ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ UK盤GET YER YA-YA'S OUT いろいろ!!

ローリング・ストーンズのUK盤『GET YER YA-YA'S OUT』です。1970年9月4日に発売され、規格番号はSKL 5065です。イギリスではこのアルバムからモノラルがなくなりステレオのみとなります。(モノラルは以前紹介したブラジルとアルゼンチンで発売されています。)また、デッカでの最後のアルバムになります。プロデューサーはグリン・ジョンズとストーンズです。ジャケットのデザインはジョン・コッシュとスティーヴ・トーマス・アソシエイツによるもので楽器を持ったロバとチャーリーという面白いデザインです。写真を撮ったのはデヴィッド・ベイリーです。タイトルの下にThe Rolling Stones In Concertとサブのタイトルがあります。このUK盤も意外とジャケットのヴァリエーションがたくさんあります。

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裏ジャケです。ライヴの躍動感溢れるいいデザインです!メンバー各1枚ずつカラー、右側と左側でそれぞれ違うメンバーの写真の配置です。下に曲目のクレジットがあります。

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裏ジャケ右上です。このアルバムは両面コーティングと表面だけコーテイングがあります。上から両面コーティング、2番目が表だけコーティングで裏はないもの、3番目は後でも触れますがUK盤ドイツ向けの輸出仕様のジャケットです。STEREO SKL 5065とクレジットがあります。ドイツ向け輸出仕様はSLK 16670/Pとドイツ盤の規格番号になっています。

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下部DECCAのロゴの左側にデッカの住所があります。

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右下の印刷所とコーティングの会社のクレジットの部分です。印刷所は上から①Robert Staceで両面コーティング、②Clout & Baker Ltd.がDECCAのロゴのすぐ横で片面コーティング、③Clout & Baler Ltd.がジャケットの右側へ移動で片面コーティング、④Sleeve printed in Englandのみで両面コーティング、⑤80年代プレスで印刷所の記載とコーティングがないものです。①Robert Staceに初回マトの-1W/-1Wが入っている率が多いので最初に挙げましたが、④Sleeve printed in Englandにも-1W/-1Wや-3W/-3Wが入っているので必ずしもこの順番で発売されたのではなく、80年代を除いた上の4種類はただ単に複数の印刷所で同時に印刷されて発売された可能性があると思います。ただ、コーテイングの会社は全部同じなので両面コーティングの①と④が先に印刷された可能性もありますがここでは保留にしておきます。各ラベルがどの印刷所のジャケットに入っていたか一緒に紹介します。

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インナーです。70年代のステレオ用に使われていた青いレコード袋です。

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この青いインナーは左上にSTEREOと大きく書かれたものと、疑似ステのステレオ効果について書かれたものの2種類存在します。

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ラベルです。このレコードからオープン・デッカがなくなりボックスト・デッカのラベルのみになります。一般的に発売された年を表すPublishedの記号が1970年しかないのが初期プレスと言われていますがここではマトの枝番の順に挙げます。規格番号の上のマトが括弧が( )です。面表示は左側、Publishedの記号はP1970、1969、1968とあります。これを見て改めて気づいたんですが、新しいストーンズを表そうとしたんでしょうか。チャック・ベリーの2曲を除いてAB面とも68年~69年の曲で固められています。マトリクスは機械打ちでXZAL-10076-1W/XZAL-10077-1Wです。ジャケットは④Sleeve printed in Englandのみで両面コーティングです。マトリクスはこれ以降全て機械打ちです。

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規格番号の上のマトリクスの括弧が /  /となっています。レコードの回転数がなくなり、面表示は左側です。Publishedの記号はP1970、P1969-1,5、P1968-3となっています。「Jumpin' Jack Flash」は68年なのですが…。マトリクスは機械打ちでXZAL-10076-1W/XZAL-10077-1Wです。ジャケットは①Robert Staceで両面コーティングです。

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規格番号の上のマトリクスの括弧が♱ ♱となっています。レコードの回転数があり、Publishedの記号はP1970、1969、1968です。面表示は左側です。プロデューサー・クレジットがbyで改行され2列になっています。マトリクスは機械打ちでXZAL-10076-1W/XZAL-10077-1Wです。ジャケットは①Robert Staceで両面コーティングです。

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規格番号の上の括弧がありません。B面は{  }の括弧という変則的な組み合わせです。Publishedの記号はP1970、1969、1968です。面表示は左側、プロデューサー・クレジットは一列です。マトリクスは機械打ちでXZAL-10076P-3W/XZAL-10077-1Wです。A面の枝番が3Wになり10076の後にPが追加されています。ジャケットは②Clout & Baker Ltd.がDECCAのロゴのすぐ横で片面コーティングです。

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ここでB面のラベルについてですが3曲目の「Little Queenie」の出版社クレジットが初期盤はTristan Musicとなっています。これはA面のマトが1Wのラベルに多いと思います。

こちらは「Little Queenie」のクレジットがJagger-Richardの出版社クレジットのMirage Musicとなっています。こちらはA面のマトが3W以降のものに多いと思います。

