ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ UK盤EP②5×5いろいろ!!

ローリング・ストーンズのイギリスでの2枚目のEP『5×5』です。1964年8月14日にリリースされました。全曲シカゴのチェス・スタジオで64年6月にレコーディングされUS盤では全曲『12×5』に収録されています。このEPもミスクレジットやラベルのヴァリエーションがあります。前回も書きましたが後期にはリアル・ステレオのレコードも存在します。フロント・カヴァーです。タイトル、グループ名等は一切なくDECCAのロゴだけです。左上にmono DFE 8590とあります。ジャケットの表面はコーティングされています。

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リア・カヴァーです。タイトルは『FIVE BY FIVE』と表記されています。フリップ・バック仕様で右上にMONO DFE 8590とあります。下部右側に印刷所のクレジットがあります。

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これは有名ですがメンバーのクレジットの部分でMick JaggerがMike Jaggerとミスっています。右のようにMickと修正されたジャケットもあります。

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印刷所は上から①MacNeil Press、②Pineburn Press Ltd.、③印刷所の記載なし、です。①MacNeil Pressの一部にMickと正確なクレジットがありますが、他の印刷所はずっとMikeのままでした。

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ラベルです。オープン・デッカです。どれが初版なのか明確ではないのでマトリクスが若い順にいきます。Side 1が縦書き、右側にRECORDING FIRST PUBLIHED 1964があります。マトはEFF-2739-1K/EFF-2740-2Kです。このラベルには-2K/-2Kも存在します。印刷所は①MacNeil Pressです。-1K/-2KのものはMick、-2K/-2Kの方はMikeでしたがこの組み合わせと逆のものもあると思います。

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Side 1が横書き、RECORDING FIRST PUBLIHED 1964が左側に移動したラベルです。マトはEFF-2739-2K/EFF-2740-2Kです。印刷所は①MacNeil Pressです。クレジットはMickと正確です。

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規格番号DFE 8590が2行に渡ってクレジットされています。Side 1が横書き、RECORDING FIRST PUBLIHED 1964が左側に移動したラベルです。マトリクスは-2K/-2Kです。印刷所は①MacNeil Pressです。クレジットはMickと正確です。

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上と同じタイプのラベルですがプッシュ・アウト・センターではなくソリッド・センターになっています。マトリクスはA面が戻って-1K/-2Kです。印刷所は①MacNeil Pressです。クレジットはMickと正確です。

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66年頃からのボックスト・デッカです。RECORDING FIRST PUBLISHED 1964がP1964と省略されています。マトリクスはEFF-2739-1K/EFF-2740-1Kと何故か両面-1Kに戻っています。印刷所は①MacNeil Pressです。クレジットはMickと正確です。

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こちらは70年代のプレスでラベルのマトリクスの文字が逆ではなくなりました。マトリクスは-6C/-5Cです。印刷所は①MacNeil Pressですがフリップバックではなくなっています。ここで何故か再びMikeとミスっています。

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上と同じデザインですが、Side 1がSIDE 1と大文字になっています。マトリクスも上と同じ-6C/-5Cです。印刷所も上と同じく①MacNeil Pressのフリップバックではないタイプで、Mikeとミスっています。

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80年からのブルーラベルです。前回も紹介しましたが全曲リアル・ステレオのマスターに入れ替わっています!ジャケット、ラベル共にMONO表示です。ラベルの規格番号をDFEをDEFとミスっています。マトリクスはDFE8590 A//2∇ED/DFE8590 B2//∇EDです。「Confessin' The Blues」のリアル・ステレオは日本よりこちらの方が早くリリースされています。印刷所は②Pineburn Press Ltdです。この印刷所もMikeとミスっています。

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82年からのラベルです。マトリクスはDFE 8590 A-1/DFE 8590 B-1と今までと全く違うものになっていて、再びモノラルに戻ってしまいました。印刷所は③印刷所の記載なし、です。この頃になってもMikeとミスっています。

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上のラベルと文字の配置は全く同じですが溝が違うものです。マトリクスは同じです。印刷所は③印刷所の記載なし、です。やはりMikeとミスっています。f:id:jukeboy:20161024205006j:plain

 Mikeのミスクレジットですが、修正してある印刷所はMacNeil Pressのフリップ・バックの途中からだけで、後期のフリップ・バック無しに変る時に再び間違え、その後印刷所が変わってもずっと間違ったままになっています。つい数年前に出たLPボックスでも間違ったままでした(笑)。また、上のラベルでは私の持っているレコードのジャケットから上げていて、同じラベルでも修正してあるものや、ミスっているものがあると思いますので一応の参考にしてください。前回も書きましたがこのEPはストーンズの初期の魅力が詰まっている素晴らしいレコードだと思います!

