ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ USA盤ENGLAND'S NEWEST HIT MAKERSホワイトラベル・プロモとテストプレス!!

ローリング・ストーンズアメリカでのデビュー・アルバム『ENGLAND'S NEWEST HIT MAKERS』です。UK盤とは曲が一部変更になりシングル曲の「Not Fade Away」がA面1曲目に収録されています。モノラルは64年4月にLL-3395、ステレオは1年後の65年4月にPS-375として発売されました。このアルバムから『OUT OF OUR HEADS』までは一部イギリスでプレスされたレコードが存在しますが、このアルバムにだけMADE IN ENGLANDの白ラベルのプロモが存在します。正確にはストーンズの曲が1曲収録されたオムニバスの『ENGLAND'S GREATEST HIT MAKERS』にもMADE IN ENGLANDの白ラベルがありますが、ここではストーンズのみのアルバムを取り上げます。ジャケットにプロモ・ステッカーが貼られています。また、レコードのタイトルですが『ROLLING STONES』が正式で、『ENGLAND'S NEWEST HIT MAKERS』というのは文字の配置から考えてキャッチコピーのような気がするんですが?ずっと後者が正式タイトルとして使われていますがジャケットの派手なタイトル表示がアメリカっぽいですね!初回盤にはジャケット左下にクレジットがあるようにポスターが付いています。ステレオ盤はモノラルより1年も遅い発売のため初回のポスター付きは存在しません。ちなみにカナダではステレオは66年に発売されたにも関わらずステレオ盤にもポスターが付けられました。このポスターの表示やLONDONロゴの位置違いが数種類ありますが、それはレギュラー盤の時に紹介します。

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リア・カヴァーです。ファン・クラブの案内の表記があります。また当初ステレオ盤は発売されていなかったので初期のモノラル盤にはLL-3395の隣に「also available in Stereo」のクレジットがなく途中からこの表示が追加されています。

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プロモ・ステッカーの部分を拡大した画像です。

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付録のポスターです。ジャケットと同じ写真が使われています。通常版でもポスター付き表記があってもポスターが欠落しているものが多いので買うときは要注意です!

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レコード袋です。64年~65年頃に使われていたロンドンffrrのものです。

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ラベルです。上部にMADE IN ENGLAND、NOT FOR SALEとあります。マトリクスはXARL-6291-3A/XARL6292-3Aです。今まで何度か売っているのを見ましたが全部-3A/-3Aでした。レギュラーのMADE IN ENGLAND盤では-1A/-1Aと-3A/-3Aを確認しました。

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B面のラベルです。

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A面のマトリクスの部分です。

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このアルバムにはイギリス製のテスト・プレスも存在します。当時のイギリス・デッカで使用されていたレコード袋に入っていますがどこかへ配られたのでしょうか?レコードが飛び出さないように上部のレコード取り出し口にSAMPLE RECORD(NOT FOR SALE)と注意書きが書かれた封印のシールがあります。

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ラベルです。デッカのテスト・プレスです。上部にMADE IN ENGLANDがあります。その下にFactory SampleとNOT FOR SALEがあります。ボールペンでマトリクスXARL 6291-1AとROLLING STONESと書かれています。マトリクスはXARL-6291-1A/XARL6292-1Aとプロモより若いです!レコード袋には-3A/-3Aとマジックで書いてあるので、このテストプレスが完成した時には3Aまで進んでいたのかも知れません。

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A面のマトリクスの部分です。

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B面のラベルです。こちらもボールペンでマトとグループ名が書かれています。

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アメリカ盤のラベルはホントに数多く存在しますが、レギュラー盤のMADE IN ENGLANDはアメリカのどの辺りでいつ頃販売されていたのか分かりません。また、この白ラベルはどの位の数プレスされたのかも不明です。これらはまだまだ研究の余地がありそうです!レギュラー盤のファーストから『OUT OF OUR HEADS』までのMADE IN ENGLAND盤、LONDON盤各アルバムのラベル違いについてはまたの機会に触れます。

ローリング・ストーンズ USA盤「虹」と「2000光年」謎の複数のエディット・ヴァージョン!!