こちらは「Little Queenie」のクレジットがチャック・ベリーの出版社クレジットのJewel Musicとなっています。この修正されたクレジットが後期型だと思います。こちらもA面のマトが3Wのものに多いと思います。

A面のラベルに戻ります。規格番号の上のクレジットが{ }です。Publishedの記号がP1970だけになっています。マトリクスは機械打ちでXZAL-10076P-3W/XZAL-10077-1WとA面の枝番が3になっています。ジャケットは②Clout & Baker Ltd.がDECCAのロゴのすぐ横で片面コーティングです。

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規格番号の上のマトリクスの括弧が{ }です。今まで下にあったPublishedの記号は右側の規格番号の上に移動してP1970だけのクレジットなっています。マトリクスは機械打ちでXZAL-10076P-3W/XZAL-10077-1Wです。ジャケットは②Clout & Baker Ltd.がDECCAのロゴのすぐ横で片面コーティングです。

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規格番号の上の括弧が/   /です。2番目のラベルと似ていますが、Publishedの記号はP1970だけです。マトリクスは機械打ちでXZAL-10076-1W/XZAL-10077-3WとA面が1に戻りB面が3に進んでいます。ジャケットは③Clout & Baler Ltd.がジャケットの右側へ移動して片面コーティングです。

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規格番号の上の括弧は♱ ♱です。こちらもPublishedの記号はP1970だけしかありません。またBIEM、NCBといった記号を囲った枠がないので結構後期のプレスかもしれません。プロデューサー・クレジットは2列になっています。マトリクスは機械打ちでXZAL-10076-1W/XZAL-10077-3Wです。ジャケットは②Clout & Baker Ltd.がDECCAのロゴのすぐ横で片面コーティングです。

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規格番号の上の括弧が( )で一番最初のラベルと似ていますが、Publishedの記号はP1970だけです。マトリクスは機械打ちでXZAL-10076P-3W/XZAL-10077-3Wと両面共-3Wです。ジャケットは④Sleeve printed in Englandのみで両面コーティングです。

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80年代プレスのラベルです。薄いブルーでシルバーの文字も薄い色です。Publishedの記号はP1970しかありません。ぺらぺらの薄い盤です。マトリクスは機械打ちでXZAL-10076P-3W/XZAL-10077-1Wです。

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こちらは輸出仕様の白ラベルです。主にスカンジナビア方面へ輸出されたようです。この白ラベルは『AFTERMATH』や『サタニック』にも存在します。DECCAのロゴの上にMADE IN ENGLANDがあります。規格番号の上の括弧は( )で、Publishedの記号はP1970だけしかありません。マトリクスは機械打ちでXZAL-10076.P-4W/XZAL-10077-1Wです。A面の10076とPの間にドットがあります。ジャケットは③Clout & Baler Ltd.がジャケットの右側へ移動して片面コーティングです。

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こちらは珍しいドイツ向けのラベルです。規格番号がドイツ盤のSKL 16.670となっています。DECCAのロゴの上にはMADE IN ENGLANDがあります。Publishedの記号はP1970、1969、1968と3っつあります。マトリクスは機械打ちでXZAL-10076-3W/XZAL-10077-1Wです。ジャケットは①Robert Staceで両面コーティングでイギリス製ですが、ジャケットの蘭で拡大した画像を載せたように裏ジャケ右上の規格番号のところがSKL 16 670/Pとなっている特殊なジャケットです。MADE IN GERMANYのレコードは赤いラベルですが、ドイツでは最初このイギリス製のレコードが発売されていたんでしょうか?

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規格番号のところを拡大した写真です。

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80年代のシルバーのラベルです。ここまでくるとMADE IN HOLLANDでヨーロッパで発売されていたので今までのタイトルでは省略していたんですが、ジャケットのヴァリエーションと、ラベルのPublishedの記号でヒントがあると思い載せました。マトリクスは機械打ちでXZAL 10076 5G ▽420 1111/XZAL 10077 5G ▽420 1111です。⑤印刷所の記載とコーティングがないものです。DECCAのイギリスの住所もありません。Publishedの記号はP1970だけです。

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こうしてみると初版と言われているPublishedの記号がP1970だけのもののマトは数字が進んでいたり上の80年代のシルバーのラベルだったりして、3っつクレジットされているのは初回マトの-1W/-1Wという事になります。マトから考えるとこのP1970だけのラベルが初回盤という説は逆なのでは、と思ってしまいます。このアルバムの選曲は先にも書きましたがチャック・ベリーのカヴァー2曲を除くと、68年~69年のシングル2曲、アルバム『BEGGAR'S BANQUET』と『LET IT BLEED』からで当時の新しい曲だけで構成されています。当初は前座も含めた2枚組で発売する予定でしたがそれらは2009年に発売されたデラックス・エディションで聞くことが出来ます。オリジナル盤に収録されなかった「Under My Thumb」「I'm Free」「Satisfaction」等も素晴らしい演奏です。ミックのヴォーカルや、キースとテイラーのコンビネーション、ドラムとベースも安定していてストーンズのライヴ盤の中では一番好きなアルバムです。