ローリング・ストーンズの日本盤『メイン・ストリートのならず者』です。日本ではワーナー・パイオニアからのオリジナル盤と、東芝EMIからの再発盤があります。今回はワーナー・パイオニアからのオリジナル盤を紹介します。1972年(昭和47年)6月25日に発売され、規格番号はP-5051-52Sです。UK盤は5月26日に発売されたので日本では約1ヶ月遅れの発売だったんですね!ジャケットは各国盤同様見開きの内側からレコードを取り出す特殊ジャケとなっています。「ストーンズ期待の新曲パッケージ」と書かれた帯が付けられ、当時の値段は3000円です。
こちらは来日記念の帯が付けられたものです。上の帯のベロマークの部分にローリング・ストーンズ来日と書かれた丸いシールが貼られ、「ローリング・ストーンズ来日記念盤」と書かれた帯が追加されています。ストーンズの来日が73年1月の予定だったので、この帯で売られていたのは72年の終わり~73年1月初頭だと思います。
帯の上部にタイトルと規格番号とベロマーク、STEREOがあります。
値段の部分です。73年のオイルショックの頃に3400円に変更になっています。
裏ジャケです。こちらも各国盤と同じデザインとなっています。
右上に規格番号があります。
右下にベロマークとその左側に値段の¥3,000があります。これはジャロイドさんからの情報ですが、ベロマークは黒が抜けていて影やベロの線がなくベロの横にあるTMがないものも存在します。右の普通のベロと比べると左のベロはかなり不自然ですね!
こちらもジャロイドさんから教えて頂いた3000円の表記があるものとないものです。下の3000円表記が無い方は帯が3400円表記となっていました。
上から通常のベロで3000円表記のあるもの、ベロの影やTMがなく3000円表記のあるもの、ベロの影やTMがなく3000円表記もないものです。この部分だけで3種類も存在するのは驚きです。ジャロイドさん、どうもありがとうございました。
見開きの内側です。こちらも各国盤と同じデザインとなっています。
帯の裏側の補充注文票です。当時の1枚ものが2000円の時代に3000円とはえらく安いですよね。
付録のポストカードです。日本盤はUSA盤に付いていたポストカードと同じ大きさ、同じ紙質です。
1枚目のインナーです。
右下にベロマークと1枚目の規格番号P-5051Sがあります。
インナーの裏側です。
2枚目のインナーです。
右下にベロマークと2枚目の規格番号のP-5052Sがあります。
インナーの裏側です。
ライナーです。このアルバムは二人の方がライナーを書いており、最初のページは木崎義二さんが書いています。R&B、ブルースのコピーから始まったストーンズのデビュー当時から現在までと、ビートルズと比較するとストーンズはライヴ・バンドだといった内容の事が書いてあります。
ライナーの2、3ページ目です。左側のライナーはほんけよしふみさんという方が書いており、このアルバムでストーンズは原点に戻ろうとしているという事と、曲毎の解説が書いてあります。右側は歌詞になっています。
最後のページです。こちらも歌詞が載っています。このアルバムは歌詞が聴き取り不可能として「Torn And Frayed」「I Just Want To See You Face」「Let It Loose」「Stop Breaking Down」「Soul Survivor」の5曲の歌詞が載っていません。このアルバムを手にした時、聴き取り不可能なんてことがあるのか、と驚きました。
ラベルです。上部に規格番号とグループ名、タイトルがあります。左側にベロマークSTEREO、パブリッシャーがあります。右側に面表記、回転数があります。曲目は左揃いです。一番下にプロデューサー・クレジットがあります。マトリクスは機械打ちでP-5051S-1 2-A-1/P-5051S-2 2-A-1です。後半の2-A-1の部分はマトの反対側にあります。この部分は他にA面が2-A-4、2-A-7、B面が1-B-2、1-B-5を確認しました。両面にJISマークがあります。2枚目のマトはC面のところに書いてあります。
B面のラベルです。
C面のラベルです。マトリクスは機械打ちでP-5052S-1 1-A-3/P-5052S 2-A-1です。規格番号以外のマトは他にC面が1-A-3、1-A-8、2-A-1を、D面が2-A-1、2-A-2、3-A-1を確認しました。両面にJISマークがあります。
D面のラベルです。
ここからはプロモ盤です。これはプロモ盤に付けられていたシートです。解説はストーンズ初のダブル・アルバムという事と、南フランスでの録音(何故かキースの家の地下室とは書かれていません)と、プロデューサーはジミー・ミラーだという事が書かれています。下半分はキースのインタビューが載っています。キースによると、メンバーは変動的でその時にスタジオにいるメンバーで録った。ミックがリラックスして歌っているのはウイスキーを飲みながら歌っているからだ、などが書かれています。
シートの裏側です。こちらは収録曲全曲の紹介が載っています。「Rocks Off」の解説では卑猥な歌詞が強烈として"Rocks"をタマタマちゃんと紹介しています(笑)。他には曲毎のテンポやタイム、推薦曲などが載っています。推薦曲は今でも人気がある曲が選ばれているので当時これを選んだ人はセンスがいいと思います。
プロモ盤のラベルです。上部に規格番号とグループ名、タイトルがあります。左側にベロマークSTEREO、パブリッシャーがあります。右側に面表記、回転数、非売品があります。曲目は左揃いです。一番下にプロデューサー・クレジットがあります。マトリクスは機械打ちでP-5051S-1 2-A-1/P-5051S-2 1-A-1です。A面の2-A-1はレギュラー盤でも確認しましたが、B面の1-A-1は未確認です。両面にJISマークがあります。
B面のラベルです。
C面のラベルです。マトリクスは機械打ちでP-5052S-1 1-A-3/P-5052S 1-A-1です。C面の1-A-3はレギュラー盤でも確認しましたが、D面の1-A-1は未確認です。両面にJISマークがあります。
このC面のマトの1-A-3の部分ですが、slowhandmtaniさんから、3の部分は1を上書きして3に修正してあるとの情報を頂きました。確かに1が見えます。元は1-A-1が存在したのか、どういった過程で3になったのか不思議ですよね。これに関してはまだ調査が必要だと思います。slowhandmtaniさん、ありがとうございました。
D面のラベルです。
このアルバムはプロモ用の青ラベルの他に白ラベルのテスト・プレスが存在しますが私は20年くらい前にレコードを処分した時に間違えて他のレコードと一緒に売ってしまいました。たしかP-5051Sの番号だけが書かれていたと思います。もしこのテスト・プレスをお持ちの方がいらっしゃいましたら写真を譲ってください。このアルバムは当初音楽誌での評価は著しくなく、核心のないぶざまな2枚組と言われていたほどです。今考えると酷い評価でしたね。その後ストーンズの最高傑作だとか言われ始めて、ストーンズの新譜が出るたびに「メインストリート」を超えた、とか「メインストリート」の再来だ!なんてストーンズの新作紹介の時のバイブルみたいな使われ方をしていた時期もありましたね。こういったこともストーンズが時代の先を行っていて聴く側が理解するのに時間がかかったのかも知れませんね。キースの自宅の地下室で録音したというのもストーンズらしいし、セッション的な雰囲気なのによく出来た曲ばかりでストーンズの魅力がぎっしり詰まったアルバムだと思います。