ローリング・ストーンズの日本盤『レット・イット・ブリード』です。1970年(昭和45年)2月20日に発売され、規格番号はSLC 300です。このアルバムは「ギミー・シェルター」で賑やかに始まり「無情の世界」で感動的に終わるというストーンズの代表的なアルバムです。日本盤は見開きの分厚いジャケットとなっています。その見開きの端にメンバーの写真入りの長い歌詞カードが糊付けされているのも特徴です。後期型はシングル・ジャケになってしまうので順を追って紹介したいと思います。帯は白枠がある赤い帯で当時の値段は2000円でした。
帯の値段の部分です。73年頃のLPの値上がりにより2300円になっています。また、この2300円は見開きではなくシングル・ジャケとなっています。このシングル・ジャケは写真付きの歌詞カードは入っていないので「新メンバーの長い長いカラー・ピンナップが入っています」のコピーはありません。また、2000円の帯に2300円の価格改定シールが貼られた過渡期の時帯はシングル・ジャケにもかかわらず「長いカラー・ピンナップが入っています」のコピーが残されたままの帯もありますが、この時買った人は「ピンナップなんて入っていないじゃないか」と思ったでしょうね。
「新メンバーの長い長いカラーピンナップ~」のキャッチコピーの部分です。後期型の2300円帯はこの部分が空白となっています。
右上にロンドンのロゴと規格番号があります。
裏ジャケです。こちらも各国盤と同じデザインです。
右下に値段が印刷されていますが、後期型はこの部分は空白になっています。
見開きの内側です。UK盤などの裏ジャケに書かれていた"THIS RECORD SHOUD BE PLAYED LOUD"という文はハイドパークでのミックの写真に上に書かれています。曲目の部分に海外盤のインナーにあったメンバーの担当楽器が書かれています。ライナーは朝妻一郎さんでこのアルバムは素晴らしすぎて何て書いていいのか言葉が見当たらないといった印象を受けます。後半は参加ミュージシャンについて触れています。この見開きの一番左端に写真入りの長い歌詞カードが糊付けしてあります。
曲目の部分です。この右側に各曲のメンバーの担当楽器が書かれています。こういう細かい担当楽器が書かれているのはストーンズではこのアルバムが最初だと思います。
歌詞カードを広げるとこんな感じです。こうやって広げてみると色合いがきれいですね!
帯の裏側の下にピンナップの部分を切り取って繋ぎ合わせると一枚のカラー写真が出来ますと書かれていますが実際にやられた方はいるんでしょうか?もったいなくてそんなこと出来ませんよね(笑)。
最初はチャーリーで「ギミー・シェルター」と「むなしき愛」の歌詞が載っています。
次はミック・テイラーで「カントリー・ホンク」と「リヴ・ウイズ・ミー」の歌詞が載っています。
次はミックで「レット・イット・ブリード」と何故かこの場所に「無情の世界」の歌詞が載っています。
次はキースで「ユー・ガット・ザ・シルヴァ―」と「モンキー・マン」の歌詞が載っています。
最後はビルで「ミッドナイト・ランブラー」の歌詞が載っています。この歌詞カードは「無情の世界」と「ミッドナイト・ランブラー」の順番が入れ替わっています。
なお、後期型のシングル・ジャケでは2つ折りの解説と歌詞カードだけ封入されたつまらないものとなっています。写真は開いたものですが右側が1ページ目で、左側が最後のページです。ライナーは朝妻一郎さんで初回盤の文と同じです。歌詞はオリジナル盤同様「無情の世界」と「ミッドナイト・ランブラー」が入れ替わっています。
反対側です。見開きの右ページと、歌詞が載っています。
キングレコードのプロモ専用のジャケットです。裏側はKING RECORD CO,. LTD.とあるだけで何も印刷されていません。
ラベルです。プロモ盤の白ラベルです。上部にロンドンのロゴとSTEREOがあります。右側に見本品、回転数、面表記があります。右側に非売品と規格番号があります。曲目は中央揃いになっています。「むなしき愛」はロバート・ジョンソンの曲ですがクレジットはW. Payneとなっています。マトリクスは機械打ちでSDLBT 1024-1/SDLBT 1025-1です。両面にJISマークがあります。
B面は面のラベルです。こちらは全曲オリジナルなので作者クレジットは最後の曲の後に書かれています。
レギュラー盤のラベルです。上部にffssとロンドンのロゴ、ステレオ表記のラインがあります。左側に回転数と面表記が、右側に規格番号があります。プロモ盤同様曲目は中央揃いになっています。マトリクスは機械打ちでSDLBT 1024-7/SDLBT 1025-5です。両面にJISマークがあります。他には13/15を確認しましたが、この頃になるとJISマークは線で消されています。マトの枝番は他にももっとあると思います。また、後期の方へ行くと文字の配置は同じですが、ラベルの溝がなくフラットになっています。
B面のラベルです。
当時、私がこのアルバムを買った時はもうシングル・ジャケになっていました。レコード店でケーキのジャケットを見て面白いジャケットだなと思ったのを覚えています。ストーンズのアルバムとしては4番目位に買ったので結構思い入れのあるレコードです。最初の頃は「ギミー・シェルター」「リヴ・ウイズ・ミー」「モンキー・マン」を特に気に入って聴いており、まだ「ミッドナイト・ランブラー」やタイトル曲などの良さは分かりませんでした。曲毎のメンバーの担当楽器が載っているのでそれを見ながらレコードを聞いていて、まだメンバー・チェンジの時期のアルバムというのを知らず最初はブライアンがあまり参加していないのに驚きましたね。「ユー・ガット・ザ・シルヴァー」でキースが初めてヴォーカルをとっているのも最初は驚きました。このアルバムに収録されている曲は現在でもストーンズのライヴでも取り上げられている有名な曲ばかりでストーンズのベスト3に入る好きなアルバムです。