ローリング・ストーンズのスペイン編集盤『LO MEJOR DE THE ROLLING STONES』です。1971年に発売され、規格番号はSKL 30514/5です。72年発売説が有力ですがラベルのスペインでの法廷納本のクレジットが1971となっていることや後で触れますがジャケットのクレジットが初回盤では1972とないので、ここでは71年発売としました。スペインのデッカの販売元はDISCOS COLUMBIA S.A.です。ジャケットは見開きで表側はミックと左下にものすごく小さいキースが座っているという面白い構図になっています。裏側はビル、チャーリー、テイラーの3人の写真が載っています。このメンバーの写真は全てUK盤『LET IT BLEED』の初期盤に付いていた小冊子に使われていた写真です。ジャケットは両面コーティングされています。なお、このベスト盤の初回盤は規格番号を間違えており、本来ならSKL 30514/5という番号が全く違うDCS 15008/9になってしまっています。ジャケットではシールを貼ってその部分を訂正してあり、レコードは初回盤のラベルでは間違ったまま発売されてしまっています。

タイトルの部分です。英語に直すと『ザ・ベスト・オブ~』といった意味です。

表側の右下に小さすぎるキースの写真があります。

裏ジャケです。表側のミックの続きで下半身と、その横にメンバー3人と曲目が書かれています。

ミックの全体像を表裏に使ったせいかこのジャケットは特殊な作りになっていて、通常は裏ジャケに当たる部分が表側に、表側に当たる部分が裏ジャケにそれぞれ横向きに印刷されています。

チャーリーとテイラーの写真の部分です。その上下にC面とD面の曲目が書かれています。普通だったら上からA面、B面と始まると思いますがこの順番も面白いですね!

ビルの写真の部分です。その横と下にA面とB面の曲目が書かれています。その下にデッカのロゴがあります。

デッカのロゴの部分です。上が初期型のジャケットで間違っている規格番号の上に訂正したシールが貼られています。Discogsではもっと剥がれた写真が載っていますが、このシールを剥がすと間違った番号のDCS 15008/9が印刷されているようです。下が後期型で間違っていない番号が印刷されています。

ジャケットを横にした左下の部分です。初期型は空欄になっていますが、後期型はMADE IN SPAINがあります。

右下に印刷所のFOCA, S.A.とマドリードのクレジットがあります。上が初期型で年号のクレジットはありませんが、後期型は発売年の1972があります。文字のフォントも全く違います。

見開きの内側です。何故かピラミッドに描かれているようなデザインです。左側のページに小さくメンバーの写真があります。

左側のページの左下にアルバムのタイトルとメンバーの写真があります。

右側のページの左上に規格番号が書かれていますが、こちらも間違った規格番号を訂正したような印刷になっています。この部分は初回盤も裏ジャケが訂正後のジャケットも同じです。

右側のページに曲目が載っています。これはA面の曲目です。「Time Is On My Side」はギター・イントロ・ヴァージョンです。

B面の曲目です。「Poison Ivy」は1st EPのヴァージョンです。

C面の曲目です。

D面の曲目です。

右下のクレジットの部分です。デッカのロゴと発売元のDiscos Columbia S.A. のクレジットがあります。

ラベルです。こちらはオリジナル盤のラベルです。規格番号がDCS 15008となっていますが、このラベルは間違って発売されてしまったのか殆ど見かけません。上部にデッカのロゴろその下にffssとFULL FREQUENCY STEREOPONIC SOUNDと書かれたラインがあります。左側にBEAMと面表記があります。面表記はCara 1/Cara 2です。右側とマトと規格番号があります。下部にタイトルと曲目があります。曲目は中央揃いでラベルの円に沿って書かれています。マトリクスは機械打ちで850 ESSI 686*1J COL/850 ESSI 687*1J COLです。私のは4面全部のラベルがDCS.で始まるものとなっていますが、A面がDCS~、B面が訂正されたSKL~で始まったり、1枚目と2枚目が訂正前と訂正後だったりといろいろと混在しているものあるようです。

B面のラベルです。

C面のラベルです。2枚目はDCS 15009となっています。マトリクスは機械打ちで850 ESSI 687*2J COL/850 ESSI 689*1J COLです。

D面のラベルです。

こちらは規格番号を新たに訂正したラベルです。右側の規格番号の部分がSKL 30514と変わったのみで、その他の文字の配置は上のラベルと同じです。マトリクスは機械打ちで850 ESSI 686*1J COL/850 ESSI 687*1J COLです。このマトは上のラベルと同じです。

B面のラベルです。

C面のラベルです。マトリクスは機械打ちで850 ESSI 687*2J COL/850 ESSI 689*1J COLです。

D面のラベルです。

この間違えたDCS 15008/9という規格番号はどのレコードだったのか調べたら、Deramから発売されたThe Keef Hartley Bandの『LITTLE BIG BAND』のスペイン盤の番号でした。Deramはデッカから派生したレーベルなので番号が混在してしまったのかも知れません。スペイン盤のデッカの規格番号はSKL~から始まるのでこういったミスも珍しいですよね。この編集盤は曲目を見ると「Mercy, Mercy」や「Little by Little」などのマニアックな曲が含まれていますが、デビューから年代順に曲が並んでおり60年代のストーンズの歴史がよく分かるような選曲となっています。テイラー期の曲は1曲しか入っていませんがジャケットがテイラーになっていたり、ジャケットを横向きにしたデザインといい結構面白いベスト盤だと思います。