 

ローリング・ストーンズ UK盤EP①THE ROLLING STONESいろいろ!!

1964年1月10日にイギリスで発売されたストーンズ初の4曲入りEP盤です。シングルとは違いEPにはジャケットが付けられ、デビューしたての5人の写真が写真が使われています。視線がバラバラなのがストーンズらしいですね!このEPにもいろいろなヴァリエーションが存在します。フロント・カヴァーは左上にmonoと規格番号DFE 8560があり、右上にDECCAのロゴがあります。ジャケットの表面はコーティングされています。収録された4曲はベスト盤を除いて全てアルバム未収録です。

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リア・カヴァーです。フリップ・バック仕様で、右上にMONOと規格番号、下部にDECCAのロゴと印刷所のクレジットがあります。

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初期盤にはタイトルの色が金色のものと緑色に近い薄い金色のものが存在します。これは印刷所の違いで前者がMacNeil Press、後者がWest Brothers Printersです。2枚重ねてみると違いがよくわかります。

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また、MacNeil Pressの初期と、West Brothers Printersはビル・ワイマンの楽器のクレジットをbase guitarとスペルを間違えています。MacNeil Pressの方は途中からbass guitarと修正されています。

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このEPの印刷所のクレジットの部分は4種類5タイプありますが、後で触れるどのラベルがどの印刷所か分かるように番号を振っておきます。上から順番に①MacNeil Press、②West Brothers Printers、③後期型のMacNeil Press(フリップ・バック無し)、④Pineborn Press、⑤印刷所の記載なし、の順です。

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ラベルです。左側にRECORDING FIRST PUBLISHED 1964のクレジットがあります。このタイプが初版だと思います。マトリクスは機械打ちでEFF-2663-1K/EFF2664-1Kです。ジャケットは①MacNeil Press、②West Brothers Printersの両方存在するのでどちらのジャケットのものが初版なのか分かりませんが、数は②の方が断然少ないと思います。

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RECORDING FIRST PUBLISHED 1964が右側へ移動しています。そのためBIEM、NCBのクレジットが2段になっています。Side 1もSが大文字となり2行に渡ってクレジットされています。作者クレジットは曲名の次の行に書かれています。マトリクスは機械打ちでEFF-2663-1K/EFF-2664-1Kです。ジャケットは②のWest Brothers Printersです。

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上のラベルのRECORDING FIRST PUBLISHED 1964がP1964と変わったラベルです。マトリクスは上のラベルと同じです。ジャケットは①MacNeil Pressです。ここまでビル・ワイマンのクレジットをbaseとミスっています。

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66年後半からのボックスト・デッカです。EXTENDED PLAYが2ヶ所にあります。規格番号が縦2列に表記されています。Side 1、Side 2表示はありません。マトリクスは-1K/-1Kのままです。ジャケットは①MacNeil Pressですがビル・ワイマンのbaseをbassと正しく修正してあります。これ以降の再発は印刷所が変わっても全てビル・ワイマンの部分が修正済です。

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ボックスト・デッカですが上と違いDFE 8560が横一列に、マトの表示も逆さではなく普通になっています。EXTENDED PLAYが2ヶ所にありますが上のラベルより小さく表記されています。SIDE 1、2がありますがAB面逆にクレジットされていて通常のA面にSIDE 2とあります。曲目も曲名作者と出版社が2行に渡ってクレジットされています。マトリクスは-1K/-1Kのままです。ジャケットは③後期型のMacNeil Press(フリップ・バック無し)です。

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上の2枚と違いEXTENDED PLAYが小さく1ヶ所だけで、曲目の配置も上の2枚とは違います。マトリクスは-1K/-1Kのままです。ジャケットは③後期型のMacNeil Press(フリップ・バック無し)です。 

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 80年にリリ-スされた中央がプラスティックのラベルです。マトリクスは手書きでDFE8560A12/DFE8560B12です。両面とも離れたところに機械打ちで数字と記号があります。ラベルの規格番号DFE 8590をDEFとミスっています。これは同時にラベルが変わった「5X5」と「GOT LIVE~」のEPでも同じミスがあります。ジャケットは④Pineborn Pressです。このラベルは発売期間が短かったためかあまり見かけません。

