ローリング・ストーンズのフランス盤『IT'S ONLY ROCK'N ROLL』です。1974年に発売され、規格番号はCOC 59 103 Yです。ローリング・ストーンズ・レコーズのフランスでのWEAの販売元はFilipacchi Musicという会社です。ジャケットは各国盤と同じデザインですが、表側にタイトルやグループ名などが全くないせいか、フランスではグループ名と規格番号が書かれたステッカーが貼られ売られていました。また、フランス盤のジャケットはUSA盤や日本盤のような厚紙ではなく薄い紙質のジャケットです。
ステッカーの部分です。グループ名と規格番号が書かれています。
裏ジャケです。こちらも各国盤と同じデザインです。
右上に規格番号があります。
左下にベロマークと規格番号、WEAのロゴとフランスでの販売元のFilipacchi Musicのクレジットがあります。
下部にローリング・ストーンズ・レコーズのクレジットがあります。
上の写真の右側にパブリッシャーとPrinted in France by Gloryと印刷所のクレジットがあります。最後のAsnieres(アニエール)というのはパリ郊外の北西地域の名称です。
インナーです。各国盤と同じデザインです。このアルバムが発売された頃はアンディ・ジョンズやキース・ハーウッドって誰なんだろうと思ってました。
インナーの反対側です。曲目や担当楽器等の各クレジットは各国盤と同じです。
左下にジャケットにもあったMade and printed by Groryのクレジットがあります。
ラベルです。このラベルは1957年に設立されたフランスのMPOプレス工場でプレスされたレコードです。上部に裏ジャケにもあった書体でタイトルが書かれています。その下にグループ名があります。左側にプロデューサー・クレジット、規格番号、マト、STEREO、面表記があります。面表記はFACE A/FACE Bです。右側にベロマーク、パブリッシャーフランスの著作権協会のSACEMのロゴ、回転数があります。回転数は33 tours表記となっています。曲目は中央揃いで、下部に作者クレジットがあります。「Ain't Too Proud To Beg」だけは単独で作者クレジットがあります。マトリクスは機械打ちでCOC 59103 A/COC 59103 Bです。両面に手書きでROLLING STONES RECORDSがあります。
B面のラベルです。
上とは違うラベルです。このラベルのレコードはフランスにあるPathe Marconiでプレスされています。パテ・マルコーニはEMIの工場なので、WEAから委託されたのかも知れません。上のラベルで右側にあった回転数、パブリッシャー、SACEMのロゴが左側に移動しています。左側にあった規格番号、マト、STEREOは右側にあります。作者クレジットは各曲の後にクレジットされ、一番下にはプロデューサー・クレジットがあります。マトリクスは機械打ちでYPARTX 78685 1 59103 A M6 30 26 26 2 /YPARTX 78686 1 59103 B MC 30 26 27 2です。両面に手書きでROLLING STONES RECORDSがあります。
B面のラベルです。
こちらも上の2枚とは違うラべルです。このラベルのレコードは1972年に設立されたC.I.D.I.S.(Compagnie Industrielle de Distribution de l'Image et du Son)という工場でプレスされたレコードです。上部にあったグループ名は下部に移動しています。左側に回転数、STEREO、SACEMのロゴがあります。右側に規格番号とマトがあります。曲目は左揃いになっています。作者クレジットとプロデューサー・クレジットは曲目の下にあります。一番下にパブリッシャーがあります。マトリクスは機械打ちでROL 59103 A CIDIS DA/ROL 59103 B CIDIS DAです。両面に手書きでROLLING STONES RECORDSがあります。また、マトにプレス工場のCIDISの刻印があります。
B面のラベルです。
全部のラベルに共通しているのは上部に裏ジャケの壁に書かれた文字と同じ書体でタイトルが書かれている事です。これはさりげなくカッコいいですよね!また、同じフランス盤でもこんなにプレス工場の違いがあるというのも興味深いですね。最初のMPOプレスは音圧が低くこもった音です。パテ・マルコーニ・プレスは音圧が高くはっきりとした音が聴けます。CIDISプレスはパテ・マルコーニと同じ音圧ですが、パテ・マルコーニと比べるとややこもりがちです。このタイトルのフランス盤で一番音がいいのはパテ・マルコーニ・プレスでUSA盤に近い音だと思います。(あくまで個人の感想です。)このアルバムは発売された当初ストーンズのどのアルバムよりもミック・テイラーのギター・ソロが目立っていると感じました。中3の3学期に友人から「ミック・テイラーが脱退したぞ。」と聞き、せっかくキースと対照的なギターのアンサンブルが確立していいアルバムが続いていたのに残念だな、と思ったのを覚えています。