ローリング・ストーンズのカナダ盤『ENGLAND'S NEWEST HIT MAKERS』です。カナダでのストーンズのレコードはUSA盤に準じて発売されていますが、ジャケットの質感や細かいクレジット、ラベルなどが違います。モノラルは1964年5月1日に発売され、規格番号はLL 3475、ステレオ(疑似ステ)はかなり遅れて1966年に発売され、規格番号はPS 375です。ジャケットです。こちらはモノラル盤のジャケットです。USA盤と同じデザインですが微妙に違い、付録の写真のクレジットがブライアンの腕にかかっており、USA盤と比べるとかなり上にあります。表面はUSA盤同様ツルツルしています。
こちらはステレオ盤のジャケットです。モノラルはつるつるの表面でしたがステレオ盤の表側はエンボス加工になっています。メンバーのバックの色も真っ黒ではなく薄い黒になっています。USA盤はステレオには付録の写真が付けられませんでしたが、カナダ盤は80年代プレスまで写真が付けられていたので左下に写真付きのクレジットがあります。ステレオのジャケットなのに写真のクレジットがあるとなんだか違和感ですね!
右上の部分です。LONDONのロゴがあります。上はモノラル、下はステレオです。ステレオの方はこの部分にPS 375とSTEREOがあります。ステレオは薄い黒と書きましたが、モノラルと比べると色の濃さが分かると思います。ステレオの方は表面がエンボス加工となっています。
右下の部分です。モノラルはこの部分に規格番号とMONOがあります。
左下の部分です。モノラル、ステレオ共に写真のクレジットがブライアンの腕にかかっています。
裏ジャケです。こちらはモノラル盤の方です。
ステレオ盤の裏ジャケです。
左上の部分です。上からモノラル、ステレオ、80年代のポリグラム盤です。モノラルは空白でポリグラム盤は規格番号のみとなっています。
右上の部分です。上からモノラル、ステレオ、80年代のポリグラム盤です。ステレオ盤はこの部分にも規格番号があります。
右下の部分です。モノラルはこの部分に規格番号があります。
左下の部分です。モノラル盤だけこの部分に注意書きが書かれています。
ファンクラブの案内の部分です。右の初期盤は空欄になっていますが左の後期ポリグラム盤はこの部分にpolyGramのロゴと著作権表示があります。
付録の写真です。ロンドン時代のモノラル、ステレオ共通です。ジャケットよりも一回り小さな大きさで表面はエンボス加工になっています。
こちらはポリグラム盤の写真です。大きさとデザインはロンドン盤と同じですが、表面がエンボス加工ではなくツルツルしたものとなっています。画質は上よりもこちらの方が鮮明です。
ロンドン盤とポリグラム盤を並べると右のロンドン盤のポスターがエンボス加工になっているのがよく分かります。
こちらはカナダのロンドンで当時使われていたプロモ・ステッカーです。USA盤のプロモは丸いステッカーでしたが、カナダ盤は角が丸い長方形となっています。
ラベルです。こちらはモノラル盤のマルーン・ラベルです。上部にLONDON FFrrのロゴがあります。左側に面表記のSide 1が、右側に規格番号のLL.3375があります。曲目は左揃いでタイトル、作者の順に書かれています。下部はグループ名とマトの逆さ文字だけでプロデューサー・クレジット等はありません。リムの最後にMADE IN CANADAがあります。マトリクスは機械打ちでXARL-6291-1A/XARL-6292-1Aです。
B面のラベルです。
ここからはステレオ(疑似ステ)のラベルです。64年から72年まで使われていた青いラベルです。上部にロンドンのロゴがありますが、ステレオにも関わらずFFssではなくFFrrのままです。その下にSTEREOPHONICがあります。左側に面表記のSIDE 1が、右側に規格番号のPS. 375があります。曲目は左揃いでタイトル、作者の順にクレジットされています。曲目の上にTHE ROLLING STONESとありますが、この場所にあるということはタイトルを示しているのか、単なるグループ名のクレジットなのか不明ですよね。マトリクスは手書きで375-A/375-Bです。
B面のラベルです。
72年に一時期だけ使われていた赤いラベルです。以前のブログでも触れたように、このラベルは『HOT ROCKS』と『MORE HOT ROCKS』にしか使われていないという説がありましたが、数年前にこのファーストも発見して狂喜しました。こうなれば他のタイトルも出ているんじゃないかと思いますが今のところ3タイトルだけ発見しただけです。上部にMADE IN CANADAがあり、その下にLONDONのロゴがあります。左側にSIDE 1とSTEREOが、右側にPS. 375があります。曲目は中央揃いでタイトル、作者、タイム表記の順にクレジットされています。マトリクスは機械打ちでPS-375A-3S/PS-375B-3Sです。この赤いラベルは他のラベルと文字の配置などが全く違うので何かのシリーズ物で発売された可能性もありますが、何か分かりましたら追記します。
B面のラベルです。
72年以降の黒いラベルです。青ラベル同様こちらもロンドンのロゴの後がFFrrのままとなっています。FFssとなっているラベルはカナダ盤ではありません。その下にSTEREOPHONICがあります。曲目は中央揃いになっており、タイトル、作者、タイム表記の順にクレジットされています。これは上の赤いラベルと同じです。マトリクスは手書きで375-A-2/375-B-2です。最初の青ラベルのマトに枝番が追加されたものです。筆跡も同じです。
B面のラベルです。
78年からのサンセット・ラベルです。キャッチコピー的なものからタイトルに昇格したのか?ここで初めてラベルに"ENGLAND'S NEWEST HITMAKERS"というクレジットがあります。左側にSIDE 1とSTEREOが、右側にPS. 375とまとがあります。曲目は中央揃いになっており、タイトル、作者、タイム表記の順にクレジットされています。78年から83年まではジャケットはロンドンで、83年に配給元がポリグラムに変わって以降もこのサンセット・ラベルが使われています。マトリクスは手書きでPS 375 A/PS 375 Bです。
B面のラベルです。
カナダ盤の音はモノラル、ステレオ共にUSA盤と同じ音圧、音質で結構いい音が聴けます。ラベルはモノラルはマルーンのみで、ステレオは青→赤→黒→サンセットと変化していきます。赤は先にも書きましたが今のところ3タイトルだけ発見しました。また、ジャケットはステレオ盤はエンボス加工になっているのが特徴です。そのせいか写真もまろやかな感じになっています。また、付録のポスターですがUSA盤はモノラルだけで、しかも極初期にしか付けられていなかったのに対して、カナダではモノラル、ステレオ両方に付けられ、80年代の最終プレスまで付けられていたとは驚きです。USA盤と同じタイトルですがいろいろと違いがあり面白いものですね。