ローリング・ストーンズのフランス盤EP『I Wanna Be Your Man』です。1964年2月21日に発売され、規格番号は457.026Mです。フランスではシングル盤はジュークボックス用に作られましたが、一般販売は66年の「Paint It Black」が最初でそれまでは4曲入りのEP盤が主流でした。このフランス盤のEPは同じタイトルでもジャケットや裏ジャケ違い、ラベル違いなど多数存在しているので発売順に紹介していこうと思っています。この『I Wanna Be Your Man』は「I Wanna Be Your Man」「Money」「Bye Bye Johnny」「You Better Move On」の4曲で、UK盤の最初のEPから「Poison Ivy」が「I Wanna Be Your Man」に入れ替わった編成となっています。ジャケットはメンバーの写真がちりばめてあるデザインで表側がコーティングされています。初回盤は水色のジャケットです。
裏ジャケです。
ラベルです。初回盤はデッカのロゴの枠が6角形になっています。右側に規格番号と面表記とBIEMがあります。このBIEMというのは録音権協会国際事務局の事で日本でいうとJASRACのような団体です。ポール・マッカートニーのクレジットがMc. Cartneyとなっています。面表記はFace 1です。一番下に45とありますがこれは回転数です。日本では4曲入りEPは33回転でしたが、フランスでは他のアーティストのレコードも45回転となっています。マトリクスは機械打ちで2064M 1236 P5/2064M 1237 P5です。
B面のラベルです。
セカンド・ジャケです。ジャケットの色が青になっています。このジャケットに変わったのは67年4月という説があります。
左が初期型の水色のジャケ、右が後期型の青いジャケです。こうして並べると色の違いがよく分かります。また、DECCAのロゴも枠の中が全体に黒から周りに枠が付いたものへと変更となっています。ROLLING STONESの文字もジャケットの色に合わせて水色→青に変わっています。
裏ジャケです。DECCAのロゴの四角い枠が2重になっています。
右下の部分です。上が初期型、下が後期型です。デッカのロゴが初期型は枠がありませんが、後期型はロゴの周りに枠があります。デッカのロゴの下にMade in Franceがあります。右下に印刷所のACEMと発売された日付があります。フランス盤は右下の部分に発売の年月が書かれているのでいつ再発されたのかよく分かります。初回盤は2-64です。他には3-64、5-64、7-64、9-64、12-64、4-67、10-67、1-69、10-.9、12-9を確認しています。(全部持っているわけではありません)
ラベルです。左側のDECCAのロゴが長方形になっています。このラベルは資料によると66年以降に使われていたようです。DECCAのロゴの上に大きく回転数の45T.があります。右側にマト、規格番号、面表記、BIEMがあります。マトリクスは機械打ちで2064M 1236 P4/2064M 1237 X7です。
B面のラベルです。
1970年に発売された再発盤です。規格番号は同じですが、ジャケットが全く別のデザインとなっています。
裏ジャケです。オリジナル盤とは文字の配置が全く違います。
ラベルです。DECCAのロゴが上部に移動しています。左側にマト、規格番号、面表記があります。右側にSACEMのロゴがあります。SACEMはフランスの著作権管理団体のことです。この時代になってもポール・マッカートニーのクレジットがはMc. Cartneyのままです。マトリクスは機械打ちで2064M 1236 P4/2064M 1237 Y8です。
B面のラベルです。
初回盤のジャケットと初回盤のラベルを並べて紹介してきましたが、必ずしも初回盤のジャケに初回盤のラベルが入っているわけではなく、発売時期によっては初回盤のジャケにセカンド・ラベルが入っていたり、その逆の場合もあります。これはおそらくジャケの変更時期とラベルの変更時期が違っていたためにおきた現象だと思います。最初にも書きましたが当時のフランスでは4曲入りEPが主流で、これから順を追って紹介しようと思います。また、2曲入りのシングルありますが、これはジュークボックス用に作られていたもので、このジュークボックス用も珍しいので別の機会に紹介しようと思います。