ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ ユーゴスラビア盤 ファースト!!

ローリング・ストーンズユーゴスラビア盤の『ファースト』です。ユーゴスラビアストーンズのアルバムは66年に『BIG HITS』が発売されたのが最初で、その後リアルタイムで発売されたのは『BEGGARS BANQUET』『LET IT BLEED』などしかなく、『ファースト』はなんと77年になってやっと発売されました。規格番号はLMDC-70842です。同じ規格番号で83年にも再発されているので今回は両方取り上げたいと思います。ユーゴスラビアでのデッカの配給元はJUGOTONという会社です。ジャケットは各国盤と同じデザインです。なお、「STONES WORLDWIDE」やその他の資料では83年の方しか載っていませんが、ここではランナウト・グルーヴに書かれている日付と、Discogsを参考に77年版と83年版があるという事で話を進めていきます。

ユーゴスラビア盤は裏ジャケのクレジットの違いなどの2種類存在します。表側もミックに当たる光が全く違います。左が77年版、右が83年版です。77年版はミックの顔やスーツの色合いはUK盤に近く、83年版はドイツやフランス盤に近い感じです。

右上にデッカのロゴがあります。

裏ジャケです。こちらも各国盤と同じデザインです。

右上の部分です。上が77年版、下が83年版です。77年版はデッカのロゴとMONO、規格番号の間に配給元のJugotonのロゴがあります。83年版はJugotonのロゴの部分は空白になっています。

右下の部分です。上が77年版、下が83年版です。Jugotonのロゴとおそらく印刷所のクレジットとMade in Yugoslaviaのクレジットがあります。77年版はMADE IN YUGOSLAVIAと全て大文字となっています。

左下の部分です。83年版はこの部分にKCS. 100.-と書かれています。最初レコードの値段かと思いましたが、ユーゴスラビアの通貨(当時)はディナールなので値段ではないと思います。これは何を表しているのか分かりません。

レコードを入れるJogoton専用のビニール袋です。

Jogotonのクレジットの部分です。

ラベルです。こちらは77年版です。上部にffssとデッカのロゴがあります。中央にFULL FREQUENCY STEREOPHONIC SOUNDのラインがあります。左側に規格番号とパブリッシャーが、右側に回転数と面表記があります。面表記はStrana 1/Strana 2です。曲目はタイトル、作者、出版社の順にクレジットされています。マトリクスは手書きでLDC-S-70842 A  17 8 77/LDC-S-70842-2  17 8 77です。各面に17 8 77と日付があることから初回盤は77年8月以降に発売されたと考えられます。なお、ラベルにはステレオと書かれていますが実際はモノラルです。

B面のラベルです。

こちらは83年版のラベルです。上のラベルでは右側にあった回転数がデッカのロゴのすぐ左側にあります。右側にあった面表記は左側に、左側にあった規格番号とパブリッシャーは右側にあります。マトリクスは手書きでSMDC 70842 A  3 10 83/SMDC 70842 B  3 10 83です。各面に3 10 83と日付があります。こちらは83年10月以降に発売されたと思います。こちらは疑似ステで収録されています。

B面のラベルです。

「Tell Me」は両方共フェイドアウトしないで最後まで行き、突然終わるヴァージョンが収録されています。また、77年版はモノラル、83年版は疑似ステと違っているのも面白いですね。両方を比べると例えば「Tell me」のイントロなど音の広がりが全く違います。Discogsは逆に書かれていて77年版がステレオ、83年版がモノラルとなっていますが、実際に聴いてみると77年はモノ、83年はステレオとなっています。ユーゴスラビアでは77年まで『ファースト』が発売されていなかったというのも驚きです。この時に同時に発売されたのが『AFTERMATH』と『BETWEEN THE BUTTONES』で、結局『No.2』や『OUT OF OUR HEADS』は発売されませんでした。こうして考えると当時の日本では60年代から殆どのアルバムがリアルタイムで発売され、シングルやEPも発売されてB面曲も普通に聴けて良かったと思います。

ローリング・ストーンズ シンガポール/マレーシア盤 29 GREATEST HITS!!

