ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ GET YER YA-YA'S OUTのモノラル盤があった!!

昨年はローリング・ストーンズのモノラル音源がCD化されストーンズ・ファンにとってはいい年になりましたね!80年代にはモノラルを語る人は殆どいなかったのでこうして再評価されていい時代になったと思います。イギリスでは『LET IT BLEED』まで、アメリカでは『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』までモノラル盤が存在しますが、アルゼンチンとブラジルでは『GET YER YA-YA'S OUT』がモノラルでリリースされています。まずはアルゼンチン盤です。70年にモノラル、ステレオ両方リリースされました。規格番号はモノラル36-6006、ステレオ46-6006です。いろいろな資料本でアルゼンチン盤はステレオしか実在していないように書かれていますが、モノラルもあります!順を追って説明します。ジャケットです。タイトルが現地語で『saca tu burro de aqui』と表記されています。グループ名も「LOS ROLLING STONES」となっています。

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現地語で書かれたタイトルの部分です。

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裏ジャケです。デザインは他国と同じですが、曲名やクレジットが現地語表記です。

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曲目の部分です。

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アルゼンチンでは配給元がODEONなのか内袋はODEONのものが使われています。広告には『THROUGH THE PAST DARKLEY』と『BEGGARS BANQUET』が載っています。

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ラベルです。アルゼンチンで69年から73年にかけて使われたオリジナルの濃いブルーのラベルです。タイトル、曲名は現地語表記です。ラベルの規格番号は36-6006となっています。マトリクスは機械打ちでXARL 10076/XARL 10077です。

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で、ここからステレオ盤です。ステレオしかないとよく間違われている理由はジャケットが共通という事が挙げられると思います。ジャケットの右上の規格番号の部分です。36/46-6006とモノラルとステレオの両方書かれてるため見分けがつきません。またジャケットのどこにもMONO、STEREO(ESTEREO)の文字がありません。

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ステレオ盤のジャケットにはESTEREOと印刷されたセロ・テープのようなものが貼られています。ジャケットはビニールで覆われていますがこのビニールを外すとステレオのテープも一緒に外されてしまいモノラルかステレオか判らなくなってしまいます。

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ステレオのラベルです。左側にESTEREO、規格番号は46-6006となっています。マトリクスは機械打ちでXZAL 10076/XZAL 10077です。ジャケットが同じことやラベルのデザインも異なった部分が少ないことからモノラルが実在しないとした資料が多いのかも知れませんね!

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次はブラジル盤です。ブラジルでは70年にリリースされました。規格番号はモノラルLLN-7201、ステレオLLX-7201-Sです。ジャケットは当時の他のブラジル盤同様印刷した2枚の紙をビニールで挟んだ造りになっています。

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ジャケットの右上にモノラルの規格番号のLLN 7201があります。

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左上のLONDONのロゴの中にP1970とあります。

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裏ジャケです。アルゼンチン盤と違い曲目は英語でクレジットされています。カラーの部分は全部白黒になっています。

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下部のクレジットの部分です。こちらは現地語で表記されています。アルゼンチン同様ODEONの文字がありますので、当時の南米の配給元はODEONだったのでしょうか。

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ラベルです。67年から使われているブラジル・ロンドンのオリジナルのものです。右側にMONOとあります。面表示はLADO 1となっています。マトリクスは機械打ちでXARL 10076/XARL 10077でアルゼンチン盤と同じですが、刻印の文字のサイズが違います。

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余談ですが両国ではその後の『STONE AGE』と『GIMME SHELTER』までモノラル、ステレオの両方がリリースされています。『STONE AGE』はほぼ疑似ステなのであまり関係ないですが、『GIMME SHELTER』は左右の音を束ねただけのモノラルになっているので、B面の『GOT LIVE~』からの音源はUS盤のベースがブンブンうなっているミックスとは違い静かな印象を受けます。『GIMME SHELTER』のMONOと書かれたラベルを載せておきます。

