ローリング・ストーンズのイスラエル盤『HOT ROCKS 1964-1971』です。イスラエルでは1972年初頭に発売され、規格番号はISK 1090です。イスラエルでのデッカの配給元はPAXという会社です。通常このアルバムは2枚組ですがイスラエルでは2枚目のみの1枚での発売となっています。しかも2枚目のAB面逆になっており、通常のB面(D面)がA面となっています。ジャケットはシングル・ジャケで、イスラエル独自のタイトルが入っており、表側がコーティングされています。ジャケットにあるグループ名をTHE ROLLING STONSとミスっています。
タイトルの部分です。グループ名がTHE ROLLING STONSとEが抜けています。また、タイトルの下にincluding : BROWN SUGARと書かれています。
右上に規格番号のISK 1090があります。STEREO & MONOとありますが全曲ステレオで収録されています。
左下にPAXのロゴがあります。
裏ジャケです。
表側同様こちらにもincluding : BROWN SUGARと書かれています。また、表側同様グループ名もTHE ROLLING STONSとミスっています。
曲目の部分です。「Midnight Rambler」のライヴでオープニングです。これだったら通常のC面に当たる「Jumpin' Jack Flash」で始まった方がしっくりくるような気がします。 「Jumpin' Jack Flash」のクレジットはJUMPINGとなっています。
曲目の右側にプロデューサー・クレジットやジャケットのデザインをした人のクレジットがあります。プロデューサー・クレジットは元の2枚組のものを流用しているため、アンドリュー・ルーグ・オールダムの名前が載っていますが、ここでは68年以降の音源のためアンドリューがプロデュースしている曲はありません。
左下に規格番号やPAXのロゴがあります。その下にSYMPHONIA (WHOLESALE) LTD.とありますが、これはイスラエルのテルアビブにあるイスラエルでのデッカ、PAXのレコードとリリースしていた会社です。一説にはアラブ地方ではDECCAのロゴが禁止されていたためPAXというロゴを使っていたという説もあります。
ラベルです。上部にPAXのロゴがあります。その上にMADE IN ISRAELがあります。左側にイスラエルの著作権協会のACUMのロゴがあります。右側にSTEREO-MONOと規格番号、面表記があります。曲目は中央揃いとなっています。その下にコンポーザー・クレジットとグループ名があります。ラベルではTHE ROLLING STONESとスペルが正確です。マトリクスは手書きでXZAL 11018 B/XZAL 11018 A Sです。このXZAL 11018という数字はUSA盤『HOT ROCKS』のD面で使われていたものです。ここでは何故か両面11018と同じ数字で末尾のABも逆になっています。
B面のラベルです。
まずジャケットのTHE ROLLING STONSとミスっているのが珍しいですね。そして1枚組で発売されているもの珍しいです。イスラエルでは1枚目の方はどうしたのか?と思い調べたところ、1枚目(単品)は発売されていませんでした。こうして考えてみると『HOT ROCKS 1964-1971』というタイトルを2枚目しかないので『HOT ROCKS 1968-1971』にするべきだったのではと思います。イスラエルでは1枚目の方はどうしたのか?と思い調べたところ、1枚目(単品)は発売されていませんでした。音はやけに高音がすっきりしていて伸びやかでいい音が聴けます。ただ、アブコに人質に取られた「Brown Sugar」と「Wild Horses」の2曲は音が割れてしまっておりあまりいい音ではありません。「Midnight Rambler」のライヴ・ヴァージョンから始まるのがなんだか新鮮な感じです。「You Can't Always Get~」はスタジオ・ヴァージョンです。B面は「Jumpin' Jack Flash」から始まる60年代後半の黄金の曲が並んでいてあっという間に聴くことが出来ます。通常は2枚組ですが初期の曲を集めた1枚目が無いぶん、これはこれで60年代後半の曲をまとめて楽しめるレコードとなっています。