ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ブライアン・ジョーンズ JOUJOUKA③ 日本盤いろいろ!!

ブライアン・ジョーンズの『JOUJOUKA』第3回目です。今回は日本盤を紹介します。日本では71年にワーナー・パイオニアから、79年には東芝EMIから発売されています。最初はワーナー・パイオニア盤からいきます。ワーナー・パイオニア盤は1971年12月に発売され、規格番号はP-8176Sです。ジャケットは英米と同じデザインで見開きです。ジャケットはUSA盤と似た感じでツヤツヤしています。『ブライアン・ジョーンズ/イン・マジカル・モロッコ』と邦題が書かれた帯が付いています。キャッチコピーは「400年の伝統を誇るロック・バンド????ストーンズの亡きギタリストが残した貴重なる遺産」という面白いものです。確かにジャジューカの音楽は15世紀から続いているらしいですが、それをロック・バンドに当てはめるとは…?この頃はまだワールド・ミュージックっていう言葉もなかったですよね!

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裏ジャケです。

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裏ジャケ右上の部分です。ベロマークとP-8176S STEEREOがあります。

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右下に当時の値段2000円があります。

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見開きの内側は英米と同じデザインです。見開き右側の白いラインのところにWARNER BROS-PIONEER CORPORATION. Made in JAPANとあります。

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上の続きに1971・12とあります。

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解説書は英米ではジャケットよりも一回り小さかったですが、日本盤はLP大の大きさです。UK盤の最初のシートのようにブライアンのサインが無いタイプです。

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見開きの内側は日本語の解説があります。

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解説の最後に曲名が載っています。この曲名どこかの資料で見たような記憶がありますが、どこで見たのか記憶にありません。

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解説書の最後のページです。

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ラベルです。他国同様ベージュのラベルです。タイトル、ベロマーク、面表記やSTEREOなどの文字の配置はUK盤と全く同じです。右側に規格番号P-8176Sがあります。マトリクスは機械打ちでP-8176S1  1-A-?  (1)/P-8176S2  1-A-?  (1)です。?の部分は判読不能です。両面にJISマークがあります。

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B面のラベルです。

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こちらはプロモ盤の青ラベルです。右側の規格番号の上に大きく見本盤とあります。マトリクスはレギュラー盤と同じです。

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B面のラベルです。

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ここから東芝EMI盤です。ストーンズ・レーベルの過去のカタログが一斉に再発された後の79年10月5日に、『JUMMING WITH THE EDWARD』(ESS-63006)、ビルの『MONKEY GRIP』(ESS-63007)『STONE ALONE』(ESS=63008)と一緒に発売されました。規格番号はESS-63009です。ジャケットはオリジナルと同じデザインです。当時のEMIのストーンズのレコードと共通の緑色の帯が付けられています。邦題はワーナー・パイオニア盤と同じで『イン・マジカル・モロッコ(ジャジュカ)』です。

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表側のタイトルの上に規格番号とSTEREOがあります。この場所にクレジットがあるのは各国盤の中でも珍しいです。

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裏ジャケです。

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裏ジャケ右上に東芝EMI株式会社とMADE IN JAPAN、そして当時の値段の¥2000があります。

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シートです。EMI盤は見開きではなく一枚の紙になっています。表側は池田裕司氏のライナーがあります。

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シートの裏側です。東芝盤はブライアンの写真はありません。

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ラベルです。他のストーンズ・レーベル同様イエロー・ラベルとなっています。基本的な文字の位置は各国盤と同じです。マトリクスは機械打ちでESS-63009-A 1S/ESS-63009-B 1Sです。両面共JISマークがあります。

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B面のラベルです。

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東芝EMI盤は白ラベルのプロモ盤もあります。プロモは帯の値段のところに「見本(非売品)」のシールが貼られています。

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裏ジャケ右上にも見本のシールが貼られています。

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白ラベルの見本盤です。ラベルの右側に見本と非売品があります。左側に10/5発売とあります。レギュラー盤にあったリムがなくなっています。

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B面のラベルです。日本盤はワーナー時代からレギュラー、プロモ合わせてラベルの色が4色もあるとはビックリですね!

