ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ フランス盤 TUMBLING DICE!!

ローリング・ストーンズのフランス・シングル盤「Tumbling Dice / Sweet Black Angel」です。1972年4月14日に発売され、規格番号はRS 19103です。フランスでのローリング・ストーンズ・レコードの販売元はFILIPACCHI MUSICという会社です。フランスでは各国盤同様専用のベロスリーヴで発売されましたが、フランス独自にアレンジされたベロスリーヴとなっています。上部にROLLING STONESとグループ名があります。ベロの先端にベロマークがあるというユニークなデザインです。ベロ・スリーヴの場合レコード取り出し口は上からが多いですがこのフランス盤は右側です。

右上に規格番号RS 19103とおそらく価格コードと思われるJがあります。

左下にベロマークがあります。コーナーは丸くカットされています。

裏側です。こちらはベロが左右反転していますが上部にグループ名があるなど同じデザインです。右上の規格番号の部分も表と同じです。文字の配置や黒いベロマークなどフランスというお国柄かなんとなくおしゃれな感じですね。

右下の部分です。ベロマークとフランスでの販売元のWEA FILIPACCHI MUSICのクレジットがあります。縦書きのimprimer graphicolorは印刷所のクレジットです。

このフランス盤のスリーヴは裏側のレコード取り出し口は切り込みがあるタイプとないタイプの2種類あります。中に入っているレコードのラベルから判断して、切り込みが無い方が初期型で、切り込みがある方が後期型だと思います。

ラベルです。上部にダイスのイラストがあります。左側に回転数、プロデューサー・クレジット、面表記、Ⓟ1972、フランスの著作権管理団体のSACEMのロゴがあります。右側にベロマークと規格番号のRS 19103とマトがあります。リムの最後にMADE IN FRANCEがあります。マトリクスは機械打ちでRS 19103-A2/RS 19103-B2です。両面に手書きでROLLING STONES RECORDSと書かれています。

B面のラベルです。

こちらはダイスが一回り小さくなっているラベルです。この小さいダイスのラベルがセカンド・ラベルといわれています。規格番号とマトは左側に移動しています。上のラベルにあった回転数と面表記がありません。プロデューサー・クレジットも右側のベロマークの下へ移動しています。グループ名、曲目は上のラベルよりも太い文字となっており、グループ名が上にあります。リムの最後にMADE IN FRANCEがあります。マトリクスは手書きで19103 AS 1/RS 19103 BS 2です。枝番のAとBの後にSが追加されているのが後期型のマトの特徴です。

B面のラベルです。

マトが初期型と後期型で全く違いますが、いつ頃後期型のラベルに変わったのかは不明です。このフランス盤の特徴は何といってもベロ・スリーヴにグループ名を入れたりして独自にアレンジしたことだと思います。ベロの先端にベロマークがあるというのもユニークですよね!「Tumbling Dice」はステレオで収録されています。このルーズなノリはストーンズにしか出せない独特なものでイントロのギターのフレーズやドラムの入り方、ミックのヴォーカルなどどれをとっても素晴らしいですよね。「Sweet Black Angel」はミックとキースが全編にわたってハモっているアコースティックな曲でこのシングルは両面共私の好きな曲です。

ローリング・ストーンズ イタリア盤 STICKY FINGERS いろいろ!!

ローリング・ストーンズのイタリア盤『STICKY FINGERS』です。イタリアではローリング・ストーンズ・レコードの配給元が71年からDISCHI RICORDI 、75年からWEA、78年からEMI-ITALIAへと変わっており、その都度ジャケットの細部や規格番号、ラベルが変化しているので順を追って紹介しようと思います。最初はDISCHI RICORDIからリリースされたオリジナル盤です。1971年4月26日に発売され、規格番号はCOC 59100です。イタリアでは初回盤のみ本物のジッパーが付けられています。レコードはジャケットの上部から取り出すようになっています。

