ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ 2度も間違えたSTONESミスクレジット!!

私は15年ほど前にUK、USAのラベルのデザイン違いをコレクションされているT様とお知り合いになりお互いに持っているラベルの画像を交換していました。これはその時にT様に教えて頂くまで全く知らなかったことです。1963年1月11日に発売されたイギリスでの2枚目のシングル「I WANNA BE YOUR MAN」のB面の「STONED」の初回盤は「STONES」とミスっていることは有名ですが、これには2種類のミスが存在します。順を追って紹介したいと思います。まずはタイトルが「STONES」とミスっているラベルです。プレス枚数は1000枚とも言われていますが実際にはもっと出回っていると思います。マトリクスは全てXDRF31954-T1-1T/XDRF-31955-T1-1Tです。

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タイトルが「STONES」とミスっている部分です。このラベルは規格番号の上のマトリクスの逆さ文字の部分が31955と正確にクレジットされています。

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こちらはもう一枚の「STONES」とミスったラベルです。文字の配置が上のラベルと全く同じですが、よく見るとマトリクスの逆さ文字が31954と間違えてクレジットされています。

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規格番号の上のマトリクスの逆さ文字の部分です。XDR.31954とA面の番号が間違ってクレジットされています。このラベルはタイトルとマトリクスの両方間違えていることになります。これでこの「STONES」には2種類のパターンがある事がわかります。

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ちなみにこのB面のマトリクスが間違っているレコードだけA面の「I WANNA BE YOUR MAN」側のマトリクスがXDR.31955と間違って印刷されています。B面のマトリクスが正しいラベルはA面のマトリクスも正しいです。

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規格番号の上のマトリクスの逆さ文字の部分です。B面の番号が印刷されています。

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下の写真は「STONED」と修正されたラベルです。タイトル、マトリクス共に正確なクレジットとなっています。

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「STONED」の部分です。マトリクスの逆さ文字も正確です。3度目でやっとタイトル、マトリクスの逆さ文字ともに正確なクレジットでリリースされたことになります。両面ともここまでの3枚はカッコ無し、K/Tなどの表記の位置は全く同じですのでタイトルとマトリクスの表記だけ変ったことになります。 

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ミスクレジットの2枚のうちどちらが最初に出たのかは不明ですが、プロモをみるとタイトルは「STONES」ですがマトリクスは正しいので、これから考えるとおそらくタイトルがミスっていてマトリクスが正しいのが初回盤、タイトルとマトリクスの両方ミスっている方がセカンド・プレスではないでしょうか?プロモ盤の写真です。タイトルが「STONES」とミスっていて、マトリクスは正確です。

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しかし同じシングルで2度もミスっているとは面白いですね!「STONED」に至るまでにカッコ無し、タックスコードや出版社の位置が3枚とも全く同じなので慌てて修正したのでしょうか?私はT様からこの情報を頂き、同じラベルでもここまで細かく見ておられるとはスゴイ!と思いました。T様には本当にお世話になり貴重な情報も多数頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。私もその後いろいろと意識して見るようになり各国盤でタイトルなどのミス・クレジットを発見しましたがそれもまたの機会に紹介したいと思います。

(お詫び)

12月20日~21日にアクセスしてくださった方へ。2番目の画像が間違っていました。申し訳ございませんでした。正しい画像をアップしましたのでよろしくお願い致します。

ローリング・ストーンズ イスラエル盤 BIG HITSいろいろ!!

ローリング・ストーンズのDiffカヴァーで有名なイスラエル盤の『BIG HITS』です。規格番号はISK 1022で曲目はUK盤と同じです。1966年の終わりに発売されました。このイスラエル盤は独自のジャケット・デザインでいろいろなヴァリエーションが存在します。イスラエル独自の階段のジャケットは細かい違いが3種類ありますが、どのジャケットが初版なのか分かりませんが裏ジャケのデザインが古そうなタイプから行きます。タイトルは3種類とも『BIG HITS VOL.1』となっています。ジャケットは全て表側がコーティングされています。他国のような中の写真集は無くシングル・ジャケットとなっています。またレコードのラベルは全て同じデザインなので最後に載せます。こちらのジャケットは左側にイスラエルのレーベルPAXのロゴがあります。UK盤のようにジャケットの左上の白枠にMONO STEREO ISK-1022とクレジットがあります。レコードのマトリクスは機械打ちでXZAL-7503-3W/XZAL-7504-3Wです。

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裏ジャケです。フリップバック仕様になっています。右上にMONO STEREOとISK-1022があります。文字等は全て黒です。UK/USA盤のブックレットに書かれていたアンドリュー・オールダムの文が印刷されています。

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上のジャケットから白枠が消え表側全体が写真になっています。白枠がなくなったので規格番号とSTEREO & MONOがジャケットの左下へ移動しています。PAXのロゴも右側に移動しています。レコードのマトリクスは機械打ちでXZAL-7503-3W/XZAL-7504-3Wです。

