ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ 『サタニック』で見るカナダ・ロンドン盤ラベルの変遷!!

前回に引き続きカナダ盤『THEIR SATANIC MAJESTIRS REQUEST』です。今回はレギュラー盤のラベルの移り変わりを紹介します。カナダではこのアルバムでモノラルが終了したため、初期のカナダ・ロンドン盤のラベルの変遷を全て見れるのでこのアルバムを選びました。前回のクラブ・エディション盤とジャケットやラベルを比べてみると面白いと思います。カナダ盤の『サタニック』は1967年12月に発売されました。規格番号はモノラルNP-2、ステレオがNPS- 2です。ジャケットは3Dで、周りの青い色が濃くUSA盤と同じ感じです。またジャケットは80年代まで全て見開きになっています。 

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裏ジャケです。基本的にはUSA盤と同じですが、LONDONのロゴの下のクレジットが違います。

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LONDONのロゴの下の部分です。LONDON RECORDS OF CANADA (1967) LTD.と書かれています。

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右下にモノラルとステレオを判別するクレジットがあります。この部分はUSA盤と同じです。

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背の下の部分です。USA盤と並べてみました。USA盤の方は白い文字でNP-2と書かれていますが、カナダ盤の方は黒い枠に囲まれています。外から見分ける時は裏ジャケのLONDONのロゴの下とこの部分でカナダ盤と分かります。ステレオも同じです。

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専用の紅白のインナーです。

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モノラルのラベルです。マルーンで、上にLONDON ffrrのロゴがあります。左側にSide 1、規格番号の表記はNP. 2となっています。リムの最後にMADE IN CANADAがあります。マトリクスは手書きでARL 8126/ARL 8127-2です。AB面のマトを間違えたのか両面共最後の6と7を間違えて書いて線で修正して直してあります。このマルーンのラベルは65年の『ファースト』から『サタニック』までのモノラル盤で使われています。

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ステレオのラベルです。ブルーのラベルで上にLONDON ffrrのロゴがあります。左側にSide 1、規格番号の表記はNPS. 2となっています。モノラル同様にリムの最後にMADE IN CANADAがあります。マトリクスは手書きでZAL-8126 SIDE-1/ZAL-8127 SIDE-2です。両面共NPS-2というのを線で消してあります。カナダでは66年に『ファースト』から『DECEMBER'S CHILDREN』まで一斉に発売され72年頃までこのブルーのラベルが使われています。

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70年代に発売された3Dではないジャケットです。裏側は3Dと同じデザインです。

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72年頃からのブラック・ラベルです。このレコードは上の3Dではないジャケットに入っていました。ブルーのラベルと文字の配置は同じですが、Side 1の下にSTEREOが追加されています。マトリクスは手書きでZAL-8126-2/ZAL-8127-2です。このラベルは78年のサンセット・ラベルが出るまで使われていました。(78年以前にブルーに戻った説もあり)

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78年からのサンセット・ラベルです。USA盤ではシングルで使われていましたが、カナダではLPも変更になりました。マトリクスは手書きでZAL-8126/ZAL-8127です。86年にデジタル・リマスター・シリーズが出るまでこのラベルが使用されていました。

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83年に配給元がポリグラムに変わり、裏ジャケの一部が変更になっています。LONDONのロゴが中央から左側へ移動し、右側にpolyGramのロゴがあります。中のレコードはサンセット・ラベルのままです。

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ロゴの部分を拡大した写真です。

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ジャケットの色もオリジナル盤と比べると薄くなっていて再発盤はUK盤に近い色合いです。

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カナダではほかに72年にだけプレスされたという『HOT ROCKS』と『MORE HOT ROCKS』だけに赤いラベルが存在します。赤といっても100% VIRGIN VINYLのものではなく、70年代のものです。ロゴの下のSTEREOPHONICという帯がないのでシンプルなデザインです。このラベルの『HOT ROCKS』の方は見た事がありませんが、『MORE HOT ROCKS』の赤ラベルの写真です。これは短い期間の発売だったせいかあまり見かけません。マトリクスは機械打ちでSAHS-1636-2/SAHS-1639-2/SAHS-1637-2/SAHS-1638-2です。このレコードは1枚目がSIDE 1とSIDE 4、2枚目がSIDE 2とSIDE 3と変則的になってるのでマトの順番もその並びになっています。

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(追記)このブログを書いた8ヶ月後の2018年5月にカナダ盤ファーストのステレオ赤ラベルを発見しました。という事はもしかしたら全タイトル発売されたのかも知れません。72年だけの発売だったとしたらかなりプレス枚数が少ないと思いますが今後も他のタイトルも探してみようと思います。ファーストのマトは機械打ちでPS-375A-35/PS-375B-35(37?)です。写真も追加しておきます。