ジッパーの部分です。

75年12月に発売されたWEA盤です。規格番号はW 59100に変わります。また79年12月に発売されたEMI-ITALIA盤も表側は全く同じジャケットなので同時に話を進めていきます。EMI盤は規格番号は3C 064-63152です。ナント、このWEA盤とEMI盤はジッパーがありません。ジッパー自体が無くチャックが開いたようなイラストになっています。ジッパーが本物ではなく印刷の国は結構ありますが、ジッパーそのものが無くチャックも空いているようなデザインはあまり見かけません。WEA盤はグループ名とタイトルの部分が明るいピンクのものもあるそうですが未確認です。レコードはWEA盤は上から、EMI盤は横から取り出すようになっています。また、ベネズエラ盤の『スティッキー』の表側もこれと全く同じです。

チャックのイラストの部分です。これはちょっとひどいですよね!

裏ジャケです。DISCHI RICORDI盤、WEA盤、EMI盤それぞれ共通点が多いので細かな違いを挙げて同時に見ていきます。

DISCHI RICORDI盤の裏ジャケ右上に小さくMADE IN ITALYとあります。WEA盤はこの部分には何も書かれていません。

EMI盤の右上の部分です。stereoと規格番号の3C 064-63152があります。

裏ジャケ左上の部分です。左がDISCHI RICORDI盤で、右がWEA盤です。それぞれの会社名とDISCHI RICORDI盤は住所、WEA盤はMADE IN ITALYと書かれています。EMI盤はこの部分は何も書かれていません。

右下にベロマークがあります。下がEMI盤でMade in Italy by EMI Italiana Spaのクレジットがあります。

3つの会社に各国と同じシートが付けられています。EMI盤だけレコードを入れるインナーになっています。WEA盤は新聞のチラシのようなツルツルした紙質です。

反対側の部分です。スペイン盤は各クレジットがスペイン語で書かれていましたがこのイタリア盤は全て英語で書かれています。

右下のそれそれの会社の規格番号の部分です。COC 59100→W 59100→3C 064-63152と変わっていったのが分かります。 

DISCHI RICORDI盤とWEA盤はDISTRIBUTED BY KINNEY RECORD GROUP INTERNATIONALのクレジットがあります。

EMI盤はDISTRIBUTED BY EMI Italiana Spaのクレジットがあります。

ラベルです。DISCHI RICORDI盤のラベルです。UK盤と似たデザインとなっています。左側にSTEREOと回転数の33 1/3 GIRIがあります。右側に規格番号とマト、面表記があります。面表記がLato 1/Lato 2です。「You Gotta Move」を含め全曲Jagger-Richardとなっています。ただ出版社は1~4がMirage Musicとなっているので、この時点で正確な作者が分からなかったのではと思います。マトリクスは機械打ちでCOC-59100-1/COC-59100-2です。両面に手書きで15.4.71の日付が書かれています。

B面のラベルです。

WEA盤のラベルです。こちらはUSA盤のようなラベルです。左側にSTEREOと回転数、ベロマークがあります。右側に規格番号、マト、面表記、パブリシャーの1971があります。「You Gotta Move」の出版社クレジットはCopyright Controlとなっています。一番下にMADE IN ITALY BY WEA ITALIANAがあります。マトリクスは機械打ちでS59 59100♢1L  17 12 75/S59 59100♢2Lです。両面に機械打ちで17 12 75の日付があります。

B面のラベルです。

EMI盤のラベルです。再びUK盤のようなラベルになっています。中央の穴の周りに面表記、ベロマーク、規格番号などのクレジットが集中しています。「You Gotta Move」はこのラベルで初めてFred McDowellの名前がクレジットされています。マトリクスは機械打ちで63152-A/63152-Bです。両面に機械打ちで20-12-79の日付があります。3つの会社全てに日付があるのでいつ変更されたのか分かって便利ですよね!

