ローリング・ストーンズのドイツ盤『METAMORFOSIS』です。1975年7月に発売され、規格番号は6.22277です。ドイツ盤はUK盤同様16曲仕様ですが曲順が一部入れ替わっておりドイツ独自の曲順になっています。このドイツ盤は大まかに2種類のジャケットがあるので順を追って紹介しようと思います。ジャケットは各国盤と同じデザインですが、右上に"16 Rare Rolling Stones tracks"あるいは"Never Released Before"と書かれた円形の印刷があるのが特徴です。一見ステッカーが貼ってあるように見えますがジャケットに直接印刷されています。初回盤はこの部分が"16 Rare Rolling Stones tracks"となっています。
こちらは"Never Released Before"とクレジットされたセカンド・ジャケです。タイトルの下に太い文字でTHE ROLLING STONESが追加されています。オリジナル盤と比べてメンバーのイラストの色が薄いです。80年以降にこのジャケットに切り替わったようです。
タイトルの部分です。上がタイトルだけのオリジナル盤、下がタイトルの下にグループ名が加わったセカンド・ジャケです。
右上の部分です。左がオリジナルの"16 Rare Rolling Stones tracks"、右がセカンド・ジャケの"Never Released Before"です。このアルバムは未発表を集めたアルバムなので"Never Released Before"の方がインパクトがあると書き換えたのではと思います。両方共そのクレジットの上にデッカのロゴがあります。
裏ジャケです。こちらは各国と同じデザインです。
A面の曲目です。本来ならB面の2曲目にある「If You Let Me」がA面の2曲目にあります。3曲目の「Somethings Just Stick In Your Mind」がB面に移動したため 「Each And Everyday Of The Year」が繰り上がって3曲目にあります。
B面の曲目です。A面2曲目の「Don't Lie To Me」がB面の2曲目にあります。「Somethings Just Stick In Your Mind」がB面の3曲にあります。この曲がここへ入ったためそれ以降の曲がひとつづつ下にずれています。オリジナル盤では60年代後半の曲でまとめたB面に初期の曲が2曲入ったため雰囲気がだいぶ違います。
ドイツ盤も各国同様ジャック・ニッチェのスペルを間違えています。Nitzcheとなっていますが正しくはNitzscheです。
右上の部分です。規格番号が書かれていますがオリジナル盤はカセットの番号があります。
左下の部分です。上がオリジナル盤でこの部分にデッカのロゴがあります。下はセカンド・ジャケでこの部分は空白になっています。
下部中央です。上がオリジナル盤、下がセカンド・ジャケです。セカンド・ジャケはこの部分にMade in Germanyとドイツでの販売元のTELDECの住所などが書かれています。
右下にプロデューサー・クレジットやジャケットのデザインを担当したアル・ステックラーとリチャード・ロス、絵を描いたリンダ・ガイモン、デザイン・コンセプトのグレン・ロスのクレジットがあります。
右下の部分です。オリジナル盤はこの部分にMade in GermanyとTELDECの住所とパブリッシャーが書かれています。オリジナル盤では左下にあったデッカのロゴがセカンド・ジャケはこの部分にあります。また、デッカのロゴの横にLC 0171とレーベルコードが追加されています。
ラベルです。上部にデッカのロゴがあります。左側にドイツの著作権協会のGEMAのロゴ、マト、パブリッシャーがあります。右側に規格番号、面表記とSTEREOがあります。曲目はラベルの円に沿って中央揃いになっています。マトリクスは機械打ちで6.22277-00-1/6.22277-00-2です。両面にManufactured in Germanyの刻印があります。
B面のラベルです。「I Don't Know Why」の作者クレジットが"Jagger-Richards-Taylor"となっています。ジャケットではちゃんと"Wonder-Riser-Hunter-Hardway"となっています。「Don't Lie To Me」の作者クレジットも"Jagger-Richard"となっています。これはジャケットでも間違えています。
こちらはセカンド・ジャケのジャケットに入っていたラベルです。右側の規格番号の後にあった(AO)がなくなっているのと、リムのクレジットが全く違います。その他の文字の配置は上のラベルと同じです。マトリクスは機械打ちで6.22277-00-1/1//6.22277-00-2/1です。途中にスラッシュがあるのでAB面の境は//です。また、こちらにはManufactured in Germanyの刻印はありません。
B面のラベルです。こちらも「I Don't Know Why」の作者クレジットが"Jagger-Richards-Taylor"となっています。
このドイツ盤を初めて聴いた時は「Out Of Tome」が終わった後で「If You Let Me」が始まったので何だか変だと思いジャケットの曲目を見てみると曲順が違う事に気が付きました。アメリカ盤の曲数が14曲と少ないのは知っていましたが、16曲仕様で曲順が違うものがあるとはビックリしました。今のところこの曲順はドイツ盤だけだと思いますがなんで曲順を入れ替えたのかは不明です。また、マスターも独自のものなのか他国盤よりも低音がブンブン鳴っているような気がします。レコードに関しては一部の資料にこのタイトルにもNOVA盤のレコードが存在すると書かれていますが実際にはありません。おそらくNOVAからいろいろな再発盤が出ていた時期にデッカからの新譜として発売されたためデッカからの発売となったのではと思います。ドイツ盤はジャケットに円形の"16 Rare Rolling Stones tracks"あるいは"Never Released Before"と書かれているので表からもすぐに判別出来るかと思います。
