ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

キース・リチャーズ USAプロモ盤 SYNC'D!!

キース・リチャーズのUSAプロモ盤『SYNC'D』です。2021年にBMGによって500枚だけ作られ、規格番号はありません。特に何のプロモーション用に作られたのかはっきりしませんが、プレス枚数が少ないせいかあまり知られていないレコードです。内容はキースのソロ・アルバム『TALK IS CHEAP』『MAIN OFFENDER』『CROSSEYED HEART』からの抜粋でベスト・アルバム的な内容となっています。ジャケットは煙草を吸うキースのドアップの写真です。

右上にタイトルのSYNC'Dがあります。このタイトルのSYNC'DというのはSynchronizedの略なんでしょうか?

左下にKEITH RICHARDSと書かれています。

裏ジャケです。曲目とクレジットだけのシンプルなデザインです。

A面の曲目です。1曲目から4曲目はアルバム『TALK IS CHEAP』から、5曲目は『MAIN OFFENDER』からです。

B面の曲目です。1、2曲目が『MAIN OFFENDER』から、3曲目から5曲目が『CROSSEYED HEART』からです。

下部中央に"FOR PROMOTIONAL ONLY. NOT FOR SALE."と書かれています。その下にフォトグラファーのクレジットやBMGのロゴがあります。 

FOR 

背の部分です。キースの名前とタイトルがあります。

背の下の部分です。"FOR PROMOTIONAL USE ONLY"と書かれています。

ラベルです。上部にキースの名前とタイトルがあります。左側に面表記、右側にBMGがあります。その下に曲目だけのシンプルなラベルです。曲目の下に小さくFOR PROMOTIONAL USE ONLY NOT FOR SALEとあります。マトリクスは手書きでBMGKRPR1-1-A  SAAF/BMGKRPR1-1-B  SAAFです。

B面のラベルです。

このアルバムは出ているのを全く知らず昨年何気なくDiscogsを見ていて発見しました。2021年に500枚だけプレスされたプロモと書いてあるではないですか!なんだこれは?と思うと同時に出品者のページに行きすぐに注文していました。内容は既発の曲ばかりで珍しくありませんがキースのプロモとなると特別です。煙草を吸っているジャケットや、黒地に文字だけの裏ジャケがキースらしいですよね!選曲も各アルバムからバランスよく収録されていてこうして通して聴いてみると名曲が多いですね。ベスト・アルバムにしてもいいアルバムだと思います。こういった出ていたのを全く知らなかったレコードを資料などで偶然に見つけ焦ることはよくありましたが、ネット時代になってからサイトで偶然発見するということが多くなりましたね。そして入手するのも海外に一発で注文出来て、地方から1日かけて東京のレコード店を回っていた80年~90年代を思うと簡単にレコードが買えて夢みたいですよね!

ローリング・ストーンズ スペイン盤 ROCK'N ROLLING STONES いろいろ!!

ローリング・ストーンズのスペイン盤『ROCK'N ROLLING STONES』です。スペインでは1972年に発売され、規格番号はSKL 5149です。このスペイン盤は"A Toda Musica"という会社から発売された独自のカヴァーが使われたプロモ盤と、更にオリジナルのデザインで発売されたレギュラー盤も色違いという独自の形態で発売されました。最初はプロモのA Toda Musica盤からいきます。このA Toda Musica盤が作られたのは1973年と1978年の2つの説があるので、ここでは実際のレコードやスペインのラベルから考えて検証してみようと思います。しかしこのジャケット、プロモ用とはいえストーンズの変わり種ジャケットベスト3に入るような適当なジャケットですね(笑)。中央のひものような文字はrock eterno(エターナル・ロック)でしょうか?

上部にグループ名とタイトルがあります。

裏ジャケです。こちらも簡素なイラストとなっています。中央に曲目があります。曲目の上にA Toda Musicaとあります。

曲目の部分です。面表記はCara 1/Cara 2です。

曲目の下にEs un regalo de Fundador Domecq. Prohibida su venta.とあります。販売は禁止されています。という事ですのでこれはプロモを表しているのかも知れません。その下にEste disco puede contener un premio.Exijalo precintado!とあります。これも販売を禁止する内容の事が書かれています。

下部中央です。このジャケットはマドリードにあるIndugraf(インタグラフ)という印刷所で作られたようです。

背にLP-9の番号があります。よくこのプロモ盤を紹介するときに規格番号はLP-9と書かれている資料がありますがこの部分から来たと思います。レコードはSKL 5149でLP-9の番号のレコードは存在しません。

