ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ UK盤シングル TUMBLING DICE いろいろ!!  

ローリング・ストーンズのUK盤シングル「Tumbling Dice/Sweet Black Angel」です。イギリスではアルバム『EXILE ON MAIN STREET』の先行シングルとして1972年4月14日に発売されました。規格番号はRS 19103です。発売から現在までライヴでは欠かせない重要曲です。レコードはストーンズ・レーベル専用のベロのカンパニー・スリーヴに入っています。USA盤はA面だけモノラルでしたが、UK盤は両面ステレオです。このレコードはラベル違いやセンター・ホールの形違いなどいろいろなヴァリエーションがあります。

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ラベルです。ストーンズ・レーベル専用の黄色いラベルで、このシングルでは上部にサイコロの絵が描かれています。面表示はなく、規格番号RS 19103の下にマトリクスの表記があり、その末尾にAと書かれています。こちらはソリッド・センターでラベル左側のMusidor N.V.がないタイプです。このクレジットがないものが初期型と言われています。リムはラベルの上部にあります。マトリクスは機械打ちでRS 19103-A1/RS 19103-B1です。

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こちらはプッシュアウト・センターでラベル左側のMusidor N.V.が無いタイプです。リムはラベルの上部にあります。プッシュ・アウト・センターの方が後という説が定説ですが、ビルのソロ・シングル「Monkey Grip Glue」ではプッシュアウト・センターで大きくAと書かれたプロモが作られ、ソリッド・センターにはレギュラー盤しか無いのでこれはもう少し研究の余地がありそうです。マトリクスは機械打ちでRS 19103-A2/RS 19103-B2です。おそらく-A1/-B1も存在すると思います。

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上の2枚と同じでラベルにはMusider N.V.が無いタイプですが、センター・ホールが大きいタイプです。最初プッシュ・アウト・センターが抜けたものかと思いましたが、それだと4か所跡が残ってしまい、こちらは円周がきれいに丸くカットされているので別物と判断しました。リムはラベルの上部にあります。マトリクスはRS 19103-A2/RS 19103-B2です。

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こちらは73年から77年までのMusidor N.V.のクレジットがあるタイプです。今までラベルの上部にあったリムが下に移動しています。こちらはソリッド・センターとなっています。マトリクスは機械打ちでRS 19103-A1/RS 19103-B1です。

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上と同じ73年から77年までのMusidor N.V.のクレジットがあるタイプです。リムも同じくラベルの下にあります。こちらはプッシュ・アウト・センターとなっています。マトリクスは機械打ちでRS 19103-A1/RS 19103-B1です。

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Musider N.V.があるタイプですが、右側の規格番号の下にSide 1と面表示が加わったラベルです。おそらくこの面表示があるタイプが後期のプレスだと思います。マトリクスは機械打ちでRS 10103-A2/RS-10103-B2です。

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こちらは面表示Side 1が加わったタイプのプッシュ・アウト・センターのものです。マトリクスは機械打ちでRS 10103-A1/RS 10103-B1と-A2/-B2の両方確認しました。

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おそらく上で紹介したラベル全部にそれぞれマトが-A1/-B1と-A2/-B2のもの両方存在すると思います。WEA時代のUK盤シングルは最後の「Fool To Cry」までソリッド・センターとプッシュ・アウト・センターの両方存在しますが、この「Tumbling Dice」はそれ以外にも結構ラベルのマイナーチェンジがありますね!この曲はキースの5弦オープン・チューニングを中心として独特のノリを出していますね!ミックの歌い方も粘っぽく、女性コーラスも効果的に使われています。ギターはソロも含めキースのギターを数種重ねていると思います。ベースはテイラーと言われていますが、サビの部分などではビルと思われるようなフレーズが聞けますがどうなんでしょうか?ドラムは以前チャーリーとジミー・ミラーのツイン・ドラムという説がありましたが、これってどう聞いてもチャーリーだけですよね!B面はアコースティック調の曲でミックとキースのハモリが聞けます。B面も名曲だし、A面は今でもライヴの定番曲で両面共名曲のいいシングルですよね!

ローリング・ストーンズ 日本盤プロモLP 来日記念特別ダイジェスト盤!!

ローリング・ストーンズの日本盤プロモLP『SPECIAL COUPLING SUNGLE DIGEST(来日記念特別ダイジェスト盤)』です。1973年1月の来日公演に合わせて発売された5枚の来日記念シングルのプロモ盤として作られました。ご存知のように結局来日は中止になってしまい、5枚の来日記念シングルは幻の来日記念盤になってしまいましたね。この5枚のシングルは後にスペシャル・カップリング・シリーズと名を変えて発売されています。これってすごい商売根性ですよね(笑)。このプロモは当時の日本での発売元のキングレコードで73年1月に作られ、規格番号はDY-4801~3です。正確な情報か分かりませんが現存数は10枚だけだそうです。確かにあまり見かけないレコードですが…。ジャケットは白黒でハイドパークでのステ―ジ写真が使われています。薄い紙質でペラ・ジャケのような感じです。