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裏ジャケです。フリップバックではなくなり、写真が赤みがかっています。グループ名が青に変わり、その他の文字は黒です。中央下部にあったPAXのロゴとPRODUCT OF SYMPHONIAのクレジットが右側に移動しています。また、左下にA-B Offset Printing Co.と印刷所のクレジットがあります。 

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こちらは写真が反転しているジャケットです。右下にイスラエルのレーベルPAXのロゴと、規格番号ISK 1022、STEREO⇔MONOのクレジットがあります。何故反転したのか分かりませんがこちらが最初で一番最初に挙げたのが3番目という説もあります。レコードのマトリクスは機械打ちでXZAL-7503-3W/XZAL-7504-3Wです。

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裏ジャケは2番目と同じですが写真とグループ名がピンクに変っています。フリップバックではありません。画像ではわかりずらいですがこのジャケットだけレコード取り出し口の真ん中が丸くカットされています。こちらも左下にA-B Offset Printing Co.と印刷所のクレジットがあります。 

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最初のジャケットと2、3番目のジャケットの左上の部分です。最初のジャケットだけここに規格番号とMONO STEREOがあります。

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ジャケット右側の部分です。左から1番目、2番目、3番目のジャケットです。2番目はロゴに下の写真が透けています。3番目はロゴの下に規格番号とSTEREO & MONOとあります。

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ジャケット左側の部分です。左から3番目、2番目、1番目のジャケットです。2番目は規格番号とSTEREO & MONOとあります。1番目はPAXのロゴがあります。

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リア・カヴァーの右上の部分です。上から1番目のフリップバックになっているジャケット。次が2番目、3番目のフリップバックではないタイプです。文字の配列が違います。

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これはUSA盤と同じフロント・カヴァーのものです。規格番号はISK-1022のままです。左下に規格番号とPAXのロゴがあります。USA盤と同じデザインですが中のブックレットは無くシングル・ジャケットです。レコードのマトリクスはこれだけXZAL-7503-1A/XZAL-7504-1Aです。マトから考えるとこれが最初に発売されたのかもしれません。

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曲目の部分です。

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裏ジャケです。こちらはイスラエル独自のミックのステージ写真になっています。フリップバック仕様、曲目とアンドリューの文が印刷されています。

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こちらはUK盤と同じジャケットです。規格番号はISK-1022のままです。タイトルの右下にISK 1022、ジャケット左下にPAXのロゴがあります。UK盤と同じデザインですが中のブックレットは無くシングル・ジャケットです。レコードのマトリクスは機械打ちでXZAL-7503-3W/XZAL-7504-3Wです。

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裏ジャケです。UKのリア・カヴァーと文字の配置等同じですが白黒で粗い写真になっています。右上にISK 1022、左下にPAXのロゴがあります。PRODUCT OF SYMPHONIAのクレジットの下にイスラエル語で何か書かれています。

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ラベルです。上の5種類のジャケット全てに同じレコードが入っています。こちらはA面です。

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こちらはB面のラベルです。

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また、イスラエルでは『No.2』のジャケットに『BIG HITS』のタイトル、グループ名が書かれたステッカーを貼って発売されたレコードもあります。ジャケットが足りなくなったのか分かりませんが応急処置的なものだったのではと思います。

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ステッカーの部分です。

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ジャケット左上にSTEREO & MONOのシールが貼られています。

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裏ジャケです。こちらは右下の曲目の部分にステッカーが貼られていますが、タイトルの『No.2』が見えてしまっています。

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曲目の部分です。ライナーはそのままだし応急処置とはいえ何だか適当ですよね!

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イスラエル盤は独自のジャケットが数多くありますね。『AFTERMATH』は独自のものとUK盤と同じものの2種類出ていますが、この『BIG HITS』は5種類と何故こんなにいろいろあるのか謎ですね~。これらの発売時期についてはまだまだ研究の余地がありそうですね。余談ですがイスラエルではこの階段の写真を『OUT OF OUR HEADS』のジャケットでも使っています。こちらも別の機会に紹介したいと思います。

ローリング・ストーンズ SATISFACTIONで見るUKデッカのラベルの変遷!!

同じタイトルのレコードでも発売時期によっていろいろなラベルのデザインがあります。ここではUKデッカのシングル盤のラベルの変化を紹介します。一番変化があった「Satisfaction」のラベルで見てみました。これはAサンプラー・プロモと呼ばれているプロモ盤です。A面に大きくAの文字があります。20-8-65と発売日のクレジットがあります。B面は「The Spider And The Fly」です。オレンジ色のデッカのカンパニー・スリーヴに入っています。マトリクスはDRF-35801-T1-1C/XDRF-36110-T1-1Cです。

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白ラベルのテスト・プレスです。タイプライターのようなもので曲名とグループ名が書かれています。マトリクスは上のプロモ盤と同じです。B面はAの文字が無く曲目、グループ名は書かれていません。

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ここからレギュラー盤です。初期のものはオレンジ色のカンパニー・スリーヴに入っています。