ローリング・ストーンズシンガポール盤『29 GREATEST HITS』です。1977年に発売され、規格番号はDXL2-3042です。タイトルを見て「えっ?」と思われた方がいらっしゃると思います。各国では『30 GREATEST HITS』で30曲入りでしたが、シンガポールでは29曲しか入っていなくタイトルも『29 GREATEST HITS』となっています。欠落している曲は「Get Off Of My Cloud」で、なんで収録されなかったのは不明です。シンガポールでのアブコの販売元はCosdel (Singapore) Pte. Ltd.という会社です。ジャケットは各国盤と同じデザインでタイトルの30のところが29となっています。また、このアルバムはシンガポールでプレスされ発売されましたが、ジャケットはシンガポール盤と共通で、レコードのプレスがマレーシアのものも存在するので今回は両方取り上げます。

タイトルの29 GREATEST~の部分です。なんか中途半端な感じは否めないですよね。

右上に規格番号とアブコのロゴがあります。

裏ジャケです。各国盤と同じデザインです。

左下の部分です。プロデューサーのアンドリュー・ルーグ・オールダム著作権を持っているABKCO RECORDSのクレジットがあります。その下に製造元のLife Records、販売元のCosdel (Singapore) Pte. Ltd.とライセンスを所持しているアメリカのRCAレコードのクレジットがあります。

右下の部分です。60年代はプロデューサーがアンドリュー・ルーグ・オールダムストーンズ自身、ジミー・ミラーと変わるので3者のクレジットとこのアルバムの編集を担当したAl Stecklerとジャケ・デザインのGordon J. Fisherのクレジットがあります。

A面の曲目です。このアルバムは元々アメリカのアブコで制作されましたが、「Not Fade Away」で始まるところがいかにもアメリカ主体といった感じですね。その後もアメリカでのシングルの発売順に並んでいます。

B面の曲目です。通常の各国盤(右)と並べてみました。「Get Off Of My Cloud」が入っていないのが分かります。

C面の曲目です。

D面の曲目です。「Wild Horses」と「Brown Sugar」はローリング・ストーンズ・レコードになってからの曲ですが、デッカ(アブコ)に在籍時に録音したという理由でここに収録されています。

ラベルです。アブコの青ラベルです。上部にアブコのロゴとその下にタイトルとグループ名があります。左側に規格番号、右側に面表記があります。曲目は左揃いでタイトル、作者、タイム表記の順に書かれています。一番下にプロデューサー・クレジットとアブコの著作権表記があります。リムに販売元のCosdel (Singapore) Pte. Ltd.のクレジットがあります。マトリクスは機械打ちでDXL 2-3042-A  U246△/DXL 2-3042-B  U247△/DXL 2-3042-C  U248△/DXL 2-3042-D  U249△です。

B面のラベルです。

C面のラべルです。

D面のラベルです。

上のラベルと文字の配置は同じですがラベルの一番下にMade in Malaysiaがあります。マレーシア・プレスですがリムに販売元のCosdel (Singapore) Pte. Ltd.のクレジットがあります。マトリクスは機械打ちでDXL 2-3042-A  U246△/DXL 2-3042-B  U247△/DXL 2-3042-C  U248△/DXL 2-3042-D  U249△です。これはシンガポール・プレストと同じマトです。

B面のラベルです。

C面のラベルです。

D面のラベルです。

一部の資料では欠落されているのは「Let's Spend The Night Together」と書かれていますが、実際は「Get Off Of My Cloud」が欠落しています。「Let's Spend~」だったら歌詞の問題で引っかかって収録されなかったというのが分かりますが、「Get Off Of My Cloud」は何でカットされたのか分かりませんよね!先にも書きましたがこのアルバムはアブコで編集されたので曲目もアメリカでのシングル曲が順番に並んでいます。こうして2枚を続けて聴いていくといかに60年代のストーンズって時代に合わせたサウンドを作り、次々と名曲を連発していたことが分かりますね! 

