早いものでブライアン・ジョーンズが亡くなってから今年の7月3日で50年ですね。何回かに分けてブライアン・ジョーンズが世に残した唯一のアルバム『JOUJOUKA』を紹介しようと思います。このアルバムはブライアンが実際に演奏しているわけではなく、68年にモロッコに渡り現地の民族音楽を録音してそれに電気的な処理を施したものです。正式なタイトルは『BRIAN JONES PRESENTS THE PIPES OF PAN AT JOUJOUKA』です。今回はUK盤を紹介します。このレコードはブライアンが亡くなった後、1971年10月にストーンズ・レーベルから発売されました。規格番号はCOC 49100です。UK盤はジャケットの細かい違いが3種類、付属のシートの組み合わせが3通り、ラベル違いが2種類ありますので順を追って紹介したいと思います。ジャケットです。各国同じデザインですが、UK盤は柔らかい紙質で手触りも良く何だか高級な感じがします。
UK盤は最初タイトルを間違えてリリースしてしまったため、タイトル部分が修正されていきます。こちらは最初に発売されたタイトル部分が『Brian Jones Plays With tha~』となっているジャケットです。
間違いに気づいたのか上のタイトルの部分に『Brina Jones Presents the~』のシールを貼って応急処置的に発売された2番目のジャケットです。応急処置的と書きましたが結構このタイプがよく出回っているような気がします。
正式なタイトルの『Brian Jones presents the~』が印刷されている3番目のジャケットです。
裏ジャケです。
裏ジャケ右上に規格番号のCOC 49100とSTEREOのクレジットがあります。
ジャケットは見開きになっており、中央にモロッコのミュージシャンの写真が載っています。
見開きの左側の縦の白いラインの部分に印刷所Howards Printers (Slough) Ltd.のクレジットがあります。
見開きの右側の縦の白いラインの部分にRolling Stones Records distributed by Kinney Record Groupのクレジットがあります。
ジャケットより一回り小さい専用のシートが付けられています。このシートもいくつかの違いがあります。シートの表側です。こちらは文の最後にBrian Jonesのサインが無いシートです。
こちらはタイトルがステッカーで修正された後のジャケットに入っていたシートで文の最後にBrian jonesのサインのようなものが書かれています。
サインの部分です。左側がサインなし、右側がサインありです。
シートの裏側です。
シートの見開きの内側です。
見開きの一番最後のクレジットの下の部分にステレオをモノラルで再生するときの注意点が書かれていますが、このクレジットと表のサイン有り無しの組み合わせは3種類あります。最初のジャケットに入っていたシートはサイン無し+クレジット有りです。2番目のジャケットに入っていたシートはサイン有り+クレジット無しです。3番目のジャケットに入っていたシートはサイン有り+クレジット有りです。なんでこんなに違う組み合わせが生まれたのか謎ですよね!また、このジャケットとシートの組み合わせは私のレコードのものなので違うパターンもあると思います。また、アメリカ、オーストラリアでは2番目のサイン有り+クレジット無しの同じシートが使われています。
ラベルです。タイトルがBrian Jones plays with~と間違っているラベルです。マトリクスは機械打ちでCOC 49100 A2/COC 49100 B1です。他に手書きでROLLING STONES RECORDSと書かれています。このレコードはジャケットのタイトルは訂正前のもので、シートはブライアンのサインが無いものと一緒に入っていたので最初期のプレスだと思います。
B面のラベルです。
タイトルがBrian Jones presents~と訂正後のラベルです。ラベルの色は黄色に変更されています。面表示や規格番号の位置は上と全く同じです。このレコードはジャケットが訂正され、シートにブライアンのサインが有るものに入っていました。マトリクスは機械打ちでCOC 49100 A2/COC 49100 B1です。両面に手書きでROLLING STONES RECORDSと書かれています。マトは上と同じです。
B面のラベルです。
上で紹介したジャケットとラベルの組み合わせはあくまでも私の持っているもので、訂正後のジャケットでラベルは訂正前だったりと違う組み合わせも確認しています。『スティッキー』もそうですが初期のストーンズ・レーベルではジャケ、シート、レコードの組み合わせのパターンが数多くありどの組み合わせが正しいという事はないと思います。ブライアンはモロッコに何度も訪れていたようで、この音楽を録音し自分でも音を加えたようです。特にA面中盤で電子音で作った風のような音が逆回転でどこかに吸い込まれていくような部分は、ジャジューカの演奏と一体になって不思議な雰囲気を醸し出しています。今となってはワールド・ミュージックの分野で片付けられそうですが、当時としては最先端を行ってましたね!アフリカという未知の世界に目を付けたブライアンの先を見通す眼力は素晴らしいと思います。次回はUSA盤を紹介します。