ローリング・ストーンズのドイツ編集盤『GREAT HITS』です。A面は『BETWEEN THE BUTTONS』と『AFTREMATH』から、B面は『ファースト』を中心に初期のナンバーを収録した一見なんじゃこりゃ!という編集盤です。ドイツでは1969年6月に発売され、規格番号はND 265です。このアルバムにはドイツ本国で3種、再発2種、スイス、オランダ、フランスでプレスされたレコードが存在します。ジャケットはドイツの再発を除き60年代中期のカッコいい写真が使われています。ドイツ、スイス盤は両面コーティングされています。
曲目です。先にも書きましたがA面は『BETWEEN THE BUTTONS』と『AFTREMATH』から、B面は『ファースト』を中心に初期のナンバーが収録されています。
ドイツ・オリジナル盤のリア・カヴァーです。レコードの広告にスモール・フェイセスのレコードが2枚載っているのが特徴です。ジャケット下部のSTEINAWAY & SONSの文字が大きいです。
ドイツのセカンド・プレスのリア・カヴァーです。レコードの広告からスモール・フェイセスが消えています。ジャケット下部のSTEINAWAY & SONSの文字が小さいです。サード・プレスは右上のND 265の下にAFとSTEREOが追加されています。左上のSTEREOはありません。なおセカンド・プレス以降はこの裏ジャケの広告のレコード違いが6パターンも存在するそうですがとてもそこまでは揃えきれません(笑)。
オリジナル盤のラベルです。STEREOの文字が波打っていてステレオ効果を表すようなデザインになっています。レコードの溝の部分にManufactured in Germanyの刻印があります。マトリクスは機械打ちでK LPD Ste-013640-X S-H-I/K LPD Ste-013641-X S-H-Iです。S-H-Iの部分だけ手書きです。
A面は全てリアル・ステレオですが、B面は疑似ステのためElectonic Stereoのクレジットです。こういうこだわりがドイツ盤らしいですね(笑)。
セカンド・プレスです。STEREOが普通の文字に変っています。刻印とマトリクスは初版と同じです。B面はElectonic Stereoのクレジットがあります。
サード・プレスです。「musik fur alle」のロゴがなくなっています。刻印とマトリクスは初版と同じです。B面はElectonic Stereoのクレジットがあります。資料には74年3月リリースとあります。
レアなスイス盤です。ドイツの初版とジャケットの表と裏は同じですが、裏ジャケ右下の国名(Germany)の辺りのクレジットが黒く塗りつぶされています。外からスイス盤を見分ける方法はこの黒く塗りつぶされた部分を見るしかありません。上からドイツ初版、ドイツセカンド&サード、スイス盤です。
裏ジャケの下部左側はスイス盤とドイツの初版は同じです。上からドイツ初版、ドイツセカンド&サード、スイス盤です。スイス盤とドイツの初版はSTEINWAY & SONS の位置が中央にあります。
スイス盤のラベルです。円周のクレジットがドイツ盤と違います。その他の文字、配置はドイツの初版と全く同じです。レコードの溝の部分にMade In Switzerlandの刻印があります。マトリクスはドイツ盤と同じです。B面にはElectonic Stereoのクレジットがあります。
このアルバムはオランダでも発売されています。ジャケットは基本的にはドイツ盤と同じデザインですが、左上にある「musik fur alle」のロゴがオランダ盤では「THE GOLDEN ERA OF HITS」となっています。規格番号は6454 012で1969年9月に発売されました。曲目はドイツ盤と全く同じです。
ロゴの部分です。左がオランダ盤、右がドイツ盤です。オランダ盤ではSTEREOのクレジットが追加されています。
リア・カヴァーです。ドイツ盤とは全く違うデザインで、左側にストーンズのアルバムが載っています。『MILESTONES』や『GIMME SHELTER』など70年代のアルバムが載っているので、おそらく広告のレコード違いのジャケットも存在すると思います。
ラベルです。オランダ盤のステレオ用のものが使われています。マトリクスはAA 265 1Y-2 670113/AA 265 2Y 2 115 670です。規格番号の下にMADE IN HOLLANDとあります。
このアルバムで一番レアなフランス盤です。ジャケットはオランダ盤と全く同じです。ラベルのMADE IN HOLLANDの部分がMADE IN FRANCEとなっています。マトリクスは6454012 LPL 3712 1Y 380 CIDIS/6454012 LPL 3712 2Y 380 CIDISです。ラベルがオランダ盤のデザインなので、フランスでプレスされオランダへ輸出されたものかもしれません。
ここでまたドイツ盤に戻ります。ドイツでは75年にNOVAというレーベルからジャケットのデザインを変えて再発されています。規格番号も6.21614と変更になりました。
裏ジャケです。ブライアンのカッコいい写真が使われています。右下にNOVA Records By Special Arrangement With DECCA Records, U.K.とクレジットがあります。
このNOVAのレコードは他のタイトルも含め75年3月から76年4月まで生産されましたが、それ以降はDECCAに戻り、このレコードも同じ規格番号でDECCAから再発されています。ジャケットの表と裏はNOVAと全く同じデザインです。表側左下のロゴの部分です。
NOVAのラベルです。上部に大きくNOVAのロゴがあり、左側にDECCAのロゴがあります。下部にAN ORIGINAL DECCA RECORDINGとあります。マトリクスはドイツのオリジナル盤と全く同じです。B面のステレオのクレジットはElectronic STEREOとなっています。
DECCAに戻ってからのラベルです。これが最終プレスになります。規格番号は6.21614で、B面のステレオのクレジットはElectronic STEREOと最後まで変わりませんでした。マトリクスはドイツのオリジナル盤と同じです。76年4月以降のプレスかと思います。
とにかくどうやって曲目を決めたのか分かりませんが選曲が面白いアルバムですね!通して聞くと64年から67年のたった3年間でストーンズのサウンドが変わったことがよくわかります。B面のクレジットが最後まで疑似ステ表示というのもドイツらしいです。ドイツでは60年~70年代編集盤が多数発売されましたが、同じタイトルでもラベル違いが多数存在します。また、このレコードはドイツの周辺の国でも同じ内容で発売されているので面白いですね!