ローリング・ストーンズのレコードのミスプリント第3回目です。今回は日本盤を紹介します。日本では64年(昭和39年)にストーンズのレコードが初めて発売され、その後60年近くもいろいろなレコードが発売されているので結構ミスがあります。まずは64年3月に日本で最初に発売されたシングル「彼氏になりたい」です。
この曲はビートルズのジョン・レノンとポール・マッカートニーが作ったことで知られていますが、ラベルの作者クレジットがLemon, McCarthyとなっています。
クレジットの部分です。どちらか一人の名前を間違えるのは仕方がないとして、二人共間違っているのは珍しいですよね!
64年9月に発売されたシングル「テル・ミー」です。65年頃までキースの名前がケイス・リチャードとなっているのは有名ですがこのシングルではキースとビルの名前が間違っています。
解説の部分です。キースはケイス・リャード、ビルはビル・クイマンとなっています。ケイスは英語的発音で何となく分かるような気がしますが、リャードはないでしょうね!ビルの方はワとクの活字を間違えたと思います。
65年8月に発売された「サティスファクション」です。このシングルは作者クレジットのミックの名前が間違っています。
ラベルの作者の部分がIagger, Richardとなっています。また、タイム表記ですが、初期盤では2:41のショート・ヴァージョンが収録されていましたが、後期盤の一部で通常ヴァージョンが収録されているにもかかわらず、2:41のままのものがあるので要注意です。
作者の部分です。
これは最近も取り上げましたが、67年3月に発売された「夜をぶっとばせ/ルビー・チューズディ」です。このシングルの初期盤は「チューズディ」が「テューズディ」となっています。
こちらはチューズディと修正されたジャケットです。
2つのジャケットを並べてみるとよく分かります。テューズディの方がカタカナ表記にした時に英語的な発音かも知れませんね!
裏ジャケもテューズディとなっています。こちらも後期盤はチューズディと修正されています。
ラベルです。こちらもテューズディとなっています。ジャケットは後に修正されましたがラベルは最後までテューズディのままで修正されませんでした。
67年12月に発売された『あなたが選んだローリング・ストーンズ・ゴールデン・アルバム』でも上のシングル同様「ルビーチューズディ」が「テューズディ」となっています。
裏ジャケの曲目の部分です。この他見開きの内側など全て「テューズディ」となっています。
69年2月に発売されたメ直盤の『BEGGAR'S BANQUET』ですが、同時に日本プレスのプロモ盤が作られています。これは面表記がAB面逆になっています。
ラベルです。左側の面表記がNO.2となっています。
通常だったらB面のラベルです。こちらはNo.1となっています。当時の最新シングル「Street Fighting Man」をA面1曲目に持ってこようとしたのか勘ぐってしまいました。純粋な日本盤が出たのは5年後の73年で当時こうして日本でプレスされているんだったらメ直盤ではなく日本製のレコードを出せたのでは?と思ってしまいます。
76年12月に発売された4曲入りEP『スーパー・コンパクト第2集』です。この頃までコンパクト盤という言葉が使われていたとは意外ですが、このレコードではタイトルの間違いが2ヶ所あります。
裏ジャケの曲目の部分です。「Honky Tonk Women」が「Honkey~」と、「Let It Bleed」が「Let It Breed」となっています。発音の仕方で間違えたようで面白いミスだと思います。Breedだなんてlとrを区別できないのかと言われてしまいそうですね!しかもオリジナルの発売から時間が経っている76年でこのミスは面白いです。
A面のラベルです。ラベルでもタイトルが「Honkey~」となっています。
B面のラベルです。こちらは「Let It Breed」となっています。
82年11月1日に発売されたシングル15枚組ボックスセットの『THE ROLLING STONES SINGLE COLLECTION』です。この中の「Honky Tonk Women」が「Honky Tonk Woman」となっています。
このレコードはボックスに訂正の注意書きが封入されています。
ラベルです。このミスは最後まで修正されませんでした。この間違いはUKシングルでもありましたね!
1982年に発売された日本独自の編集盤『GREATEST HITS』です。帯に書かれている「黒くぬれ」が「黒くねれ」となっています。
帯の部分です。左側が「黒くねれ」と間違えている方で、右側が「黒くぬれ」と修正後の帯です。すぐに修正されたのか「黒くねれ」の方はあまり見かけません。
71年5月に発売された『STICKY FINGERS』です。このアルバムには面表記がSIDE ONE、SIDE TWOが逆なのがあります。
普通だったらA面のラベルです。右側にSIDE TWOとあります。
B面のラベルです。こちらはSIDE ONEとなっています。これはすぐに修正されたのか間違えているラベルは過去に3回ほどしか見ていません。
ワーナー・パイオニア盤の『スティッキー・フィンガーズ』は他にもプロモ、レギュラー共に全部のB面のラベルで「Sister Morphine」と「Moonlight Mile」のミックの作者クレジットがMich Jaggerとミスっています。他の曲はMickとなっているのでなんでこの2曲だけMichと間違えたのか面白いですよね!
プロモ盤青ラベルでも同様にMich Jaggerとなっています。
日本盤は英語をカタカナ表記にしなくてはならないためどうしても発音の微妙な違いがあると思いますが、結構表記の違いがあるもんですね!ルビー・テューズディや初期の頃のケイス・リチャードなんかこっちの方が英語的発音でいいのではなんて思ってしまいます。次回はドイツ、フランスなどのヨーロッパ各国盤のミスプリントを紹介します。