ローリング・ストーンズのメキシコ盤『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』です。これは以前ジャケットだけDiff.カヴァーの時に紹介しましたが、このレコードはカヴァーだけではなく音源も面白いです。タイトルは『サタニック』ではなく「2000光年~」をスペイン語にした『A 2000 ANOS LUZ DE LA TIERRA』となっています。メキシコでは1968年に入ってから発売され、規格番号はモノラルM 1348、ステレオ1348です。ジャケットはモノラル、ステレオ共通でクレジットがないため外からはモノラルかステレオかは判別できません。以前紹介したアルゼンチン盤の『GET YER YA-YA'S OUT』のようにシールドの上からステレオのステッカーが貼ってあったんでしょうか?このモノラル、ステレオに関しては謎の部分が多く後で詳しく触れます。レーベルはLONDONでメキシコでの発売元Peerlessです。ジャケットは厚い紙で作られています。
右上の部分です。Peerlessのロゴと規格番号の1348があります。
左上にLONDONのロゴがあります。
裏ジャケです。タイトルと曲目だけのシンプルなデザインです。
裏ジャケ右上にPeerlessと規格番号の1348があります。
曲目の部分です。全てスペイン語で書かれています。その下に英語でクレジットがあります。曲目の左側にLONDONのロゴがあります。
65年から69年まで作られていたモノラル用の赤ラベルです。LONDONのロゴの上にffrrの耳のマークがあります。面表示はなく、規格番号の後にA/Bとあります。マトリクスは手書きでLD-1348-A M/LD-1348-B Mです。
B面のラベルです。
66年から72年まで使われていたステレオ用のラベルです。ラベルの中央にFULL FREQUENCY STEREOPHONIC SOUNDの文字があります。LONDONのロゴの上にffrrのマークがあります。下半分の曲目の部分はモノラルと同じです。マトリクスは手書きでLD-1348-A M/LD-1348-B Mです。これってモノラルと同じマト?内容はモノラルでした。ラベルに堂々とSTEREOPOHICとクレジットがあるのにモノラルとはこれは何が何だか分からなくなってきました(笑)。
B面のラベルです。こちらも中央に堂々とステレオのクレジットがありますが、モノラルです。
72年から78年まで使われていたステレオ用のラベルですが、こちらもやっぱりモノラルです。ステレオの表示は何処にもなく規格番号からモノラルにあったMが消えています。オープン・ロンドンで、下半分の曲目などの文字の配置は上のラベルと同じです。マトリクスは手書きでMS-1348-A/MS-1348-Bです。
B面のラベルです。
最初にジャケットだけではなく音源も面白いと書きましたが、このメキシコ盤は曲間が異常に長く、たとえば「Sing This All Together」が終わり聞きなれた感覚で「Citadel」のイントロを待っていると全然出てこないので調子が狂ってしまいます(笑)。面白いのは曲間があるため隠しトラックの「コズミック・クリスマス」が独立している事。そして「She's A Rainbow」はストリート・ノイズの後無音になり少したってからイントロのピアノが始まります。そしてシングルのようにフェードアウトしてしまい、「The Lantern」は鐘の音からフェイドインで始まります。その他全部の曲の曲間が通常の2倍以上はあるので聞きなれたサタニックとはなんだか違う感覚で楽しめます。この曲間が長いのは70年代のラベルまで同じです。また、ステレオと表記してあるのにずっとモノラルだったのは、何らかの事情でメキシコにはステレオのマスターが届かなくて仕方がなくステレオと偽って発売したのではないでしょうか。そうだとしたらかなりテキトーですがこの時代はそんなものだったのかもしれませんね。このレコードはジャケットが独自のもので面白いですが、内容も長い曲間や疑似ステで珍品ともいえるレコードですね!