ストーンズの初期の名盤『AFTERMATH』です。以前、各国盤を紹介したので今回はUK盤のジャケット、ラベルのいろいろなヴァリエーションを紹介します。1966年4月15日、イギリスでの4枚目のアルバムとしてリリースされました。全14曲初の全曲オリジナル・アルバムです。規格番号はモノラル LK 4786、ステレオ SKL 4786です。フロントは5人の写真が使われています。中央に大きくタイトル、左下にDECCAのロゴがあります。グループ名はありません。
リア・カヴァーです。5人のいろいろなショットが使われています。なんだか楽しそうですね。右上にMONO、規格番号があります。ステレオはこの場所にSTEREOとあります。右下にDECCAのロゴと印刷所のクレジットがあります。尚、『AFTERMATH』はモノラル、ステレオ全て80年代までずっとRobert Staceで印刷されています。
また有名ですが、モノラルの一部に「シャドー・カヴァー」と呼ばれるタイトルに影があるジャケットが存在します。こちらが初版という説がありますが、マトリクスから考えると普通の文字のジャケットの方には-1B/-1Aがありますが、シャドー・カヴァーの方は-1B/-5Aだったり-6B/-4Aだったりするので何とも言えません。また、初版でしたらもっと数が出回っていてもいいと思うので、最初のアイディアのものが途中で何らかの間違いで印刷されてしまったか、または最初に仮に印刷されていたものが世に出回ってしまったのではないでしょうか。
タイトルの部分の拡大写真です。シャドー・カヴァーには影の色違い2種存在するらしいですが未確認です。
フロント・カヴァー左上の規格番号の部分です。それぞれMONO、STEREOです。
裏ジャケ右上の規格番号の部分です。上からモノラル通常盤、モノラルシャドー・カヴァー、ステレオ、ステレオ後期盤の何もクレジットが無いタイプの4種類です。
印刷所の部分です。上はモノラル、ステレオの通常盤、下はステレオの後期盤でコーティングされていないのでラミネート加工の工場のクレジットがありません。
モノラル専用のインナーです。『AFTREMATH』ではこのインナーをよく見かけます。最初期には『OUT OF OUR HEADS』まで使われていたインナーと同じものが使用されていますが以前も載せたのでここでは省略します。
ラベルです。どれが初版かは判別が難しいのでマトリクスの枝番が若い順にいきます。XZAL-7209-1B/XZAL-7210-1Aです。ジャケットは通常のものです。右側のマトの逆さ文字の表示にカッコがありません。グループ名の下に5人の名前がクレジットされています。曲目が2曲ずつ横一列に並んでいます。シャドー・カヴァーもこれと同じラベルですが何枚か確認したところマトは-1B/-1Aもありますが-1B/-5Aや-6B/-4Aもあり必ずしも-1B/-1Aが入っているわけではありません。
こちらはタイトル、曲名等、文字のフォントが違い小さな文字で表記されています。マトリクスは-1B/-3Aです。
上の2枚のラベルの曲名の部分が違いこちらは1曲ずつ縦に並んでいます。マトリクスは-4B/-4Aです。
一番最初のラベルと似ていますが、メンバーの名前が小さくクレジットされています。タックスコードK/Tの位置もわずかに違います。マトリクスは-6B/-4Aです。
次はステレオです。ステレオのインナーは初期には『OUT OF OUR HEADS』同様下の写真のものが使われています。後期へ行くと周りに青い枠があるインナーに変ります。
ラベルです。モノラル同様、グループ名の下にメンバー5人の名前があります。下の2枚と比べて文字が大きいです。Side 1は右側、マトリクスにカッコはありません。P1966は規格番号の下にあります。これが初回盤のラベルと言われています。マトリクスはXZAL-7209-1W/XZAL-7210-1Wです。なお、これと同じラベルで-2W/-2Wのものも存在します。
上のラベルからSide 1が左側に、P1966がラベルの下部に移動したタイプです。文字のフォントも違います。マトリクスは-1W/-1Wのものと-1W/2Wのものを確認しました。
再びSide 1が右側のものです。最初のラベルとは文字のフォントが違い、上のものと同じです。P1966が左側へ移動しています。マトリクスは-1W/-2Wです。
グループ名とメンバーの名前が曲目の下へ移動したタイプです。Side 1が左側、P1966がラベルの下にあります。溝の形から68年以降のプレスと言われていますがマトリクスは何故か-1W/-1Wに戻っています。
一番最初のラベルと同じ大きな字体ですがSide 1が左側へ、P1966が下部に移動したタイプです。こちらも溝の形から68年以降のプレスかと思います。マトリクスは-1W/-5Wです。
70年代からのボックスト・デッカです。マトリクスは-1W/-4Wです。
ボックスト・デッカですが上のラベルと文字の配置が微妙に違います。左側のBIEMとNCBの枠の下にあったM.C.P.S.が枠の上に移動しています。下部にあった℗1966が右側の規格番号の上に移動し、その下のマトにカッコがありません。マトリクスは-1W/-5Wです。
80年代にプレスされた薄いブルーのラベルです。Side 1や規格番号、曲目などの文字が全体に小さくなっています。マトリクスはXZAL 7209 7X ED/XZAL 7210 8X E Dです。このジャケットはコーティングされてなく、裏ジャケのラミネート会社のクレジット部分が空白です。
また、「サタニック」や「GET YER YA-YA'S OUT」「STONE AGE」同様71年にリリースされた輸出仕様の白ラベルも存在します。北欧や一部フランスに輸出されたようです。マトリクスは-1W/-2Wです。
このアルバムの特徴は何といっても初の全曲オリジナルという事でしょう。今までのR&B、ブルースと違っていろいろなタイプの曲が並んでいてこのアルバムで一気にストーンズの音楽性が開花したと思います。アレンジも凝っていてブライアンがいろいろな楽器を演奏するようになったのもこのアルバムからです。また「Goin' Home」の後半の即興演奏も当時としては画期的だと思います。勘違いしやすいですが「Mother's Little Helper」はイギリスではシングル発売なしでここでもアルバムのみの曲でまとめられています。今から50年前に発売されたアルバム、そしていよいよ明日は新アルバムの『BLUE & LONESOME』が発売ですね!50年経ってもストーンズが健在とは素晴らしい事です。