ローリング・ストーンズの『GOATS HEAD SOUP』UK盤です。今回はオリジナル盤を紹介します。ストーンズ・レーベルからの3枚目のスタジオ録音盤として1973年8月31日に発売され、規格番号はCOC 59101です。このアルバムは72年11月~12月にジャマイカで録音され、プロデューサーはジミー・ミラー、エンジニアはアンディ・ジョンズです。ジャマイカで録音されたのにレゲエが全く感じられないのがストーンズらしいですよね(笑)。英米で1位を記録しています。このレコードもシートの写真や、ラベルの違いなどが存在します。ジャケットはメンバーが布を被ったものを下から風を当てた不思議な写真で、撮影とデザインはデヴィッド・ベイリーという人によるものです。表側はミックでメンバーの中でも特に不思議な雰囲気を醸し出していますね!タイトルはなく、右上にThe Rolling Stonesとだけあります。
裏ジャケです。こちらはキースで相変わらずジャンキーな感じですね(笑)。曲目やアルバムのクレジットなど一切なく写真だけのジャケットです。
裏ジャケ右下にベロマークがあります。
見開きの内側です。ビル、チャーリー、テイラーの3人が同じく布を被っています。他の国では見開きの下にクレジットがありますが、UK盤は写真だけで何も書かれていません。
UK盤は2枚のシートが付けられています。一枚は山羊のスープの写真です。ホントにこんなスープがあるのか知りませんが、グロテスクですよね~。45年前にこの写真を見た時は衝撃的でした!以前紹介したマレーシア盤はこれがジャケット表側になっていましたね。
2枚目のシートです。他国ではこれがインナーとして使われていましたが、UK盤はシートとなっています。片側はビリー・プレストンら参加ミュージシャンの写真が載っています。こちらは初回のアンディ・ジョンズが下を向いている写真が使われた方です。
アンディ・ジョンズの写真が下を向いていてグラム・パーソンズに間違えやすいという事から、こちらを向いている写真に差し替えられた後のシートです。
アンディ・ジョンズの写真の部分です。こちらは下を向いている写真です。確かにグラム・パーソンズと言われれば似てるような気もしますが…。
こちらは差し替え後のこちらを向いている写真です。
シートの反対側です。こちらは曲名や各クレジットが書かれています。
一番下に規格番号COC 59101や配給元のWEAのクレジットがあります。印刷所はRichard Davis Ltd.という会社です。
ラベルです。ストーンズ・レーベルのイエロー・ラベルです。左側に面表記SIDE ONEとマトリクスがあります。右側にCOC 59101とⓅ1973があります。マトリクスは機械打ちでCOC 59101 A2/COC 59101 B1です。両面に手書きでROLLING STONES RECORDSとあります。これが初回マトです。他にはA3/B1なども確認しています。
こちらは左側のSIDE ONEの上にMade in U.K.とあるラベルです。こちらの方が後期型と言われています。その他のクレジットは上のラベルと全く同じです。マトリクスは機械打ちでCOC 59101 A3/COC 59101 B3です。両面に手書きでROLLING STONES RECORDSとあります。これは私の持っているレコードのマトですので末尾がもっと若い番号があるかも知れません。
このアルバムは『EXILE ON MAIN STREET』での南部志向からニュー・ソウル、ファンクへと変貌を遂げていますが、これはビリー・プレストンによる影響が大きいと思います。特に「Doo Doo Doo Doo Doo」や「100 Years Ago」のようにキーボードが主に曲を引っ張っていくタイプの曲に顕著で、特に「Doo Doo Doo…」はジム・プライスのアレンジによるホーンも素晴らしいです。また、テイラーのギターソロが目立つ曲も多いです。バラードの「Angie」と「Winter」のストリングス・アレンジはニッキー・ハリスンによるものです。また誰でも知っている事ですが「Star Star」は原題を「Starfucker」といいアトランティックによりタイトルを変えさせられました。UK盤は通常のミックスですが、USA盤や南アフリカ盤はセンサード・ヴァージョンが収録されています。録音はよく言われるようにこのアルバムは何だかベールを被せたようにもやっとした音質ですよね。特に「Star Star」はひどい音ですよね(笑)。そんな中でもこのUK盤は輪郭がはっきりしていていい音だと思います。ストーンズのアルバムの中では聞く頻度が多く、ホントに名作ですよね!