1967年11月(12月2日説も)にアメリカで発売された「She's A Rainbow/2000 Light Years From Home」のシングル盤のプロモには両面ともエディット・ヴァージョンが作られました。これらには各ステレオ、モノラルの2種類のエディット・ヴァージョンが存在します。それも同じ曲でそれぞれ違った箇所で編集されていて2曲、4ヴァージョンということになりますので順を追って紹介したいと思います。通常プロモ盤にはスリーヴは付いていませんがこのプロモにはレギュラー盤と同じスリーヴが付けられて売っているものもあり元々付けられていたのかは不明です。USシングル盤のスリーヴです。

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67年版のプロモは両面モノラルです。プロモ用の通称オレンジ・スワールと呼ばれているラベルです。A面の「She's A Rainbow」は2番目のコーラスと間奏を丸々カット、後半は「The Lantern」へ繋がる音の部分まで収録されている2:48のヴァージョンになってます。「2000 Light years From Home」はイントロのメロトロンをカット、ギターで始まりますが直前のメロトロンのジャーンという音が残っています。間奏部分をカット、フェイド・アウトが早い2:52のヴァージョンです。マトリクスは手書きでAP-1XDR-41714-1A/AP-1XDR-41715-1Bです。

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こちらは別デザインのプロモです。LONDONロゴの下にDistributed By London Records,Inc.のクレジットがあり、Made in USAが規格番号の上に移動、左中央下にPROMOTIONAL、右中央下にNot For Saleのクレジットがあります。収録されているヴァージョンは両面とも上のラベルのものと同じです。マトリクスは手書きでAP-1XDR-41714-1E △69507/AP-1XDR-41715-1E △69507-Xです。両面とも△以降は少し離れたところにあります。 

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こちらも別デザインのプロモです。規格番号が45 LON 906に変り、左中央下にPROMOTIONAL COPYがあります。収録されているヴァージョンは両面とも上のラベルのものと同じです。マトリクスは手書きでAP-1-41714-1F/AP-1-41715-1Fです。両面とも1の後にあるXDRを線で消してあります。

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78年9月に再発されたサンセット・ラベルのレギュラー盤には両面とも違うエディット・ヴァージョンが収録されました。「She's A Rainbow」はラベルに4:10とクレジットがありますが実際は2:50です。こちらは新たに登場したステレオのエディット・ヴァージョンで1コーラスが終わるといきなり間奏に入ってしまいます。先のヴァージョンは間奏がありませんでしたがこちらは残してあります。エンディングも一部カット、フェイド・アウトも早く「The Lantern」に繋がる部分は聞けません。「2000 Light years From Home」は4:45とクレジットがありますが実際は3:05です。こちらも新たに登場したステレオのエディット・ヴァージョンでイントロのメロトロンの音がカットされていますが、前回はジャーンと残っていたメロトロンの最後の音がきれいにカットされギターから始まっています。前回は間奏がカットされていましたがこちらは間奏が残されており間奏直後のコーラスの部分からいきなり最後の歌へ部分へ飛ぶという雑な編集が施されています。フェイド・アウトも早いです。マトリクスは手書きで5N-906-A/5N-906-Bです。なおホフマン氏のホワイトブックでは2曲とも67年のプロモ盤と同じヴァージョンと書かれていますがこれは間違いで明らかに違うヴァージョンです!

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なお、サンセット・ラベルには他のタイトルも2種類ずつ別のラベルのデザインが存在していますが、「She's A Rainbow」にも別デザインのラベルがもう1枚あります。下のデザインのラベルのものには通常ヴァージョンが収録されています。マトリクスは手書きでXDR-41714-X-1/XDR-41715-1Hです。

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78年になってどうして別のエディット・ヴァージョンが登場したのか不明ですが、67年当時に作られて没になったものが間違えてプレスされてしまったのか、ステレオなので新たに作られたのかとか、いろいろと考えてしまいますが謎のエディット・ヴァージョンですね。このサンセット・ラベルは各タイトル2枚の違うラベルが出ていて(カナダ盤も出ていますがUSA盤で2種です)「She's A Rainbow」のように収録内容が違うものがあり「Tell Me」も1枚はシングル・エディット、1枚はアルバム・ヴァージョンが収録されています。ここではサンセット・ラベルとしましたが資料によってはサンライズ・ラベルと書かれているものもあります。アメリカ盤シングルはこの他にもエディット・ヴァージョンが数多くあるのでまたの機会に紹介します!

ローリング・ストーンズ UKファースト続編!ラベルの変化と謎のブルー・デッカ!!