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当時この日本盤はどのくらい売れたのか分かりませんが、ブライアンのソロアルバムだと思って買った人も多かったのではと思います。私の地元では73年頃には店頭からこのレコードは消えていて、79年に東芝EMI盤が出た時にやっと買いましたが初めて聞いた時はなんじゃこりゃ?とぶっ飛びましたね(笑)。当時はモロッコ民族音楽というよりも、訳が分からないけど何だかすごいものだな、と思って聞いていました。ちょうど同じ頃柏木公園のすぐ横にあった時の新宿レコードでジョンとヨーコの『TWO VIRGINS』やジョージの『ELECTRONIC SOUND』を入手したのでアバンギャルドものと一緒にして当時は訳の分からなかった音楽を喜んで聞いていましたね!特に『JOUJOUKA』はロック好きの友人にも聞かせたりして当時よく聞いたアルバムです。

ブライアン・ジョーンズ JOUJOUKA② USA盤いろいろ!!

前回に引き続きブライアン・ジョーンズの『JOUJOUKA』です。今回はUSA盤を紹介します。規格番号はUK盤と同じCOC 49100です。発売日は1971年10月とされていますが、UK盤よりも1ヶ月遅れの71年11月に発売されたという資料もあります。USA盤のジャケットは背が厚く、表面は艶がある感じです。写真は丸いプロモ・シールが貼られたプロモ用のジャケットです。

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UK盤は最初タイトルが間違っていましたが、USA盤は最初から『Brian Jones presents the Pipes Of Pan at JOUJOUKA』となっています。 

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裏ジャケです。

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裏ジャケ右上にベロマークとCOC 49100 STEREOがあります。この部分はUK盤と全く同じです。

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見開きの内側です。UK盤や各国盤と同じデザインです。

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見開き右側の縦の白いラインにストーンズ・レコードの配給元のアトコ・レコードのニュー・ヨークの住所が書かれています。

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上の続きにPrinted in U.S.A.があります。

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シートはUK盤で紹介した2番目のブライアンのサインが有り+見開き内側のクレジット無しのものが入っています。UK盤と全く同じ内容、同じ紙質なのでここでは表側だけを載せておきます。オーストラリア盤も同じくサインあり+クレジット無しのシートで同じサイズ、同じ紙質なのでこのシートは一部の国を除き世界共通なのかも知れませんね。

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ラベルです。タイトルは最初からpresents~となっています。リムはATCOのニュー・ヨークの住所になっています。マトリクスは手書きでST-RS-712309 A  A+/GP  △16356//ST-RS-712310 A  A+/GP  △16356-Xです。途中でスラッシュがあるので盤面の境は//です。両面に手書きでROLLING STONES RECORDSがあります。

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B面のラベルです。

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プロモ白ラベルです。曲が7つのパートに分かれていてそれぞれのタイムが書かれています。内容はステレオでレギュラー盤と同じです。右側にSAMPLE COPY、NOT FOR SALEがあります。マトリクスは手書きでST-RS-712309 DJ A+/GP △16356//ST-RS-712310 DJ A+/GP △16356-Xです。これはプロモ専用のマトで、レギュラー盤のマトの枝番のAの部分がここではDJとなっています。途中でスラッシュがあるので盤面の境は//です。両面に手書きでROLLING STONES RECORDSがあります。

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プロモのB面のラベルです。こちらは曲が6つのパートに分かれていてそれぞれのタイムが書かれています。

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ストーンズ・レーベルのプロモ白ラベルは『STICKY FINGERS』『JUMMING WITH EDWARD』共にモノラル、ステレオがあり、ステレオのラベルは数種確認していますが、『JOUJOUKA』はこれだけしか確認していません。これとは別のラベルをお持ちの方がいらっしゃいましたらご連絡願います。『EXILE ON MAIN STREET』もネットで画像がありプロモ白ラベルがあるようですが未確認です。レコードの音質はあくまで私の感想ですが、USA盤の方がUK盤よりもわずかに音がはっきりしているような気がします。最初に入っている笛のような音も響いていて壮絶な感じに聞こえます。この音楽を演奏するスリフ族というのはモロッコのリフ山脈の南側に住んでいるらしいですが、68年にこの村を訪れたブライアンはこの演奏を聞き永遠に続く笛のような音と打楽器や歌に衝撃を受けたと思います!レコードでもこれだけ迫ってくるので、これを生で聞いたらすごい迫力だと思います。

ブライアン・ジョーンズ JOUJOUKA① UK盤いろいろ!!

