ローリング・ストーンズのミスプリントの5回目です。今回はヨーロッパ各国の続きでイタリア、スペインなどを紹介します。
最初はイタリアです。イタリアでのセカンド・シングルとして64年6月に発売された「I Wanna Be Your Man」です。このシングルは作者のLennon-McCartneyのところジョン・レノンのクレジットをNennonとミスっています。
ラベルです。曲目の下に作者クレジットがあります。
作者クレジットの部分です。このNennonというのは最後まで修正されませんでした。当時の日本盤もLemonと間違えていましたが、似たような間違いをしていて面白いですよね。
82年に発売されたイタリアでの編集盤『SUPERSTARS VOL.2』です。このレコードのジャケットは最初ストーンズではない他のバンドの写真が間違って使われていました。ストーンズのレコードなのにこの人たち一体誰?といった感じですよね(笑)。
こちらは修正後のジャケットです。ストーンズの81年ツアーの写真に差し替えられています。
イタリア盤『SOME GIRLS』です。イタリア盤はジャケットの色の順番が他の国と違ったりしていますが、これはミスとは思えないので今回はこれではありません。
歌詞カードの「Miss You」が「I Miss You」となっています。このように「I Miss You」となっている国は結構ありますね。
ここからスペイン盤です。64年3月に発売された4曲入りEP『Not Fade Away』です。ここに「Stoned」が収録されていますが、ここでも「Stones」と間違えています。フランスのEP同様ジャケット、ラベルの両方で間違えています。
ジャケットの「Stones」の部分です。
裏ジャケです。こちらも「Stones」となっています。
ラベルです。この「Stones」のミスは最後まで修正されませんでした。
他のスペイン盤のEPでこのEPの広告がありますが、ここでも「Stones」となっています。結局CD化されるまでこの曲はスペインで「Stones」だったんだ、と考えると面白いですよね!
65年7月に発売されたスペイン盤4曲入りEP『You Can't Catch Me』です。このレコードに「Susie Q」が収録されていますが、ジャケットだけタイトルがSusieのみでQがありません。
裏ジャケです。こちらも「Susie」のみとなっています。ジャケットの表裏両方でQが欠落しています。
ラベルです。こちらは「Susie Q」と通常のタイトルとなっています。
スペイン盤のファーストです。他国では64年に発売されましたが、スペインでは65年に発売されたようです。この初回盤だけ「Can I Get A Witness」が「Can't I Get A Witness」と間違えています。
ラベルです。
「Can't I Get A Witness」と間違っている方です。
こちらは「Can I Get A Witness」と修正された方です。こちらはすぐに修正されたようで、この部分以外の文字などの配置は全く同じです。
66年に発売されたスペイン盤『AFTERMATH』です。ここでは「Going Home」のタイム表記が間違っています。
ラベルです。
「Goin, Home」の部分です。タイム表記が11' 35のところ1' 35となっています。また、スペイン盤ではタイトルもラベルのみ「Goin, Home」と表記されています。
71年に発売された『STICKY FINGERS』です。スペイン盤で独自のジャケットで発売されたのでお馴染みですね。このアルバムではラベルの「You Gatta Move」の作者がM. Jagger-K. Richardとなっています。
スペイン盤のラベルは2種類あります。こちらはUK盤のようなデザインのラベルです。曲目のクレジットはスペイン語、作者、英語の順でクレジットされています。
「You Gatta Move」の部分です。作者がM. Jagger-K. Richardとなっています。正確にはFred McDwellです。
こちらはUSA盤のようなラベルです。上のラベル同様こちらも間違っています。
「You Gatta Move」の部分です。ラベルが変更になってもミスはそのままです。
スペイン盤のプロモ・シングルには専用のピクチャースリーヴが付けられていますが、ピクチャー・スリーヴの裏側の「Doo Doo Doo Doo Doo」のタイトルが「Do Do Do Do Do」とミスっています。
曲目の部分です。
こちらはプロモ盤の表側です。こちらはちゃんと「Doo Doo Doo Doo Doo」となっています。
74年に発売されたスペイン・シングル盤「It's Only Rock'n Roll」です。B面の「Through The Lonely Nights」のNIGHTSがピクチャースリーヴではNIGHTとなっています。ピクチャースリーヴ裏側やラベルではNIGHTSとなっています。なお、ドイツ盤やフランス盤もこのシングルと同じデザインですがそちらはちゃんとNIGHTSとなっています。
ラベルはちゃんとNIGHTSとなっています。