UKファーストの続編を書くといってえらく遅くなってしまいました。前回が3か月前でしたので合わせてお読みいただけたらと思います。前回はジャケットのいろいろなヴァリエーションやミスプリントを中心に書きましたが、今回はラベルの変化と謎のブルー・デッカについて書きます。もう有名ですがB面のマトが-1Aのものには「Tell Me」のデモ・ヴァージョンが収録されています。文献では2’52"と書かれていますが正確には3'00"です。これはホフマン氏がホワイト・ブックで頭欠けのタイムをホワイトブックに載せたのでそのタイムが浸透してしまったためと思います。マトリクスはXARL-6271-1A/XARL-6272-1Aです。デモに気付いてすぐにスタンパーを切り直したのに-2A/-1Aと再度デモ・ヴァージョンが収録されてしまいました。再び間違いに気づいたのか再度切り直して-1A/-2Aとなりやっと通常の「Tell Me」となりましたがこのヴァージョンもエンディングまでフェイド・アウトしないで行ってしまい、きれいにフェイド・アウトする他国とは違うものになっています。CDではこちらが当たり前になってしまいましたが日本盤のきれいにフェイド・アウトするのを聞いていたので最初はビックリでしたね。ラベルは最初から-2A/-3Aの頃までずっと同じデザインです。「Honest I Do」の作者は(Hurran,Calvert)と間違っています。

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「Tell Me」のデモが収録されたB面のマトの部分です。

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初期のデッカのインナーです。

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ラベルの上部にMADE IN ENGLAND THE DECCA RECORD CO. LTDとあったのがMADE IN ENGLANDだけになったラベルです。曲名の字体が変わり、「Route 66」の前に(Get Your Kicks On)が付け加えてられています。マトは-1A/-4Aです。「Honest I Do」の作者は(Reed)に修正されています。

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前回も触れましたが「I Need You Baby」が「Mona」に変ったラベルです。ジャケットのクレジットも同様に変わっています。これはマトが-2A/-3Aのものに見られますが、同じマトでも最初のラベルのデザインのものもあるので途中から一時的に「Mona」に変わったと思います。「Honest I Do」の作者は(Hurran,Calvert)です。

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この「Mona」のラベルにはもう一つ謎があってB面の「Can I Get A Witeness」の作者のクレジットが(E.& B. Holland, Dozier」を「Bozier」とミスっています。

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こちらは正確なクレジットの方です。ラベルのデザインは同じなので「Mona」ラベルのものだけ何でこうなったのか不思議です。

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初期のラベルにはRECORDING FIRST PUBLISHED 1964とありますが、P1964と省略されてしまったタイプです。マトは-2A/-4Aです。「Honest I Do」の作者はこれ以降(Reed)となっています。前回も触れましたがB面の「Can I Get A Witness」が「I Can Get A Witness」とミスっています。これと同じラベルのデザイン、同じマトでもミスっていない盤もあります。f:id:jukeboy:20160927202642j:plain

上のラベルのB面です。4曲目の「Can I Get A Witness」が「I Can Get A Witness」とミスっています。

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次は70年頃に登場したボックスト・デッカです。マトは-6A/-12Aです。「Route 66」の前の(Get Your Kicks On)が小文字に変っています。

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上と同じマトでP1964の表示が右側に移動して、レコードの回転数のクレジットが加わったタイプです。「Route 66」の前の(Get Your Kicks On)が大文字に戻っています。

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かなり後期のプレスでマトはA面は-6A、B面は手書きでXARL-6272のみです。ラベルの色や印刷の文字もやや薄いです。(Get Your Kicks On)がまた小文字になっています。

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次は謎のブルー・デッカについてです。以前、eBayでファーストの"BLUE DECCA"というのが1000ドル位で出品されていました。値段も高いし、何だろうと思い説明を読んでみるとどうやらフロント・カヴァー右上のDECCAのロゴの四角い枠の中が青いというものでした。私が持っているものを確認してみると確かにこれかな?と思うものが1枚ありました。これです↓

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確かに青に見えますが、他にも怪しいのが何色かありました。あまり目を凝らして見ていたので紺は目の錯覚かと思うくらいあまり自信がありませんが、表(写真では下から)から黒→紺→青→茶色です。茶色は黒っぽい茶色です。

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eBayで高く売っていた"BLUE DECCA"は誰も落札せずに終了しましたがこれは印刷の微妙な違いと思いますがどうでしょうか?前回も触れましたがこのアルバムはミスクレジットが一番多いと思いますし、ストーンズのアルバムで一番発売期間が長いアルバムなのでラベルの微妙な違いがまだまだあると思います。またマトリクス枝番の組み合わせもA面が2から1へ、B面が4から3に戻ったりしてAB面必ずしも順番通りではないのも謎です。現在私が所持しているものはジャケットやレコードのラベル違い9枚です。今後新たに何か見つかりましたら追記します!