ローリング・ストーンズ USA盤 SOME GIRLS② MFSL盤+再発盤など!!

前回に引き続きUSA盤『SOME GIRLS』です。今回はMOBILE FIDELITY SOUND LABORATORIES INC.から発売された"ORIGINAL MASTER RECORDING"のシリーズ(以降MFSL盤)と、コロンビアに移籍してからの再発盤を取り上げます。最初はMFSL盤です。1983年3月(1982年説もあり)に発売され、規格番号は1-087です。同時にカセット(C-087)も発売されています。このMFSL盤は日本でプレスされていたので有名ですよね。ジャケットは通常のジャケットの上部に"ORIGINAL MASTER RECORDING"と書かれています。ジャケットのパターンはパステルカラーでタイトルの青で、センサード・ヴァージョンです。MFSL盤の色パターンはこれしか存在しません。プレスは日本のビクターでハーフ・スピードでカッティングされています。

このMFSL盤は上部に"ORIGINAL MASTER RECORDING"と書かれているので、通常のジャケットと比べるとTHE ROLLING STONESの文字の部分が半分くらいの幅になっています。上がMFSL盤、下が通常盤です。幅が狭いので"SOME GIRLS"の文字が一行になっています。

横の部分を見ると違いがよく分かります。

裏ジャケです。こちらも上部に"ORIGINAL MASTER RECORDING"と書かれています。それ以外は各国盤と同じデザインです。

中央下部にMFSLのロゴがあります。各国盤ではこの「Respectable」の下に空間があったのでこのロゴがちょうど違和感なく収まっています。

裏ジャケは上部の"ORIGINAL MASTER RECORDING"があるため、そのまま印刷が下にずれていて一番下の余白がありません。左がMFSL盤、右が通常盤です。

普通はインナーに使われていますが、このMFSL盤は表裏を折り畳んだシートの形になっています。

シートの反対側です。上下白いラインが入っているように見えますが実際はこの部分をカットしてあるためです。なんでカットしてあるのかは不明です。

シートを開いたところです。

シートのカットしてある部分です。

ラベルです。上部にラベルの円に沿って"ORIGINAL MASTER RECORDING"と書かれています。その下にMOBILE FIDELITY SOUND LABがあります。中央の上にグループ名とタイトルがあります。左側に面表記と規格番号、右側にベロマークがあります。曲目は中央揃いです。このレコードは日本でプレスされたので一番下にPressed in Japanとあります。マトリクスは手書きでMFSL-1-087-A1/MFSL-1-087-B1です。両面に機械打ちでH 1 1 1とCの逆さ文字のような記号があります。

B面のラベルです。

ここからはMFSL盤のテスト・プレスです。レコードは白いジャケットに入っています。

右上にSAMPLE RECORD NOT FOR SALEと書かれたシールが貼ってあり、レコードNo.の欄にMFSL 1-087と規格番号が書かれています。その下に赤いマジックでSome Girlsと書かれています。 

ラベルです。B面側も同じラベルが貼られています。上部にラベルの円に沿って"ORIGINAL MASTER RECORDING"と書かれています。その下にMOBILE FIDELITY SOUND LABのロゴとTEST PRESSING NOT FOR SALEがあります。その下に規格番号やマトリクスを書く欄がありますが、ここでは何も書かれていません。一番下にPRESSED IN JAPANがあります。リムにMANUFACTURED BY VICTOR COMPANY OF JAPAN, LTDと書かれているようにこのテストプレスも日本のビクターでプレスされています。マトリクスは手書きでMFSL-1-087-A1/MFSL-1-087-B1です。両面に機械打ちでH 1 1 1とCの逆さ文字のような記号があります。これはレギュラー盤と同じです。