ラベルです。スペインでは『GET YER YA-YA'S OUT』以降はボックスのデッカのラベルに変更になっていてオープンデッカは『LET IT BLEED』が最後ですがそれも青ではなく黒いラベルなのでこの青いオープンデッカはこのプロモ用に特別に作られたのかと思います。オープンデッカという事から考えてこのプロモは78年ではなく73年に作られたのが妥当ではないでしょうか。また、このラベルではⓅ1974となっているのでこれをプレスされた年と考えると74年の可能性もあります。上部にffssとデッカのロゴがあります。その間にDIVISION ARGO(アルゴ事業部)とあります。これが書かれているスペイン盤は無いのでプロモと関係しているのかも知れません。中央にFULL FREQUENCY STEREOPHONIC SOUNDと書かれたラインがあります。左側に面表記とプロモを表す"Disco Promocional Prohibida su venta"があります。右側に規格番号とBIEMがあります。曲目は中央揃いで、タイトル、作者、タイムの順になっています。マトリクスは手書きでSKL-5149-A-1N/SKL-5149-B-1Nです。

B面のラベルです。

ここからレギュラー盤です。ジャケットはナント通常とは色違いでバックの色はシルヴァ―となっています。ジャケットは表裏コーティングされています。

UK盤と並べてみるとタイトル文字やデッカのロゴなども色の違いがよく分かります。

右上にESTEREO(STEREO)と規格番号のSKL 5149があります。

右下にデッカのロゴがあります。

裏ジャケです。こちらも色もデザインもUK盤とは全く違ったものとなっています。

写真の右側にデッカのロゴと規格番号があります。上が初期型、下が後期型で81年に発売された後期型はデッカのロゴの下に新たな番号63 99 153が追加されています。

曲目の部分です。

右下の部分です。上が初期型、下が後期型です。クレジットの内容は同じですが文字の色が違います。上は発売年が1978、下は1981となっています。

左下にMADE IN SPAINがあります。後期型はこの部分は何も書かれていません。

ラベルです。こちらはオリジナルのラベルです。A Toda Musica盤のパブリシャーは1974となっていましたがこちらは何故か1972となっています。このあたりがかなり適当ですよね!この時期はスペインではこのボックストデッカのラベルがオリジナルとなります。デッカのロゴの右側にMADE IN SPAINがあるのがこの時期の特徴です。中央にffss FULL FREQUENCY STEREOPHONIC SOUNDのラインがあります。左側にBIEM、面表記があります。面表記はCara 1です。右側にマトと規格番号があります。マトリクスは機械打ちで850 EAL 11691P 1JN COL/850 EAL 11692P 1JN COLです。

B面のラベルです。

81年以降の再発盤のラベルです。上のラベルと似ていますがデッカのロゴの右側にあったMADE IN SPAINがありません。右側の規格番号の下に新たな番号の63 99 153が追加されています。ラベルの文字の色が白なので上のラベルよりも文字がはっきりした印象です。マトリクスは機械打ちで850 EAL 11691P 1JN COL/850 EAL 11692P 1JN COLです。これは上のラベルと同じマトです。

B面のラベルです。

このスペイン盤は珍しくプロモ専用のジャケットが存在したり、オリジナルのジャケットも他の国とは色が違ったりとスペイン独自で作られていて珍しいですよね!このプロモ用のジャケットはホントに場当たり的な感じがして面白いです。またラベルもブルーのオープンデッカというのもスペイン盤には無いので特別感がありますね!ストーンズの各国盤には時々こういった適当なジャケットがありますが、今度そういうのを集めた特集をやったら面白いかも知れませんね。このアルバムはストーンズがデッカを離れた後でデッカが勝手に作った編集盤ですが、ストーンズの初期の曲の中でロック調のノリのいい曲を集めたアルバムで、通して聴くとオリジナル曲もカヴァー曲もよく出来た曲が多いと思います。

ローリング・ストーンズ USA盤 BLACK AND BLUE !!