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レギュラー盤のラベルです。オープン・デッカ、その下にMADE IN ENGLAND、THE DECCA RECORD CO. LTD.があります。右側に規格番号F.12220、その上にマトリクスが逆さ文字で印字されています。マトリクスはプロモ盤と同じくDRF-35801-T1-1C/XDRF-36110-T1-1Cです。また「Satisfaction」は65年の発売ですのでクレジットがP1965と簡略化されてしまいましたがそれ以前の発売のシングル盤はRECORDING FIRST PUBLISHED 1963とか1964とクレジットされています。

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B面は「The Spider And The Fly」です。ラベルにあるBIEMは録音権協会国際事務局で録音権を管理する団体のことです。NCBはデンマークを拠点とする録音権の契約団体(日本でいうとJASRAC)のことです。GEMAはドイツの著作権管理団体のことです。また、左側にタックスコードK/Tがありますがこのタックスコードは発売時期によって変化し、ストーンズ関係でいえば63年1月1日~7月30日がM/T、63年7月1日~68年の終わり頃までがK/T、68年の終わりから73年3月30日がJ/Tとなっていて特にアルバムはプレス時期の目安になります。デビュー曲の「Come On」が63年6月7日発売でM/Tと重なる時期はたったの3週間だったので、M/Tとクレジットされている「Come On」が正真正銘のオリジナルという事です。話がずれてしまいすみません。

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最初のラベルとは曲名とグループ名の文字のフォントが違います。プロデューサー・クレジットも2行になっています。マトリクスの逆さ文字にカッコがあります。K/Tなど他の表記の位置も違います。マトリクスはDRF-35801-T1-1C/XDRF-36110-T1-1Cです。

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一番最初のラベルと同じデザインですがマトリクスの表記にカッコがあります。また、今までグループ名の下がProduced By Andrew Loog Oldhamクレジットだったのが、ここではProduction:Impact Soundと変更になっています。マトリクスはDRF-35801-T1-1C/XDRF-36110-T1-3CとB面の枝番が進んでいます。オープン・デッカではこの他にもカッコの形やP1965やタックスコードの位置などが違うものがありますが挙げきれないのでここでは省略します。

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B面が「The Under Assistant West Coast Promotion Man」となっている輸出仕様があります。A面は上のラベルと同じデザインですが、マトリクスのカッコ無しとカッコ有りが存在します。マトリクスはDRF-35801-T1-1C/XDRF-36261-T1-2CとB面が違ったものになっています。

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デンマークで作られたジャケットです。レコードは上の輸出仕様のUK盤が入っています。余談ですがタイトルをcan't→canとミスっていて逆の意味になっています(笑)。

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 66年の終わりからボックスト・デッカと呼ばれるデッカのロゴが四角で囲まれたロゴに変ります。同時にカンパニー・スリーヴも青の渦巻きのデザインに変ります。

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ボックスト・デッカに変ったラベルです。MADE IN ENGLAND、THE DECCA RECORD CO. LTD.も横一直線に表記されています。マトリクスは逆さ文字、プロデューサー・クレジットに戻っています。マトリクスはDRF-35801-T1-1C/XDRF-36261-T1-2Cです。A面が同じデザインでB面が「The Spider And The Fly」と「The Under Assistant West Coast Promotion Man」の両方存在します。「The Under Assistant~」の方のマトリクスはXDRF-36261-T1-2Cです。

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上のラベルとは作曲者クレジットのフォントが違い、マトリクスも逆さ文字ではなくなったラベルです。こちらは70年代に入ってからのものと思います。マトリクスはDRF-35801-T1-1C/XDRF-36110-T1-1Cと最初に戻っています。

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珍しいソリッド・センターのラベルです。ここから後はB面が全て「The Under Assistant West Coast Promotion Man」です。マトリクスはDRF-35801-T1-2T/XDRF-36261-T1-1CとA面が2Tに変り、B面が1Cに戻っています。68年と書かれた資料もありますがラベルのデザインからして70年代中期だと思います。

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80年(70年代後半説もあり)に出た青いラベルです。今までとはデザインが全く違ったものになっています。マトリクスはF12220 A//1∇ED 1 1/F12220 B//1∇ED 1 1です。両面とも最後の1 1は離れています。

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「Stisfaction」だけに存在する81年のシルヴァーのラベルです。他のタイトルは上と同じブルーのままでした。マトリクスは上と全く同じF12220 A//1∇ED 1 1/F12220 B//1∇ED 1 1です。

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82年に出たソリッドセンターのラベルです。DECCAのロゴもオープン・デッカに戻っています。MADE IN ENGLANDはありません。カンパニー・スリーヴもオレンジ色に戻りましたが、60年代とはビミョーに違います。マトリクスはF 12220 A-1/F 12220 B-1です。

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これ以降の単発ものやシリーズものはMade In EUになってしまうので省略します。大まかに紹介してきましたが、66年後半まではオープン・デッカ、66年後半以降はボックスト・デッカに分けられます。以前触れたEP同様、80年に青いラベル、82年のソリッド・センターのオープン・デッカと変わっていきます。今回プロモも紹介しましたが、デッカのプロモ盤の変化や輸出用のプロモ・シングル等はまたの機会に触れます。