84年にコロンビア(CBS)に移籍した後、87年から88年にかけて過去のカタログが再発されました。『SOME GIRLS』は1987年7月31日に発売され、規格番号はFC 40499です。ジャケットはくり抜きではなくなり、元々の美容室の広告どおりになっています。色パターンはパステルカラーで赤いタイトル文字のみです。

裏ジャケです。こちらは各国盤と同じデザインです。

右上にバーコードがあります。

左下にベロマークがあります。その上にCOC 39108とアトランティックの番号が残ったままになっています。

下部中央に販売元のCBSのクレジットがあります。

インナーです。白黒でペラペラした紙質です。

左下にストーンズ・レコードの登録票所があります。

右下に規格番号があります。

インナーの反対側です。

ラベルです。上部にこのアルバムで使われていたラインのグループ名と両側にタイトルがあります。左側にベロマークとSTEREO、右側に面表記、規格番号、マトがあります。曲目は左揃いです。下部にプロデューサー・クレジットとミキサーのクリス・キムジーのクレジットがあります。マトリクスは手書きでAL 40449-1B  G1/BL 40449-1A  G1です。

B面のラベルです。

ヴァージンに移籍後の99年10月19日には突如『STICKY FINGERS』『EXILE ON MAIN STREET』『SOME GIRLS』の3タイトルが発売されました。『SOME GIRLS』の規格番号は7243 8 47867-1-7です。ジャケットはオリジナルのくり抜き仕様となっています。色はパステルカラーで青タイトルのものです。シールドの上からLIMITED EDITIONのステッカーが貼ってあります。

ステッカーです。LIMITED EDITION、180gの重量盤、Remastered ORIGINAL PACKAGINGなどが書かれています。同時に発売された他の2タイトルにも色違いですが同じものが貼られています。

裏ジャケです。

右上にバーコードがあります。オリジナル・パッケージを謳っているならこのバーコードは何とかして欲しかったですよね!

左下に規格番号の7243-8-47867-1-7とベロマークがあります。

下部中央にヴァ―ジンのパブリッシャーがあります。1978年と1994年の両方が書かれています。このレコードは99年の発売ですが、94年というのは最初にヴァージンからCDが再発された年だと思います。

上の写真の右側にPrinted in the U.S.A.があります。

右下にヴァージンのロゴがあります。

本来ならインナーとして使われていたものですが、MFSL盤同様一枚の折りたたんだシートになっています。

シートの反対側です。

シートを開いたところです。MFSL盤は横に折りたたんでありましたが、こちらは両面の下に当たる箇所が折り目になっています。MFSL盤にあった謎の切り込みはありません。

右上に規格番号があります。

ラベルです。上部にオリジナル盤にあったグループ名の両端にタイトルがあるストライプがあります。左側にベロマークとヴァージンのロゴとパブリッシャー、STEREOがあります。右側に面表記と規格番号があります。曲目は中央揃いでタイトル、作者の順に書かれています。マトリクスは手書きで#72438-4786-717-A/#72438-4786-717-Bです。A面のマトの末尾は最初Bと書いてそれを線で消してAに修正してあります。

B面のラベルです。

ここまでUSA盤の再発盤を紹介してきましたが、オリジナル盤を高音が抜けて低音も効いている音とすると、MFSL盤は音圧が低く音がおとなしい感じです。CBS盤は高音がシャリシャリしてやや音が細い感じです。ヴァージン盤は音圧が低く高音が弱い感じです。これはあくまで我が家のオーディオでの聴き比べなので環境によって違う印象だと思うのであくまでも参考程度にしてください。このアルバムはアメリカではチャートの1位に輝きストーンズのアルバムで最も売れたアルバムとなったそうです。はつらつとしたストーンズが聴け、ロン・ウッドが前面参加しての初アルバムとしてはいいスタートを切ったと思います。