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裏ジャケです。フリップバック仕様になっており、いかにもプロモ盤といったデザインです。来日でヤングは過熱!!という昭和的なコピーが付けられています。その下にアルバムのタイトル(?)『来日記念特別ダイジェスト盤』があります。左下に当時キングから出ていたストーンズのレコードの広告、右下に朝日新聞の社会欄に載ったチケットを買うために徹夜している様子の記事があります。

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印刷ミスか「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」の原題が何故か「JUM JUMPIN' J JUMPIN' JACK FLASH」と変なことになっています。

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左下にキングのカタログがあります。当時は日本独自のベスト盤が多いですね。先日紹介した来日記念盤として発売された『BEGGARS BANQUET』も載っています。

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右下に来日公演の日付と72年12月1日付の朝日新聞社会欄の記事があります。もし、来日が実現していたらブートで聞けるホノルルの演奏みたいだったんでしょうね!当時地方では来日中止後に麻薬だ、なんだと話題になった程度で来日前のこの騒ぎは全く知りませんでした。それだけ東京と地方都市では格差があり、情報が全く無かったんですよね!

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下部中央にロンドンレコードのクレジットがあります。

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右下に非売品と、発売元のキングレコードのクレジットがあります。

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ラベルです。キングの白ラベルです。上にローリング・ストーンズ来日記念発売とあります。その下にスペシャル・カップリング・シングル・ダイジェストとあります。各曲名の前に当時来日記念盤として発売されたシングルの規格番号があります。左側に非売品、右側に規格番号のDY-4801~3と、見本品のクレジットがあります。一番下にマトリクスがあります。マトリクスは機械打ちでSDLBT 2426/SDLBT 2427です。

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B面のラベルです。「Lady Jane」は当時日本盤のベスト盤にもよく収録されていますが日本で人気があったんでしょうね!その他は日本でシングルA面になった曲で構成されています。

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当時のキングではオムニバスのプロモLPにストーンズの曲が1~2曲入ってるのは何枚かありましたが、こうしてストーンズの曲だけで1枚のアルバムとして構成されているのは非常に珍しいと思います。内容もプロモ盤という事を除いてもヒット曲ばかりで究極のベスト・アルバムとしても楽しめます。A面1曲目から4曲目まではモノラルで、A面5曲目とB面はステレオです。当時の日本盤としてはメリハリのあるパンチの効いたいい音が聞けます。このレコードを見ていると本当に来日中止が悔やまれます。もし来日が実現して絶頂期ストーンズの『LIVE IN JAPAN 1973』なんていうアルバムが出ていたら、もっとストーンズは日本で知名度が上がったと思います。以前も書きましたが1学年10クラスのマンモス校にいましたがストーンズを聞いてる人は殆どというか、全くいませんでした。当時のこの来日中止の後何年もストーンズ=麻薬というイメージが定着して初めて会ったロック好きの人とストーンズの話をすると「あぁ、あの麻薬の…」と絶対に言われました。そんな懐かしいこともありましたが、このレコードは希少性はともかくジャケットも内容も素晴らしくサイコーのプロモ盤ですよね! 

ローリング・ストーンズ イタリア盤シングル CON LE MIE LACRIME いろいろ!!

ローリング・ストーンズのイタリア盤シングル「Con Le Mie Lacrime/Heart Of Stone」です。1966年5月2日(一般的には3月16日と言われていますが??)に発売され、規格番号はF 22270です。ご存知の通り「As Tears Go By」のイタリア語ヴァージョンです。ミックがイタリア語で歌い、バックの演奏も違います。1966年3月15日にロンドンのIBCスタジオで録音されたそうです。イタリア語の訳詞を書いたのはダンパという人で、ラベルの作者クレジットに名前を連ねています。この曲は当時イタリアのみのシングル盤で発売されています。ジャケットは65年頃のメンバーの写真が使われています。

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裏ジャケです。メンバーの紹介が書かれています。

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このレコードのラベルは2種類存在します。こちらは初版のカーヴド・デッカのラベルです。作者クレジットにはJagger-Richardの他にイタリア語の訳詞をしたDanpaの名前がクレジットされています。マトリクスは機械打ちでXDRI 34777 A  16-3-66/XDR 34777  16-3-66です。16-3-66の日付の部分は手書きです。 日付のクレジットから考えて一番最初に書いた一般的な発売日の3月16日は間違いで、5月2日の方があっていると思います。おそらくここに刻まれた日付が間違って発売日になってしまったのだと思います。 

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こちらはボックスト・デッカのラベルです。イタリアでは67年3月発売の「Let's Spend The Night Together」までカーヴド・デッカ、67年8月発売の「We Love You」からボックスト・デッカとなっているのでその間にデッカのロゴが変更されたと思います。上のラベルと比べると文字の大きさやクレジットが大幅に変更されています。マトリクスは上と同じです。

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また、細かいことですが裏ジャケのレコード取り出し口に切り込みがあるものと無いものがあります。切り込みの有り無どちらが初期型か、また印刷所の違い等現時点では不明です。