早いものでブライアン・ジョーンズが亡くなってから今年の7月3日で50年ですね。何回かに分けてブライアン・ジョーンズが世に残した唯一のアルバム『JOUJOUKA』を紹介しようと思います。このアルバムはブライアンが実際に演奏しているわけではなく、68年にモロッコに渡り現地の民族音楽を録音してそれに電気的な処理を施したものです。正式なタイトルは『BRIAN JONES PRESENTS THE PIPES OF PAN AT JOUJOUKA』です。今回はUK盤を紹介します。このレコードはブライアンが亡くなった後、1971年10月にストーンズ・レーベルから発売されました。規格番号はCOC 49100です。UK盤はジャケットの細かい違いが3種類、付属のシートの組み合わせが3通り、ラベル違いが2種類ありますので順を追って紹介したいと思います。ジャケットです。各国同じデザインですが、UK盤は柔らかい紙質で手触りも良く何だか高級な感じがします。

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UK盤は最初タイトルを間違えてリリースしてしまったため、タイトル部分が修正されていきます。こちらは最初に発売されたタイトル部分が『Brian Jones Plays With tha~』となっているジャケットです。

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間違いに気づいたのか上のタイトルの部分に『Brina Jones Presents the~』のシールを貼って応急処置的に発売された2番目のジャケットです。応急処置的と書きましたが結構このタイプがよく出回っているような気がします。

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正式なタイトルの『Brian Jones presents the~』が印刷されている3番目のジャケットです。

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裏ジャケです。

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裏ジャケ右上に規格番号のCOC 49100とSTEREOのクレジットがあります。

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ジャケットは見開きになっており、中央にモロッコのミュージシャンの写真が載っています。

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見開きの左側の縦の白いラインの部分に印刷所Howards Printers (Slough) Ltd.のクレジットがあります。

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見開きの右側の縦の白いラインの部分にRolling Stones Records distributed by Kinney Record Groupのクレジットがあります。

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ジャケットより一回り小さい専用のシートが付けられています。このシートもいくつかの違いがあります。シートの表側です。こちらは文の最後にBrian Jonesのサインが無いシートです。

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こちらはタイトルがステッカーで修正された後のジャケットに入っていたシートで文の最後にBrian jonesのサインのようなものが書かれています。

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サインの部分です。左側がサインなし、右側がサインありです。

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シートの裏側です。

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シートの見開きの内側です。

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見開きの一番最後のクレジットの下の部分にステレオをモノラルで再生するときの注意点が書かれていますが、このクレジットと表のサイン有り無しの組み合わせは3種類あります。最初のジャケットに入っていたシートはサイン無し+クレジット有りです。2番目のジャケットに入っていたシートはサイン有り+クレジット無しです。3番目のジャケットに入っていたシートはサイン有り+クレジット有りです。なんでこんなに違う組み合わせが生まれたのか謎ですよね!また、このジャケットとシートの組み合わせは私のレコードのものなので違うパターンもあると思います。また、アメリカ、オーストラリアでは2番目のサイン有り+クレジット無しの同じシートが使われています。

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ラベルです。タイトルがBrian Jones plays with~と間違っているラベルです。マトリクスは機械打ちでCOC 49100 A2/COC 49100 B1です。他に手書きでROLLING STONES RECORDSと書かれています。このレコードはジャケットのタイトルは訂正前のもので、シートはブライアンのサインが無いものと一緒に入っていたので最初期のプレスだと思います。

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B面のラベルです。

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タイトルがBrian Jones presents~と訂正後のラベルです。ラベルの色は黄色に変更されています。面表示や規格番号の位置は上と全く同じです。このレコードはジャケットが訂正され、シートにブライアンのサインが有るものに入っていました。マトリクスは機械打ちでCOC 49100 A2/COC 49100 B1です。両面に手書きでROLLING STONES RECORDSと書かれています。マトは上と同じです。

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B面のラベルです。

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上で紹介したジャケットとラベルの組み合わせはあくまでも私の持っているもので、訂正後のジャケットでラベルは訂正前だったりと違う組み合わせも確認しています。『スティッキー』もそうですが初期のストーンズ・レーベルではジャケ、シート、レコードの組み合わせのパターンが数多くありどの組み合わせが正しいという事はないと思います。ブライアンはモロッコに何度も訪れていたようで、この音楽を録音し自分でも音を加えたようです。特にA面中盤で電子音で作った風のような音が逆回転でどこかに吸い込まれていくような部分は、ジャジューカの演奏と一体になって不思議な雰囲気を醸し出しています。今となってはワールド・ミュージックの分野で片付けられそうですが、当時としては最先端を行ってましたね!アフリカという未知の世界に目を付けたブライアンの先を見通す眼力は素晴らしいと思います。次回はUSA盤を紹介します。