また、A面の「It's Only Rock'n Roll」は何故か「It's Only A Rock'n Roll」となっています。これは裏ジャケの曲名の部分です。
ラベルでも「It's Only A Rock'n Roll」となっています。
プロモ盤でも同じミスをしています。ピクチャー・スリーヴの曲名の部分です。
プロモ盤のラベルです。ここでも「It's Only A Rock'n Roll」となっています。
75年に発売されたスペイン・シングル盤「Ain't Too Proud To Beg」です。この初回盤はタイトルのProudをProundとミスっています。
このミスは後にProudと修正されたジャケットがあり、ミスったジャケットと修正後のジャケットと並べてみました。上がProundで、下がProudです。修正されたのが遅かったのか分かりませんが何故か修正後のジャケットはあまり見かけません。
裏ジャケも表同様間Proundと間違っています。
曲目の部分です。表側は後にProudと修正されましたが、何故か裏側は最後までProundのままで修正されませんでした。
ここからアイルランド盤です。「Miss You」のシングルのラベルのタイトル部分が「I Miss You」となっています。
アイルランド盤のシングル「Waiting On A Friend」です。タイトルが「Waiting For A Friend」でFor がOn となっています。
アイルランド盤のシングル「Undercover Of The Night」です。ミックのクレジットがスペルミスでJaggarとなっています。正確にはJaggerです。ベロのマークも逆さまでとんでもないところにあります。
こちらはベロのマークが定位置にあるラベルです。ミックのクレジットはこちらもJaggarとなっています。
B面の「All The Way Down」の作者クレジットもJaggarとなっています。このレコードでJaggerと修正されたレコードはありません。
次はオランダ盤です。70年にジャケットのデザインを変えて再発された『ファースト』です。通常このレコードのタイトルは『THE ROLLING STONES』ですが、ラベルのタイトルが『THE ROLLING STONES 3』となっています。
ラベルです。タイトルが『3』となっています。オランダではUK盤の『No.2』に当たるレコードが『THE ROLLING STONES 3』のタイトルで発売されており、おそらくそのレコードと混同したと思います。
こちらは修正後の『3』が消えているラベルです。この部分が変わっただけでその他の文字の配置等は上のラベルと全く同じです。
64年9月に発売されたオランダでの2枚目のアルバムです。シングルやEPの曲を集めたオランダ独自の編集盤です。これは表側の曲目の順番が実際に順番とは異なりメチャクチャとなっています。
曲目の部分です。次にあげるラベルの曲順と見比べるとよくわかると思います。裏ジャケにも曲目がありますが、そちらは収録順となっています。
A面のラベルです。ジャケットでは下の部分に書かれていて順番はその通りです。
B面のラベルです。ジャケットでは上の部分に書かれていて順番は全部入れ替わっています。ラベルに書かれている順番が正しい曲順です。
65年3月に発売されたオランダ盤EP『Heart Of Stone』です。このEPの裏ジャケにはレコードの広告が載っていますが、初期盤には間違ったレコードのジャケットが載っています。
左側が間違っているジャケットで右下のレコードが『Not Fade Away』のジャケットが載っています。ストーンズのレコードですがジャケットに載っている曲目と下にある曲目が一致していません。右側が修正後のジャケットで『If You Need Me』のEPのジャケットと曲目が合っています。
65年11月に発売されたオランダ盤シングル「Get Off Of My Cloud」です。このシングルはラベルのタイトルが「Get Off My Cloud」とOf が抜けています。
ラベルです。初期型の青いラベルです。タイトルが「Get Off My Cloud」となっています。
こちらは後期型の黒いラベルです。こちらも「Get Off My Cloud」となっておりこのミスは最後まで修正はされませんでした。
ハンガリー盤の「Honky Tonk Women」です。WomenがWomanとなっています。UK盤のラベルと似ていますが左側にMade in Hungaryとあります。専用のピクチャースリーヴは元々ありません。
タイトルの部分です。ここがWomanとなっている国は結構多いですよね!
ここまでヨーロッパ各国のミスプリントを集めてみましたが「Stond」が「Stones」となっている国が多い気がします。スペイン盤の「Ain' t Too Proud To Beg」がProundになってるのは後で修正されていますが、最後まで修正されないままのものが意外と多いですよね。また、裏側のレコードの広告に違うレコードのジャケットが載っているのを見て、印刷の校正をするのは大変だなとつくづく思います。次回はアジア諸国のミスプリントをいろいろと紹介します。