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カナダ盤のラベルはUSA盤のようにside one、SIDE 1などの表記や文字のフォントの違いはあまり見かけません。ラベルの色で見ると65年~72年:モノラルのマルーンとステレオのブルー→72年:一時的に赤『HOT ROCKS』『MORE HOT ROCKS』のみ→72年~78年:黒ラベル→78年~86年サンセット・ラベル→86年以降:ABCKOの100% VIRGIN VINYLと変遷していったようですね!今回は『サタニック』のラベルで紹介しましたが、カナダ盤の他の全タイトルも同じように変わっていきます。ジャケットもUSA盤と同じデザインですが、クレジット等がわずかに違います。カナダのシングル、EPもラベルの色で変化していくのでまたの機会に紹介したいと思います。

ローリング・ストーンズ カナダ・クラブ・エディション THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST!!

ローリング・ストーンズのカナダでのクラブ・エディション盤『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』です。昨年『サタニック』のDiff.カヴァーの時にジャケットの写真だけ載せましたが、今回はジャケットの細かい部分やラベルを紹介します。このレコードはCanadian Book Clubというところから1967年12月(69年説もあり)に通販で発売されました。規格番号はレギュラー盤と同じでNPS-2です。カナダでは唯一のクラブ・エディション盤でステレオしか存在しません。ジャケットはメンバーの部分が普通よりも大きく3Dの画像を2Dで印刷した特殊なものになっています。2Dなので写真は動きません!また、通常のカナダ盤は見開きですがこちらはシングル・ジャケットとなっています。

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右上にPLAYABLE ON MONO EQUIPMENT. FOR BEST RESULTS USE STEREO NEEDLEとモノでも再生可能、ステレオ針だと最高の結果を出せると書かれています。ステッカーにように見えますがジャケットに直接印刷されています。

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裏ジャケです。USA盤と似ていますが、LONDONのロゴの下の住所などのクレジットが全て消されています。またアメリカやカナダ盤は背も含め全面にサイケ調の模様が入っていますが、こちらは背や裏ジャケの元は白くその上に裏ジャケを印刷した紙が貼ってあります。

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USA盤と同じく右下にstereo NPS-2があります。拡大するとダンボ-ルに表側のジャケットの隅の白い部分が巻かれてその上に裏ジャケが張り付けられているのがわかります。

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背の上部に規格番号NPS-2とTHE ROLLING STONESと書かれています。

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背の中央にタイトルが書かれています。

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タイトルの下にLONDON RECORDSのクレジットがあります。

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その下にLITHO IN CANADAのクレジットと四角く囲まれたPというマークがあります。Pの下にも文字がありますが小さすぎてなんて書いてあるのか読めません。

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ラベルです。濃いマルーンのラベルです。カナダのモノラル盤がこの色ですが、こちらはクラブ・エディション専用のステレオのラベルになります。LONDON ffrrのロゴの下にMADE IN CANADAがあります。左側にNPS 2とSTEREO、右側にSide 1と(ZAL 8126)があります。作者やプロデューサーなどのクレジットやリムがなくシンプルなデザインです。マトリクスは手書きでNPS-2-A-4/NPS-4 SIDE-2-4です。レギュラー盤のZAL 8126/7はどこにもなくクラブ・エディション独自のマトになっています。

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B面のラベルです。なお、サタニックについている紅白の専用の内袋は元々なく、レコードは白い袋に入っています。

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このレコードは何といっても3D風に印刷された写真を使ったジャケットが珍品の部類に入りますよね!また、当時通販で安く売るためコストを抑えてシングル・ジャケットになってしまったのかは分かりません。このレコードは自分で買った時に一度見ただけなので、おそらくあまり売れなかったのかと思います。先日、『サタニック』の50周年記念盤が出ましたが、改めて聞くと当時のサイケデリックな空気を感じられる面白いアルバムですよね!通常のカナダ盤はUSA盤と同じ規格番号モノラル、ステレオが発売されていますが、次回は『サタニック』のカナダ盤でラベルの変遷などを紹介します。

ローリング・ストーンズ ドイツ・クラブ・エディション⑪20 SUPER HITS BY THE ROLLING STONES!!