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こうしてみると南米では72年頃までモノラルが出回っていたんですね!『GET YER YA-YA'S OUT』では、左右に分かれていたキースとテイラーのギターがひとまとめになりキースのギターがやや大きく聞こえます。そのせいかチャック・ベリーのカヴァー2曲と「Sympathy For The Devil」などで歌のバックに回った時のキースのソリッドなフレーズが目立ち荒々しい印象を受けます。そのキースと、ビルのくにゃくにゃ動くベース、チャーリーのビシバシ来るドラムの音が一体になって迫ってくるような感じがします。また、スチュが参加した曲ではピアノの音がステレオより大きく聞こえるような気がします。このアルバムはストーンズのライヴ盤の中で一番好きなアルバムなので『GOT LIVE~』のアナログ時代のモノラル、ステレオと一緒にこのモノラル盤を加えたライヴ・ボックスなんていうのが出るといいですね!

ローリング・ストーンズ UK盤BETWEEN THE BUTTONSいろいろ!!  

UK盤『BETWEEN THE BUTTONS』です。イギリスでは1967年1月20日に5枚目のアルバムとして発売されました。規格番号はLK 4852(モノラル)、SKL 4852(ステレオ)です。タイトルとグループ名はチャーリーのボタンのところに小さく書かれています。表側の写真は当時のストーンズの写真を撮っていたゲレッド・マンコウィッツによるものでレコーディングの徹夜明けにロンドンのプリムリーズ・ヒルで撮影されました。リア・カヴァーにはチャーリー・ワッツによるイラストが描かれています。このアルバムは後年までジャケットの細かい違いはありません。印刷所は全てJames Upton Ltd.で、表面がコーティングされています。

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リア・カヴァーです。チャーリー・ワッツによるイラストと、その下に曲目、DECCAのロゴ、住所などのクレジットがあります。

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表側左上のMONO、STEREOの部分です。

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リア・カヴァー右上のMONO、STEREOの部分です。

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右下の印刷所のクレジットの部分です。後期までずっとJames Upton Ltd.です。

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モノラルのラベルです。マトリクスの若い順から行きます。曲名は1曲目と2曲目、3曲目と4曲目がそれぞれ同じ行に印刷されています。マトリクスはXARL-7644-1A/XARL-7645-1Aです。

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上のラベルとは曲目の文字が違います。左側にあったP1967がラベルの下へ移動しています。マトリクスはXARL-7644-2A/XARL-7645-3Aです。これと同じラベルで-6A/-5Aも確認しています。K/Tがないのでこれはもっと後期のものかもしれません。

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曲目が1曲ずつ縦に並んでいます。こちらも文字の形が違います。マトリクスはXARL-7644-5A/XARL-7645-4Aです。K/Tがあるのでこちらが2番目かもしれません。

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こちらも曲目が1曲ずつ縦に並んでいますが文字の形が違います。今まで右側にあったSide 1が左側へ移動しています。K/Tはありません。マトリクスはXARL-7644-6A/XARL-7645-5Aです。

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ここからステレオです。初回のマトリクスがわからないのでオープン・デッカの3枚はラベルのデザインから予想して順番にあげていきます。マトリクスは私のレコードのものですので一応の参考にしてください。マトリクスはXZAL-7644-4K/XZAL-7645-5Kです。

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上のラベルの左側にあったMirage Musicが規格番号の下へ移動したラベルです。マトリクスはXZAL-7644-5K/XZAL-7645-5Kです。

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マトリクスはXZAL-7644-4K/XZAL-7645-4Kと一番若いですが、タックスコードが68年後半からのJ/Tなのでこのラベルを3番目にあげました。曲目の文字も上の2枚より太くなっています。これより後になると溝が中央に移るので、J/Tでこの溝の形は68年の過渡期のものかと思います。

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70年頃からのボックスト・デッカです。マトリクスはXZAL-7644-6K/XZAL-7645-4Kです。B面の番号がオープン・デッカの時から戻っています。

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かなり後期のラベルです。文字が全体に小さくなり、マトリクスが逆さ文字ではなく正常にクレジットされています。マトリクスはXZAL-7644 7X ∇E D/XZAL-7645-4KとA面が今まで違うものになっています。

