ローリング・ストーンズの初のライヴ・アルバム『GOT LIVE IF YOU WANT IT』です。アメリカでは8枚目のアルバムとして1966年12月6日に発売されました。今回はモノラルを紹介します。規格番号はLL 3493です。現行CDとは違うミックスですが、このアナログ時代のモノラル盤でもプレス・ミス?なのか2種類の別物が存在します。これはラベルの時に触れます。ジャケットはライヴ写真をちりばめたもので当時の熱気が伝わってくる素晴らしいデザインです。数多いストーンズのライヴ盤でステージの写真を使ったレコードは意外とこれだけだったりします!
左上にタイトルとグループ名、曲目があります。
モノラルは右下にLONDONのロゴと規格番号、MONOのクレジットがあります。
初期盤にはシュリンクの上からステッカーが貼られていました。これはモノラル、ステレオ共通です。実際は66年10月のニュー・カッスルとブリストルでのライヴで、ロイヤル・アルバート・ホールの録音は入っていませんが、80年頃までは情報が無く誰もがロイヤル・アルバート・ホールでのライヴだと信じていましたね!
裏ジャケです。66年頃のメンバーの写真が使われています。この写真は危ない奴らといった感じで好きな一枚です。当時たくさんのバンドがいましたが、ストーンズの色気は抜きんでていましたね。この裏ジャケはモノラル、ステレオの区別はなく両方とも全く同じものが使われています。
右側にタイトルと曲目があります。
左下にプロデューサー・クレジットがあります。
下部中央にrecorded LIVE at the royal albert holl, londonとエンジニアのグリン・ジョンズのクレジットがあります。前記のようにニュー・カッスルとブリストルでのライヴです。
カヴァー・デザインはステファン・イングリス、写真は当時のストーンズをよく撮っていたジェレド・マンコウィッツによるものです。その下にロンドン・レコードの住所があります。
ラベルです。最初はマルーンのラベルから行きます。このラベルが初版といわれています。side 1が縦書きになっています。このレコードは他のタイトルと違い全部のラベルにタイトル表記はありません。曲目は左揃いです。Recorded at Royal Albert Holl, Londonのクレジットがあります。その下にEnginner:Glyn JonnsとProducer:Andrew Loog Oldhamのクレジットがあります。これらのクレジットはこれ以降の全てのラベルにあります。マトリクスは手書きでARL-7517-1K/ARL 7518-1Kです。B面のARLの後にハイフンがありませんが、レコードに彫ってあるそのままに書いています。また、これ以降全てのラベルのマトは手書きです。
マルーンで、左側にside oneとマトリクス、右側にLL-3493があります。曲目は左揃いです。MADE IN U.S.A.はありません。マトリクスは手書きでARL 7517-1A/ARL 7518-1Bです。マトから考えたらこれが一番最初でしょうか?
バンデッド・ラベルと呼ばれているラベルの中央に太いラインがあるラベルです。目を凝らしてみるとタイトルのGOT LIVE IF YOU WANT ITを消したようですが、何故このアルバムはラベルにタイトル表記が無いのか不思議です。面表示はSIDE 1でリムはありません。ラベルの色は朱色というか明るい赤です。マトリクスはARL 7517-BW 11-1-66/ARL 7518-BW1 11-15-66です。発売日前の日付があるという事はこれが初版でしょうか?B面も同じくラインが引かれています。マトリクスの末尾のBWはプレス工場コードでニュー・ジャージー州のBestway Products,Inc.でプレスされたレコードということです。
バンデッド・ラベルのB面です。こちらもラベル中央に太いラインがあります。情報によりますとA面はバンデッド・ラベルでB面はラインが無い通常のラベルの組み合わせも存在するようです。(おそらくこの次のラベルのB面)
同じく朱色というか明るい赤のラベルです。上のラベルと全く同じ文字と配置ですが太いラインはありません。また、ラインの下にあったと思われるタイトルもありません。最初に間違ってタイトルを印刷してしまい、こちらのラベルを印刷したのでしょうか?マトリクスも全く同じでARL 7517-BW 11-1-66/ARL 7518-BW1 11-15-66です。こう考えると上のバンデッド・ラベルがホントに初版なのかも知れませんが確実な証拠がないので保留にしておいてください。
ここから赤ラベルです。右側にLL-3493、面表示はSide 1です。曲目は左揃いで曲目、作者クレジットが2行に渡ってクレジットされています。グループ名が小文字となっています。マトリクスはARL 7517-1C/ARL 7518-1Cです。
右側にLL-3493、面表示はside oneと全部小文字です。曲目は中央揃いで文字が小さくなっています。マトリクスはARL 7517-1F △9823/ARL 7518-1E △9823-Xです。
右側にLL 3493、面表示はSIDE 1です。規格番号、面表示、曲目などの文字が大きくなっています。マトリクスはLL 3493-A ARL 7517-1H/LL 3493-B ARL 7518-1Hです。B面のマトはLLで始まるものとARLで始まる2つのマトが離れていて見方によってはARL~の方が先です。
規格番号と面表示、グループ名などが全て縦長のフォントとなっています。一番最初に触れましたが、プレスミスなのかマスターの違いなのか、モノラル盤で一番の問題作がこのラベルの音源です!このラベルのレコードだけイントロのアナウンスが無く、「Under My Thumb」からいきなり始まります。私は90年代にレコード店の店員に教えてもらい入手しましたが、そのお店にこのレコードを売った方はUSA盤のモノラルはずっとアナウンスが無いものと思っていたそうです。マトリクスはLL 3493-A/LL 3493-Bです。各面、XXXXXXXXと消した跡があり、よく見ると上のラベルのARLで始まる番号を消したようです。
右側にLL 3493、面表示はSide oneです。曲目の文字は小さく今まであった各曲のタイムのクレジットがありません。マトリクスはARL 7517-1L/ARL 7518-1Lです。
面表示はside oneです。このラベルだけ他と違い規格番号の上に面表示のクレジットがあります。曲目の文字は小さいです。マトリクスはARL 7517-1P/ARL 7518-1Rです。
このモノラル盤は68年頃には生産を終えたようですが結構売れたのか中古でよく出回っていますね。音は悪いですが当時の荒々しい演奏が聞けて結構好きなアルバムです。「Lady Jane」ではブライアンがステージ上にダルシマーを持ち込み、ライヴでも曲に装飾し始めたころですね。ここでは収録されていませんが同時期のライヴで「Paint It Black」でステージでシタールも弾いています。疑似ライヴが2曲含まれていますが、そんなのが許せるなんて大らかな時代だったんですね。ステレオ盤はミックのスタジオでのオーバーダビングが目立ってしまうのでやっぱりモノラルで聞くといいですね。そしてなんといってもタイムマシーンがあったらこの頃のストーンズの熱狂的なステージを体験してみたいです!