ローリング・ストーンズの「Stoned」を「Stones」とミスっているのはUK盤が有名ですが、南アフリカと南ローデシア(現ジンバブエ)も同じように「Stones」とミスっています。両国のデビュー・シングル「I Wanna Be Your Man/Stoned」です。規格番号はFM.7-7052で、1964年4月に発売されました。日本もそうですが、この「I Wanna Be Your Man」をデビュー曲に持ってきている国は結構ありますね。UK盤は発売後に間違いに気づき「Stoned」と変更されましたが、こちらは修正した盤を見たことがありません。南アフリカ盤のラベルです。こちらはB面の「Stones」と間違えている方の写真です。南アフリカとローデシア盤はシングル、EP、アルバム全てラベルやジャケットに国名のクレジットはありません。マトリクスは手書きでXDR 31954/XDR 31955で枝番はありません。この番号はUK盤と同じですね。
こちらはA面の「I Wanna Be Your Man」側のラベルです。上にDECCAのロゴ、右側に規格番号とRec.first pub.1963とタイム表記があります。マトリクスは曲のクレジットの下にありますがUK盤と同じように逆さ文字で書かれています。
南アフリカ盤は同じレコードでもセンターのプッシュ・アウトの形が違っていたり、ラベルの色が違うものが多数ありますが、このレコ-ドには三角形のプッシュ・アウト・センターの南ローデシア盤もあります。南ローデシアは1888年から1965年までイギリスの植民地で65年から80年まで白人国家と黒人国家の内戦があり80年にジンバブエ共和国として独立しているので、このレコードはイギリスの植民地時代に発売されたことになりますね。ラベルのロゴや文字の配列等は全く同じです。マトリクスも全く同じですが、こちらはマトリクスの後にMADE IN S.RHODESIAの刻印があります。
A面の「I Wanna Be Your Man」側のラベルです。
MADE IN S.RHODESIAの刻印の部分です。
なお、南アフリカ盤のシングルには初回だけピクチャー・スリーヴが付けられているタイトルがありますが、この「I Wanna Be Your Man」はDECCAのカンパニー・スリーヴに入っています。このスリーヴは60年代に3回デザインが変更になりましたが、こちらは1964年前後のスリーヴになります。他のデザインのスリーブは別の機会に触れます。
裏側です。Seven Singleとクレジットされているのが特徴です。
このシングルが発売された頃の南アフリカは民族解放運動やイギリス連邦からの脱退といろいろともめていた時期に当たりますね。当時このレコードを買った人は現地にいたイギリス人でしょうか?このタイトルのピクチャー・スリーヴは見たことがありませんが、他のタイトルの南アフリカ盤のピクチャー・スリーヴは独自のデザインで面白いものが多いのでまたの機会に紹介します。