrumentalと修正されています。

B面のクレジットの部分です。一番最初の文字のフォントが大きなラベルのB面のクレジットはMICK JAGGERと間違っています。これで最初のラベルが初版と判断しました。

こちらは2番目のラベルのB面でクレジットはInstrumentalと修正されています。

こちらはソリッド・センターのラベルです。2番目のラベルと同じフォントです。文字の配置も全く同じです。マトリクスも同じでXDR-47868-T1-1C/XDR-47869-T1-1Cです。

B面のラベルです。クレジットはInstrumentalです。

プロモ盤です。70年代から使われ始めたデッカの白ラベルです。一番上に回転数の45、その下にDECCAのロゴがあります。左側にTHE DECCA RECORD CO LTD.とMADE IN ENGLANDがあります。その下に大きくAのマークとタイム表記があります。右側にマトと規格番号、Ⓟ1970があります。マトリクスは機械打ちでXDR-47868-T1-1C/XDR-47869-T1-1Cです。

B面のラベルです。プロモ盤は最初に作られたためかクレジットがInstrumentalではなくMICK JAGGERとなっています。今のところプロモでクレジットが修正されたものは見たことがありません。

「メモ・フロム・ターナー」の演奏者ですが、最初は1968年の夏頃にジャック・ニッチェのプロデュースで、ミックのヴォーカル、スティーブ・ウィンウッドがベース、ピアノ、オルガン、ギター(その後オルガンとギターは消去)を担当し、ドラムスはトラフィックのジム・キャパルディだったそうです。その後、ミックのヴォーカルとマラカス、ライ・クーダーがギター、スティーブ・ウィンウッドがベース、ジム・キャパルディがドラムス、ランディ・ニューマンがピアノというメンバーで録音(おそらく最初のヴァージョンにオーバーダブ)されたようです。これは諸説ありますので参考までにしてください。なお、『METAMORFOSIS』のヴァージョンはジミー・ミラーのプロデュースで、ミックがヴォーカル、アル・クーパーがギター、スティーブ・ウィンウッドがベース、ジム・キャパルディがドラムスで、そのヴァージョンにキースのギターをオーバーダブしたようです。『METAMORFOSIS』の方はてっきりストーンズだと思っていましたが、そうではなかったんですね!次回はピクチャースリーヴ付きで発売されたヨーロッパ諸国での「Memo From Turner」をいろいろと紹介します。

ローリング・ストーンズ 日本盤EP ウィー・ウォント・ストーンズ 実況録音盤!!

ローリング・ストーンズの日本盤EP『ウィー・ウォント・ストーンズ 実況録音盤』です。1965年(昭和40年)11月に発売され、規格番号は17M-101です。前回までに紹介したセヴンティーン・シリーズ同様番号が17M~で始まりますが、このEPにはジャケットにセヴンティーン・シリーズの文字はありません。前回紹介した『ハート・オブ・ストーン』が17M-100で5月発売、こちらは番号が101と続きになっていますが11月に発売という事は半年ぶりに発売されたセヴンティーン・シリーズということになります。そのせいか以前のセヴンティーン・シリーズのようなピクチャースリーヴではなくLPのジャケットのように横からレコードを取り出す仕様となっており、紙も厚紙となっています。このジャケットの写真は当時の日本盤LP『OUT OF OUR HEADS』やシングル盤などいろいろなレコードに使われていましたね。タイトルの下に"got LIVE if you want it"の文字がありますが、このレコードはUK盤EPの『Got Live If You Want It』から「Route 66」をカットした選曲となっています。

f:id:jukeboy:20220414220921j:plain

右上にロンドンのロゴと回転数、規格番号があります。

f:id:jukeboy:20220414221016j:plain

曲目の部分です。

f:id:jukeboy:20220414221042j:plain

裏ジャケです。写真のみで文字はありません。

f:id:jukeboy:20220414221059j:plain

裏ジャケの右下に値段の¥450がありますが以前のEPよりも50円値上がりしています。

f:id:jukeboy:20220414221217j:plain

歌詞カードです。「We Want The Stones」は歓声だけなのに歌詞?もちゃんと書かれているのが面白いですよね!これは当時印税を得るために歓声を1曲としてカウントしたなんて話がありますね。

f:id:jukeboy:20220414221415j:plain

歌詞カードの裏側です。「I'm Alright」は当時のストーンズの重要なレパートリーですが、最近のストーンズで演ってくれたら面白いですよね~。

f:id:jukeboy:20220414221439j:plain

裏側の右下に規格番号と値段があります。

f:id:jukeboy:20220414221514j:plain

ラベルです。こちらはプロモ用の白ラベルです。上部にLONDONがあり、その下に曲目があります。左側にSpecial、右側に宣伝用-非売品ーとあるだけのシンプルなラベルです。このEPはレギュラー盤は33回転ですが、プロモは45回転となっています。これはシングル盤と同じ大きさなので当時のラジオ局で回転数を間違えないように45回転で作られたという説がありますが、プロモとレギュラー盤で回転数が違うというのも珍しいですよね。このプロモはラベルに回転数が書かれていないのでマジックで大きく45と書いてあるのをたまに見かけます。マトリクスは機械打ちでDSt 1209-1/DSt 1210-1です。このDSTで始まるマトは7インチシングル(45回転)のものです。両面にJISマークがあります。

f:id:jukeboy:20220414221818j:plain

B面のラベルです。

f:id:jukeboy:20220414221840j:plain

レギュラー盤のラベルです。上部にffrrの耳のマークとLONDONのロゴがあります。中央にセヴンティーン・シリーズと回転数があります。その下の左側に面表記、右側に規格番号があります。今までのセヴンティーン・シリーズと面表記の位置が違い、表記もNO.1となっています。マトリクスは機械打ちでDCt 147-3/DCt 148-3です。以前のセヴンティーン・シリーズのマトとは違いDCTのTが小文字となっており、数字との間に間隔があります。両面にJISマークがあります。A面は曲間の溝がありませんが、まあこれはメドレーとして繋がっているからでしょうね。「Route 66」がないのでA面はすぐに終わってしまうような気がします。

f:id:jukeboy:20220414221901j:plain

B面のラベルです。

f:id:jukeboy:20220414221917j:plain

先にも書きましたがこのレコードで一番面白いのはプロモとレギュラー盤で回転数が違うということです。17センチのシングル・サイズという事で放送局で間違えないようにプロモは45回転という説がありますが、両方を聴き比べてみるとプロモ盤は音圧が高く、高音がはっきりと聞こえます。レギュラー盤の方は音圧が低く音もこもっています。ただ、音がいいと書いたプロモ盤もUK盤のEPと比べると音圧は同じですが音が細いです。シンバルの音なんて針金を叩いてるような感じです。UK盤の方は重心が低く安定した音が聴けます。このEPは当時UK始めヨーロッパ、カナダでも発売されましたがイギリス以外の国では「Route 66」がカットされた仕様で発売されています。日本でもこの後の再発盤全て「Route 66」はカットされています。アメリカ編集の同名のLP盤よりも音がしっかりしており65年という最初期のストーンズの重要なライヴ音源ですよね。