ローリング・ストーンズのアルゼンチン盤『STICKY FINGERS』です。アルゼンチン盤はWEAにあたる期間はMUSIC HALL、EMIにあたる期間はEMI-ODEON、そしてCBSにあたる期間はCOLUMBIA RECORDSから発売されていましたが、それぞれタイトル文字やジッパーなどが全く違うので順を追って紹介しようと思います。最初はオリジナル盤です。71年に発売され、規格番号は231301です。販売元はPHONOGRAM S.A.I.C.という会社です。通常はMUSIC HALLですがこのタイトルだけ最初PHONOGRAM S.A.I.C.という会社から発売されています。なお、76年にはMUSIC HALLから再発売され、規格番号も50-16.026に変更となっています。ジャケットの表側は各国盤と同じデザインです。タイトル文字はUK盤と同じです。アルゼンチン盤はこのPHONOGRAM S.A.I.C.盤だけ本物のジッパーが付いています。ジャケットは柔らかい紙質で和紙のような手触りです。また、写真では分かりづらいですが他国と比べて暗いジャケットです。また、後で取り上げますが、裏ジャケにリーバイスの赤タブを模したシールが貼られているのが特徴です。私は勝手に「リーバイス・ジャケ」と呼んでいます(笑)。

USA盤のジャケットと並べてみました。左がアルゼンチン盤、右がUSA盤です。ジャケットが暗いのが分かります。写真では明るくなってしまいましたが実際はもっと暗い色合いです。

グループ名とタイトルはUSA盤仕様になっています。

ジッパーの部分です。"RELANPAGO"の刻印があります。スペイン語で「稲妻」という意味ですがこの名前のジッパーの会社があるのか分かりませんでした。

裏ジャケです。ジーンズにタグのようにLEVI'Sの赤タブを模したシールが貼ってあります。このアルゼンチン盤を入手した時第3者が勝手に貼ったものかと思いましたが、DiscogsではちゃんとこのLEVI'Sの写真が載っています。ジーンズのジャケットだったのでリーバイスが宣伝のためにレコード会社と協定を結んだのか分かりませんが、Discogsではこのことについて何のコメントも書かれていません。私は90年代にこのレコードを買いましたが、レコード店の方も「何故かリーバイスのシールが貼ってあるんですよ。向こうの業者の人がリーバイス・ジャケだと言ってました。」と不思議がっていました。

LEVI'Sのシールの部分です。

左下にベロマークとROLLING STONES RECORDSのクレジットがあります。ベロマークの周りが黒い線で囲まれていたり、ROLLING STONESという文字も変な文字で何だか適当な感じがします。

下部中央に"Industria Argentina"(アルゼンチン産)とあります。

右下に販売元の"PRODUCIDO POR PHONOGRAM S.A.I.C."(PHONOGRAM S.A.I.C.のプロデュース)と書かれています。

他国ではインナーとして付属していましたがアルゼンチン盤はシートとなっています。写真側は各国と同じデザインです。

シートの裏側です。曲目やクレジットは全てスペイン語で書かれています。

左上に規格番号の2313001とUK盤やUSA盤の番号のCOC 59100が書かれています。

曲目の部分です。

メンバーの担当楽器の部分もこのように全部スペイン語になっています。

下部中央に販売元の"PRODUCIDO POR PHONOGRAM S.A.I.C."のクレジットがあります。

ラベルです。上部にこのタイトルで使われていた焼印のようなグループ名とベロマークがあります。その下に小さくタイトルがあります。右側に規格番号と面表記、権利協会のCOMAR BIEMのクレジットがあります。曲目は中央揃いで、スペイン語→英語→タイム表記の順に書かれています。作者クレジットは下部にまとめて書かれています。一番下にローリング・ストーンズ・レコードの登録票所があります。マトリクスは機械打ちでDH 2313001 1/DH 2313001 2です。

B面のラベルです。

ここからはEMI盤です。アルゼンチンでの販売元はEMI-ODEONという会社です。1980年に発売され、規格番号は8879です。ジャケットの表側のタイトルとグループ名はオリジナル盤はUSA仕様でしたが、EMI盤はUK盤仕様となっています。ジッパーは印刷です。ジャケットは薄い紙質となっています。UK盤と同じデザインですが、ジッパーの中にあったブリーフは無く普通のシングル・ジャケでレコードの取り出し口も右側にあります。

グループ名とタイトルの部分です。

ジッパーの部分です。印刷だとなんだかつまらないですよね!