ドイツ・クラブ・エディションの『20 SUPER HITS BY THE ROLLING STONES』です。このレコードに関してはスイス向けのクラブ・エディションという説と、ドイツ国内で発売されたという説がありますが、ドイツ国内では同じアルバムがレギュラー盤で発売されているので、そちらと一緒にジャケットの違いなどをまとめて紹介したいと思います。規格番号はクラブ・エディション盤は34 243 6、レギュラー盤は初版が6.23502 AO、セカンド・プレスが6.23502 APです。発売はクラブ・エディション盤は1979年1月、レギュラー盤は1978年8月とレギュラー盤の方が5か月ほど早く発売されていますが資料によっては両方共78年8月に発売されたという記述もあります。クラブ・エディション盤はEuropaischer Phnoklubというところから発売されました。また、クラブ・エディション盤としては珍しくカセット・テープ(規格番号:68 598 2)も発売されています。ジャケットのデザインは両方とも同じでクラブ・エディション盤はDECCAのロゴの下にClub Editionの文字が入っています。

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DECCAのロゴの下の部分です。Club Editionのクレジットがあります。レギュラー盤の方は何も書かれていません。

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表側左下の部分です。クラブ・エディション盤の方はP1978のクレジットがあります。これを見るとクラブ・エディション盤も78年8月に同時発売された説の方が正しいような気がします。

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裏ジャケです。表側と同じデザインですが、メンバーの写真の両側に曲目が書かれています。

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裏側左上の部分です。クラブ・エディション盤はDecca Club Editionと書かれています。レギュラー盤の方は何も書かれていません。

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裏側右上の部分です。上からクラブ・エディション盤STEREO 34 243 6、中がレギュラー初回盤の6.23502 AO、下がセカンド・プレスの6.23502 APです。クラブ・エディション盤とレギュラー盤のセカンド・プレスの方は番号の下にカセットテープの番号が書かれています。

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裏側下部中央です。上からクラブ・エディション盤、レギュラー初回盤、セカンド・プレスです。この部分のクレジットはそれぞれ全く違います!

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下部右下の部分です。上の写真でセカンド・プレスでLC 0171のクレジットが中央にありましたが、レギュラー初回盤では右下にクレジットされています。

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曲目の部分です。こちらはA面です。20曲も詰め込んだので片面に10曲ずつ収録されています。「Dandelion」で始まるというちょっと変わった選曲です。このアルバムはSTEREOのクレジットがありますが、A面でリアル・ステレオは「Dandelion」「Something Happend To Me Yesterday」「My Girl」「Child Of The Moon」で「Bye Bye Johnny」はモノラル、あとは疑似ステです。

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B面の曲目です。こちらもマニア向けの曲が並んでいます。B面でリアル・ステレオは「Mothers Little Helper」だけで、「poison Ivy」と「Money」はモノラル、あとは疑似ステです。「The Under Assistant~」はエンディングでカットがあるヴァージョン、「Poison Ivy」はUK盤EPのヴァージョンです。

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また、このアルバムにはアメリカ向けの輸出仕様もあり、表側のDECCAのロゴの部分にTELEFUNKENのステッカーが貼られ、メンバーの写真の右側にDIRECT IMPORT FACTORY SEALEDとMADE IN GERMANYと書かれたステッカーが貼られています。

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ラベルです。こちらはクラブ・エディション盤の方です。左側にClub Editionのクレジットがあります。マトリクスは6.23502-01-1/6.23502-01-2です。両面共Munufactured in Germanyの刻印があります。

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B面のラベルです。

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レギュラー盤のラベルです。初回盤とセカンド・プレス共に同じデザインです。他のアルバムではジャケットは変わらずにラベルが変化するパターンが多いですが、このアルバムはジャケットの方が変わって中のレコードは同じままです。Club Editionの文字が消え、左側の下にP1978があります。規格番号も6.23502と変わっています。マトリクスはレコード・クラブ盤と同じで6.23502-01-1/6.23502-01-2です。両面共Munufactured in Germanyの刻印があります。アメリカ向けの輸出仕様のレコードもこちらのラベルです。

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B面のラベルです。

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ドイツ国内で同じレコードが出ていたとは考えずらいので、クラブ・エディション盤はスイス向けという説の方が正しいのかも知れませんね。これは保留にしておきますがもしわかりましたら追記します。このアルバムは何といっても選曲が面白いですね!普段あまり聞けない曲を選んだのか分かりませんが、自分でベスト盤を作ったら絶対にこの選曲にはしないでしょうね(笑)。20曲も入っているのに短い曲ばかりなのであっという間に聞き終えてしまいます。ドイツ・デッカの編集盤は日本と同じでとんでもなく種類が多く面白いものも多いので、クラブ・エディション盤が終わったらだんだんと紹介したいと思います。