ローリング・ストーンズのUSA盤『BLACK AND BLUE』です。1976年4月20日に発売され、規格番号はCOC-79104です。USA盤は各国盤同様見開きジャケとなっています。写真はプロモ・シールが貼られているものです。

裏ジャケです。プロモ用に作られた曲目シールが貼られています。

曲目シールです。最初にこのアルバムを買った時、ストーンズのレコードはそれまで10曲入りだったので当時は曲が少ないと思いました。最後に規格番号が書かれています。

左下にベロマークと規格番号があります。

見開きの内側です。こちらも各国盤と同じデザインです。ストーンズに海ってあまりピンときませんが、全員煙草を持っているところがストーンズらしいですよね。

見開きの右ページの下部にローリング・ストーンズ・レコードのクレジットがあり、Distributed By Atlantic Recordsと次の写真に続きますがストーンズ・レコードの登録票所があります。

上の写真の続きです。ストーンズ・レコードの登録票所とPrinted in U.S.A.があります。

インナーです。こちらはA面側で上部レコード取り出し口が緩やかにカットされています。UK盤は硬い紙質ですが、USA盤は薄い紙です。買った当時はこのトラック表を見てギターを弾いているのは誰だとか、パーカッションは誰だ、などと興味深く見入ってました!この時点でストーンズのアルバムの中でメンバーの担当した楽器のクレジットがあるのは『LET IT BLEED』と『BLACK AND BLUE』だけでしたね。このインナーはナイスアイディアだと思います。

上部ベロマークの左下にCOC-79104があります。この部分はUK盤はCOC-59106、日本盤はP-10174とそれぞれ各国の規格番号が書かれています。

B面側です。

B面側の右下に小さくてほとんど見えませんがQUEENS LITHO IN U.S.A.と書かれています。

ラベルです。USA盤はこの専用のピクチャー・ラベルしかなく、イエローのラベルはありません。左側にCOC 79104、STEREO、ベロマークがあります。右側に面表記と登録票所があります。曲目や作者クレジットなどは左揃いです。一番下にマトがありますが他のレコードのようにマトの後のプレス工場コードが書かれおらず、どこの工場でプレスされたのかこの部分では分からないようになっています。おそらく専用のピクチャー・ラベルのため各プレス工場で同じラベルを使用したためだと思いますが、レコードのマトの部分を見るしかないのがやっかいですね!マトリクスは手書きでST-RS-763567-G/ST-RS-763568-Gです。両面にSTERLINGの刻印とPRがあります。他にはPRで、-G/-Jや-J/-Jや、MO(カルフォルニア州のMonarch records)プレスで-J △20555/-J △20555-X、PRC(インディアナ州のRecording Corp., Richmond)プレスでST-RS-763567-GGG-1  PRC 1/ST-RS-763568-GGG-1  PRC 2などを確認しました。PR以外のレコードにもSTERLINGの刻印とPRがあります。これはPresswell Records製のマザーを使っていることを表します。末尾の一番若いアルファベットは-G/-GでおそらくA~Fはないと思います。

B面のラベルです。

ここからはコロンビア(CBS)に移籍してからの再発盤です。『BLACK AND BLUE』は1987年7月31日に発売され、規格番号はFC 40495です。ジャケットのデザインは同じなんですが残念ながら見開きではなくなっています。インナーのトラック表もなくなんともつまらない再発です。

裏ジャケです。ぱっと見でバーコードがあるのですぐに再発と分かります。

バーコードの部分です。

下部にCBS著作権表示や住所などクレジットがあります。

左下にベロマークがあります。

ラベルです。オリジナルは専用のピクチャー・ラベルでしたが、この再発盤は黄色いラベルしか存在しません。上部にジャケットと同じ書体のグループ名とタイトルがあります。左側にベロマークが、右側に面表記、規格番号、マトがあります。曲目は左揃いです。マトリクスは手書きでAL 40495-1A  G1/BL 40495-1A  G1です。

B面のラベルです。

オリジナルのUSA盤はピクチャーのラベルしかないのが意外です。ラベルの時にも書きましたが、そのせいかラベル上ではプレス工場の判別が全くできず、マトリクスを見て判断するしかないのがこのレコードの特徴です。『GOATS HEAD SOUP』ほどではありませんが、この頃になっても複数のプレス工場でプレスされていたんですね!『BLACK AND BLUE』はストーンズのレコードの中では初めて発売日に買ったレコード(日本盤)で思い入れのあるレコードです。当時はA面の4曲が気に入り何度も聴いていました。特に「Memory Motel」が気に入っていてキーボードをバックに歌うミックや途中で入るキースのヴォーカルに感激していました。今でもA面のこの4曲の曲の流れはストーンズのレコードの中でも最高だと思っています!