裏ジャケです。EMI盤はリーバイスのシールは貼られていません。

右上に規格番号の8879があります。

下部中央にEMI-ODEONのクレジットがあります。

上のクレジットの続きです。"Industria Argentina"(アルゼンチン産)があります。

右下に南米盤によく見られる"DISCO ES CULTURA"(レコードは文化)とベロマークがあります。

アルゼンチンのオリジナル盤はシートとなっていましたがEMI盤はインナーとなっています。こちらは写真側です。なんだかコピーしたような画質でしかも写真が反転しています。この写真が反転しているのは各国盤でもアルゼンチン盤だけです。

右上に規格番号の8879があります。

インナーの反対側です。こちらは全てスペイン語で書かれています。

曲目の部分です。

メンバーの曲毎の担当楽器の部分です。全てスペイン語のクレジットとなっています。

左下にパブリッシャーのⓅ1971 MUSIDOR B.V.があります。

ラベルです。上部にタイトル、グループ名、プロデューサーのジミー・ミラーのクレジット、パブリッシャー、ベロマークがあります。左側にアルゼンチンの音楽協会SADAIC-BEAMのクレジットがあります。右側にマトがあります。曲目はスペイン語→英語→作者クレジット→タイム表記の順に書かれています。グループ名の上の『サムガールズ』の時に使われていた上下反転しているグループ名はこのアルバムには似合いませんよね。一番下に規格番号があります。マトリクスは手書きでCUN-59100-A/CUN-59100-Bです。

B面のラベルです。

プロモ盤のラベルです。上のレギュラー盤のラベルとは文字の配置が違います。上部にEMIのロゴ、その下にタイトル、グループ名、プロデューサーのジミー・ミラーのクレジット、パブリッシャーがありますが、ベロマークはこのプロモ盤にはありません。また、『サムガールズ』の時に使われていた上下反転しているグループ名もありません。曲目の部分は同じです。ラベルの中央にプロモを表す文字が印刷されています。マトリクスは手書きでCUN-59100-A/CUN-59100-Bです。

B面のラベルです。

ここからはCBS盤です。なんと文字の配置が今までと全く違い右側にあります。右側にあるのは各国盤ではこれと南アフリカ盤の初回盤しかありません。南アフリカ盤とは文字のフォントが全く違うのでこれはアルゼンチン独自のものです。アルゼンチンでの配給元はCOLUMBIA RECORDSで1986年に発売され、規格番号は70-076です。ジッパーは印刷となっています。

右上にCBSのロゴと規格番号があります。こうしてみるとグループ名とタイトルがかなり大きく書かれているのが分かります。

裏ジャケです。こちらは曲目が印刷されている独自のデザインとなっています。

上部にDireccion Aristica : Jimmy Millerとプロデューサーのジミー・ミラーのクレジットがあります。

右上にコロンビアのロゴと規格番号があります。

A面の曲目の部分です。スペイン語表記の下に英語表記があります。スペイン語だけだと何の曲なのか分かりませんよね!

B面の曲目です。

左下にCBSの登録票所とコロンビアのロゴ、Industria Argentinaがあります。

下部右側にレコードからテープに録音しないでくださいと書かれています。

その右側にこのタイトルのカセットの規格番号170-076があります。

右下にベロマークがあります。白黒で印刷がなんだかぼやけています。

このCBS盤は裏ジャケに曲目等が書かれているためか元々インナーはありません。ラベルです。上部にタイトルとグループ名があります。左側に面表記、ESTEREO、回転数があります。右側に規格番号、アルゼンチンの音楽協会SADAIC-BEAMクレジットがあります。曲目はスペイン語→英語→作者クレジットの順に書かれています。マトリクスは手書きで70076/A//70076/Bです。途中にスラッシュがあるのでAB面の境は//です。

B面のラベルです。

このアルゼンチン盤はそんなに音は悪くはありませんが音圧が低くやや迫力に欠けます。ジャケットのタイトル部分がWEA盤はUSA盤仕様、EMI盤はUK盤仕様、CBS盤はアルゼンチン独自のものとなっていて一貫性が無いのが面白いですよね!また、本物のジッパーはオリジナル盤にしか付いてなく、後は印刷という違いや、最後のCBS盤はインナーが無くなり曲目が裏ジャケに直接印刷されているというのも後期型に行くにつれてだんだんオリジナルからかけ離れていくのが特徴です。また、オリジナル盤に貼ってあったリーバイス赤タブを模したシールですが、最初に触れたようにDiscogsでも写真は載っていますが、コメントが何も書かれていないので詳細は分かりません。このリーバイスがシールが貼られているのはアルゼンチン盤だけなのでこれも興味深いです。