B面のラベルです。

最初にこのイタリア盤を見たのはWEA盤で、規格番号がWで始まるのでどこの国だろうと思いジャケットを見るとジッパーが無いので最初は外れたのかと思いましたが、元々無くチャックもイラストで半開きのようなデザインでビックリしたのを覚えています。各国盤『スティッキー』の中で一番ひどいジャケットではないでしょうか!ヴェネズエラ盤もこれと全く同じジャケットが使われているので両国で一体何があったのか分かりません(笑)。COC規格のイタリアのオリジナル盤のDISCHI RICORDI盤を見つけたのは相当後で、最初の4年位はちゃんとジッパーが付いていたんだと確認しました。ジッパーひとつとっても各国でこんなにも違うとは面白いですよね!

ローリング・ストーンズ エクアドル盤 THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST!!

ローリング・ストーンズエクアドル盤『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』です。エクアドルではナント1975年に初めて発売され、規格番号はLP 30088です。エクアドルでの配給元はIFESAという会社です。このエクアドル盤は各国盤とは違いジャケットの上部に小文字でタイトルが、下部に大文字でグループ名がある独自のジャケです。バックの白い雲のような模様の中に白いタイトル文字が重なって不思議な雰囲気を出しています。エクアドル盤は3Dのジャケットではなく普通の写真です。ジャケットはシングル・ジャケで表側だけコーティングされています。 

上部にESTEREOがあります。

右下にロンドンのロゴと規格番号があります。資料本「WORLDWODE Ⅲ」ではこの規格番号がLP 30091と間違っています。 

裏ジャケです。3面フリップバック仕様となっています。上半分にタイトルと曲目があります。他のエクアドル盤同様オリジナルのデザインではなくレコードのカタログとなっています。この広告に載っているレコードはストーンズではなく現地のアーティストなのか見た事が無いレコードばかりです。

曲目の部分です。面表記はLado Uno / Lado Dosとなっています。タイトルは各国盤同様全部小文字でフォントも同じです。

曲目の右側にロンドンのロゴと規格番号があります。

裏ジャケ左下に小さな文字で"DISENADO E IMPRESO EN CROMOS S.A. / GUAYAQUIL-ECUAROR"とあります。これはCROMOS S.A.という会社でデザインして印刷されたという意味です。GUAYAQUILはグアヤキルと読みエクアドル最大の都市です。

ラベルです。エクアドル・ロンドンの赤いラベルです。上部にESTEREOとロンドンのロゴとタイトル、グループ名があります。左側にⓅ1975とマトが、右側に面表記と規格番号があります。曲目は中央揃いになっています。作者クレジットのキースの綴りはRichardsとなっています。エクアドル盤だけの特徴として曲目の最後に隠しトラックの「Cosmic Christmas」のクレジットがあります。このトラックはビルが「We Wish A Chistmas」の回転数を落としたものに発信機の音や太鼓などを加えたものです。マトリクスは手書きで4339-LON-12-S-1/4340-LON-12-S-1です。

B面のラベルです。

このエクアドル盤は音圧が低く音もややこもった感じであまり良くありません。いやしかしこのエクアドル盤の特徴はジャケットにタイトル、グループ名が入っていることと、何といってもラベルに隠しトラックの「Cosmic Christmas」のクレジットがある事です。『サタニック』の各国盤の中でこの曲のクレジットがあるのはこのエクアドル盤だけだと思います。裏ジャケがレコードのカタログになっているのも珍しいです。エクアドルでのストーンズのデッカ時代のレコードはこの他に73年に『ファースト』『VOL.2』『GIMME SHELTER』が発売され、その後75年にこの『サタニック』『AFTERMATH』『BIG HITS』『ROCK'N ROLLING STONES』が発売されています。デッカ時代のレコードはこの6枚だけで、ストーンズ・レコード以降は71年に『STICKY FINGERS』が発売されていますが、『SOME GIRLS』や『TATTOO YOU』などが抜けていて全タイトル発売されていません。60年代のエクアドルではストーンズのレコードが全く発売されていなかったとは意外ですよね!