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82年にリリースされた最後のラベルです。マトリクスは機械打ちでDFE 8560 A-1/DFE 8560 B-1です。このラベルは溝の深さが中央にあるものがジャケット④Pineborn Pressで、同じデザインで中央と円周が深くなっているものがジャケット⑤印刷所の記載なしです。

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ビル・ワイマンのbassのミス・クレジットがボックスト・デッカに変ったと同時に修正されたのは偶然かもしれませんが、これは私の持っているものから考えたのでオープン・デッカでも修正済みのものがあるかもしれません。内容は全曲カヴァーですが、センスがいい選曲ですね~!演奏もまとまっていて「Money」は同時期のビートルズのカヴァーと比べても引けを取らないと思います。「Poison Ivy」や「Bye Bye Johnny」ではブライアンのだみ声のコーラスを聞くことが出来ます。「You Better Move On」は5年後にベストの『THROUGH THE PAST DARKLEY』に収録されましたが、たったの5年であそこまでいったのかと思うと60年代の進歩って驚きですよね!

ローリング・ストーンズ オルタネイト・ヴァージョン収録Shelly盤HOT ROCKS!!

もう有名になってしまいましたがUSA盤初回『HOT ROCKS』(2PS 606/7)には「Brown Sugar」「Wild Horses」のオルタネイト・ヴァージョンが収録されています。私は80年代にブートレグの『MICK TAYLOR WE MISS YOU』で初めて聞きました。そこに初期の『HOT ROCKS』に収録されていたと書かれていたので、私の持っている『HOT ROCKS』を聞いてみましたが普通のヴァージョンだったので?と思い資料にもなくそのまま10年位忘れていました。90年代半ばにホフマン氏のBasement Newsでアメリカで発見された記事を読みこのレコードの存在を知りました。私は98年頃に西新宿HS(現在は閉店)で買いました。00年代に入ってからは中古レコード店やヤフオクでもお目にかかる機会が増え、結構出回っているのでこのレコードは間違って出荷されてしまった可能性が高いと思います。ジャケットは他の『HOT ROCKS』と同じです。メンバーの横顔に光を当てた写真を重ねた凝ったデザインで外側からミック、ビル、テイラー、チャーリー、キースとなっています。「Brown Sugar」「Wild Horses」のオルタネイト・ヴァージョンが収録されている盤を見分けるにはレコードのマトリクスで判別するしかありません。

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裏ジャケです。LONDONのロゴの下にManufactued by ABCKO RECORD, INC.と住所の表記があります。 グループ名、タイトルの下に曲目のクレジットがありますが、曲順が収録通りではなくメチャクチャなのが面白いです。そういえば『LET IT BLEED』の裏ジャケの曲順もそうですね!

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見開きの内側です。

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レコード袋です。ロンドンの69年頃から使われているものです。ストーンズは『LET IT BLEED』まで載っていて、この頃になるとモノラルの規格番号はありません。

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その反対側です。

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211 reasons whyというストーンズの過去のカタログが載った冊子が付いています。

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反対側です。

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「Brown Sugar」はラフなミックスでサウンドが少し薄いような印象です。間奏のサックスが無く、途中から未完成といった感じのギター・ソロが入ります。また、正規ヴァージョンでは殆ど聞こえないベースがここではよく聞こえます。「Wild Horses」は昨年『STICKY FINGERS』のデラックス・エディションでCD化されましたが、そちらとはミックスが違います。ミックの歌に入る直前のアルペジオのギターがCDでは大きくミックスされています。エレキ・ギターが入っていないのでCDではアコースティック・ヴァージョンと表記されています。ラベルです。『HOT ROCKS』のラベル違いは何種類もありますが、このラベルと同じデザインでも通常ヴァージョンが収録されているのがありますので要注意です。ラベルの右側のマトリクスの最後にSHと表記されていますがこれはニュー・ヨーク州のShelly Productsでプレスされたことを表します。オルタネイト・ヴァージョンが収録されている盤のマトリクスは手書きでXZAL 11018 Shelly 少し離れて11-18-71と日付があります。 

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文字が薄くて写真では見えずらいですが、マトリクスのXZAL 11018 Shelly の部分です。

 

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日付の11-18-71の部分です。

 

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『HOT ROCKS』は72年1月(71年12月20日説もあり)に発売されたのでマトリクスに刻まれた日付を見ると最初期のプレスという事がわかります。2曲共こうして聞いてみると未完成な感じですが、製作途中の貴重な記録として「Brown Sugar」も『STICKY FINGERS』のデラックス・エディションに収録してほしかったです。しかしこの2曲はABCKOに人質に取られたおかげで聞くことが出来たありがたいヴァージョンですね!