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また1973年5月(71年説もありますが…)にはセカンド・ジャケが登場します。こちらはミックのステージ写真になっています。

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裏ジャケです。こちらも初回盤とは全く違ったデザインになっています。下にストーンズのレコードのカタログがあります。ここにイタリアで72年10月に発売された『ROCK'N ROLLING STONES』が載っているので71年発売説は間違っていると思います。

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ボックスト・デッカですがラベルも薄い青になり、リムも違ったものになっています。マトリクスは機械打ちでXDRI 34777 A  16-3-66/XDR 34777  8/5/73です。A面の日付の部分だけ手書きです。B面の日付から考えて73年発売で間違いないと思います。

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イタリアでは白ラベルのジュークボックス用のレコードが多数作られていますがこのシングルもジュークボックス用のレコードが存在します。最初の発売より少し前の66年4月5日に配られたという資料があります。規格番号は45-F DJB 1となりB面が「Heart Of Stone」ではなく、「Talkin' About You」に変更されています。イタリアのジュークボックス用のレコードはタイトルによってB面が違っていたり、違うアーティストのものもあります。このレコードにはピクチャースリーヴの真ん中をくり抜いたジャケットのものもあります。おそらく初期の一部に付けられていたのかと思います。ジャケットのB面は「Heart Of Stone」のままです。

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裏側です。B面は「Talkin' About You」です。

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ラベルです。カーヴド・デッカの白ラベルです。マトリクスはきか機械打ちでXDRI 34777 A  16-3-66/ARL 6974/1  5-4-66です。両面共日付の部分は手書きです。B面の日付が4月5日で、先に書いた配られたという日付と同じなのでこれも怪しくなってきますね! 

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77年か78年頃に出たボックスト・デッカの白ラベルです。こちらはA面にOLYMPIC RUNNERSというアーティストの「Keep It UP」という曲が収録されています。この曲は1977年に発売された曲だそうです。規格番号はDSP 101です。マトリクスはZCL 8207  25-11-77/XDRI 34777 A  16-3-66でストーンズ側のマトは同じです。また、このシングルには文字だけのデザインのプロモ用のジャケットが存在しますが売られていたのを1度しか見た事が無く持っていません。

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82年にヨーロッパ・ツアーのイタリア公演を記念して4枚のプロモ・シングルが入ったボックスが作られましたがその中の1枚に「Con Le Mie Lacrime」があります。こちらはA面が「Satisfaction」になっています。ラベルにステレオとクレジットされていますがモノラルです。マトリクスは機械打ちでXDR 35801/XDRI 34777 A 16-3-66でこの「Con Le Mie Lacrime」は最後まで同じマトが使われていたことになりますね!このシングルはボックスに4枚まとめて入っているものと単品のものが存在します。デッカからは4曲選ばれましたがこの曲が入っているという事はイタリアの人にとってこの曲は特別なものなのかもしれませんね!

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発売から50年を記念して2016年に再発されたシングルです。同時期のモノ・ボックスの特典の9枚のシングルはMade in GermanyでしたがこのシングルはMade in the EUとなっているので特典とは別にリリースされたようです。規格番号は0602557019643です。ジャケットはオリジナル盤と同じデザインですが厚紙で写真もコピーしたような感じになっています。専用のビニール袋の左上にイタリア語で書かれたシールが貼られています。B面はオリジナル同様「Heart Of Stone」です。

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裏ジャケもオリジナル盤と同じデザインです。バーコードと下部にいろいろなクレジットが追加されています。

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ラベルです。カーヴド・デッカですが右側にABCKOのロゴがあります。ラベルにはXDRI 34777という今までのマトの逆さ文字が書かれていますが、レコードのマトは手書きでBG 45607 01 A1  5701964/BG 45607 01 B1  5701964と全く違ったものとなっています。

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当時はビートルズもドイツ語の「She Loves You」や「抱きしめたい」があり、現地語で録音するのが流行ったんでしょうか?フランス・ギャルやシルビー・ヴァルタンも日本語で録音していますね。このストーンズのこのイタリア語のヴァージョンはどういったいきさつで録音されたのか不明ですが、英語版とはバックの演奏も全く違うので貴重だと思います。私は77年頃に『SHADES OF ORENGE』というブートレグでこの曲を初めて聞きましたが当時はイタリアで正規発売されていたことを知らず未発表曲だと思っていました。このアルバムには『サタニック』の未発表曲だといってTHE ENDの曲が収録されていたりしましたね(笑)。当時は情報が無かったし本気にして聞いていました。イタリア以外では80年代に入ってから発売され、2016年のモノ・ボックスでやっとCD化されましたね。ブートではハープシコードがオーバーダビングされる前のテイクも聞くことが出来ますが、このハープシコードを弾いているのはMike Leanderという人らしいです。また、この曲は2006年7月11日にミラノでライヴ演奏もされていてブートで聞くことが出来ます。ストーンズの長い歴史の中でイタリア語の歌というのはこれしかないので珍品ともいえる曲ですよね!