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60年代のアルバムとしてはジャケットの細かい変更が最後まで全くなかったというのが珍しいですね。内容は前作の『AFERMATH』同様全曲オリジナルで、より実験的になって来ています。70年代、ストーンズを聞き始めた頃は中途半端な感じがしてあまり聞かないアルバムでしたが、最近は時々聞きたくなる不思議なアルバムです。私はシングル曲が入っていないUK盤の方が好きで、特に「Yesterday's Paper」のいろいろな楽器が入ったキラキラした感じや、「My Obsession」のチャーリーのドラムス、「Who's Been Sleeping Here?」でのミックのボブ・ディランのようなヴォーカル、電子音を加えた「Please Go Home」、「Cool Calm And Collected」のオールド・テイストでストーンズにしては珍しい曲などヴァラエティに富んでいて聞きこむと結構面白いですね!「Connection」のように90年代以降ライヴのレパートリーに加わった曲もありますね。このアルバムは地味なようですが曲作り、アレンジの面でグッと進歩したストーンズを聞ける重要なアルバムだと思います。

ローリング・ストーンズ ベルギー盤にもAサンプラー・プロモがあった!!

ローリング・ストーンズのUKデッカのAサンプラー・プロモは有名ですが、ベルギーにも似たようなデザインのプロモがあります。ベルギーのレギュラー盤は青いラベルですが、プロモ盤は白いラベルになっています。今のところ「We Love You/Dandelion」と「Honky Tonk Wemen/You Can't Always Get~」の2枚を発見しましたが、おそらく全シングルにこのプロモ盤は存在しているかと思います。まずは「Dandelion」です。レギュラー盤ではB面でしたが何故かプロモはA面になっています。右側に規格番号の26.132、左側にMade By Belgiumがあります。マトリクスはXDR 41129/1//XDR 41128/1です。枝番へのハイフンがスラッシュになってるので//がAB面の境です。

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B面のラベルです。規格番号の下のマトリクスの表示やレコードの刻印から見るとこちらがA面のはずなので、もしかしたらAという表示をミスって「Dndelion」側に印刷してしまったのかも知れませんね!

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レギュラー盤のラベルです。プロモはカーヴド・デッカでしたが、レギュラー盤はボックスト・デッカになっています。マトリクスはプロモと同じです。 

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ピクチャー・スリーヴです。ベルギーも他国同様独自のデザインで面白いです。順番から判断して「We Love You」がA面だと思うので、やっぱりプロモのAの文字を入れる盤面を間違えていると思います。

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「Honky Tonk Wemen」です。同じく右側に規格番号のF 12.952、左側にMade By Belgiumがあります。マトリクスはXDR 44283/1//XDR 45284/1です。//がAB面の境です。

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B面のラベルです。

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レギュラー盤のラベルです。こちらもプロモはカーヴド・デッカでしたが、レギュラー盤はボックスト・デッカになっています。マトリクスはXDR 44283/4//XDR 45284/5です。//がAB面の境です。 

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上のラベルの後期プレスです。文字のフォントが違い、Original Recording and Licensed by The Decca Record Company Limitedの文字が追加されています。リムの文字も大きくなっています。マトリクスは手書きでXDR-45283-3/XDR-45284-3です。 

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ピクチャー・スリーヴです。こちらもベルギー独自のデザインです。よく見るとビルの写真が2枚あり、キースがいません。

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ベルギー盤のプロモはこの2枚を買った時に見ただけです。ベルギーは小さな国ですのでラジオ局などもそんなに多くないせいかもしれませんね。ドイツでも白ラベルのプロモがありますがあまり見かけることがないので、ヨーロッパ諸国のプロモは元々プレス枚数が少ないのかも知れません。また、ほとんどの国のプロモはラベルの色が白や別の色に変っただけなのに、ベルギーはレギュラー盤とも全く違うデザインでなんだか特別な感じがしますね。ベルギー盤独自のデザインのピクチャー・スリーヴはまたの機会に紹介します!