ローリング・ストーンズのイギリスでの7枚目のアルバム『BEGGARS BANQUET』です。1968年12月6日にモノラルLK 4955、ステレオSKL 4955として発売されました。プロデュースはジミー・ミラーでこのアルバムからストーンズの黄金期が始まったとする方も多いと思います。68年7月にはレコーディングが終わっていましたが例のトイレの落書きのジャケットをデッカ側が拒否、結局は5か月遅れて案内状を模したカヴァーで発売されました。84年にはトイレのジャケットで再発され、現在ではそちらの方がレギュラーとなっています。アメリカではこのアルバムからモノラルがなくなりましたが、イギリスではモノラル、ステレオの両方発売されました。ジャケットです。薄いクリーム色でアルファベットの飾り文字でグループ名、タイトルが書かれています。周りには金色のふちがあります。左下に「R.S.V.P.」(フランス語で'Reponse s'il vous plait, ご返事願います)の文字があります。
裏ジャケです。こちらもアルファベットの飾り文字で曲目やクレジットがあります。
裏ジャケ左下に©1968 The Decca Record Company Limited, Londonのクレジットがあります。
裏ジャケ下部にDECCAのロゴ、規格番号があります。上がモノラル、下がステレオです。
印刷所はモノラル、ステレオ共にGarrod and Lofthouse International Limitedです。ステレオの後期はRobert Staceに変っています。上がGarrod and Lofthouse International Limited、下がRobert Staceです。
また、Garrod and Lofthouse International Limited製のジャケットの一部に印刷所の後にPatent Pendingとクレジットされているものがあります。これは特許出願中という事で通常こういうジャケットは出回らないのですが何故か世に出てしまったものだと思います。これはビートルズの『SGTペパーズ』でもありますね。また、patent pendingの方が背が薄いです。見開きの内側は通常のジャケットと同じです。
Patent Pendingが印刷されているモノラルのジャケットです。
Patent Pendingが印刷されているステレオのジャケットです。
通常のジャケットとPatent Pendingのジャケットの背を比べてみるとPatent Pendingの方が見開きにもかかわらず背が薄いです。上がPatent Pendiのジャケット、下が通常のジャケットで背の厚さがこんなにも違います。
また、クリーム色のジャケットですが後期へ行くほど白くなっています。
見開きの内側です。
モノラル盤のラベルです。-4A/-2Aのものが多いですが、これより若いものを見たことがないのでこれが最初かどうか不明です。ラベルの順番はタックスコードの有り無しで並べてみました。マトリクスはXARL-8476-4A/XARL-8477-2Aです。モノラル盤はB面の「Prodigal Son」のクレジットが全部Jagger/Richardとなっています。
上のラベルと文字の配置は同じですが、文字のフォントが違います。カッコの形も違います。マトリクスは同じくXARL-8476-4A/XARL-8477-2Aです。
1曲目と2曲目が1行にクレジットされています。作曲クレジットと、プロデューサー・クレジットがそれぞれ2行に渡ってクレジットされています。規格番号の上にタックスコードのJ/Tがあるので69年に入ってからのプレスだと思います。マトリクスは同じくXARL-8476-4A/XARL-8477-2Aです。他に-4A/-3Aを確認しています。
今までラベルの右側にあったSide 1が左側へ移動しています。ラベルの下部にタックスコードJ/Tがあります。マトリクスはXARL-8476-4A/XARL-8477-2Aです。他に-6A/-2Aを確認しています。
ここからステレオです。ブルーのオープン・デッカです。マトリクスはXZAL-8476-1K/XZAL-8477-1Kです。ジャケットにpatent pendingクレジットがあります。
マトリクスはXZAL-8476-2K/XZAL-8477-2Kですが、Side 1が上と同じ右側にあり、タックスコードがないのでここにあげました。ジャケットにpatent pendingクレジットがあります。曲目の文字は上のラベルより小さいです。
上のラベルと違いSide 1がラベルの左側に移動したラベルです。マトリクスの逆さ文字の箇所にカッコはありません。このラベルからタックスコードJ/Tのクレジットがあります。マトリクスはXZAL-8476-1K/XZAL-8477-1Kです。
上のラベルと配置は同じですが、文字が少し大きくなっています。SPEED 33-1のクレジットがなくなり、カッコの形も違います。マトリクスはXZAL-8476-2K/XZAL-8477-1Kです。
このラベルだけ1曲目と2曲目が一列になっています。文字が小さくなり、J/Tが規格番号の上に移動しています。作者クレジットとプロデューサー・クレジットがそれぞれ2行に渡って書かれています。マトリクスはXZAL-8476-2K/XZAL-8477-4Kです。ここまで3枚はJ/Tのクレジットがあるので69年~73年のプレスだと思います。
資料によると『ベガバン』は74年以降にボックスト・デッカに変ったようですが、J/Tが73年まで使われていたのでこの説はあっていると思います。B面の「Prodigal Son」のクレジットが(Rev. Robert Wilkins)とここで初めて訂正されています。ジャケットはJagger/Richardのままです。また、ジャケットの印刷所はこれ以降全部Robert Staceです。マトリクスはXZAL-8476-4K/XZAL-8477-1Kです。
Side 1が右側へ移動しています。/によるカッコがあります。こちらも「Prodigal Son」のクレジットが(Rev. Robert Wilkins)、ジャケットは全曲Jagger/Richardです。マトリクスはXZAL-8476-4K/XZAL-8477-3Kです。
ラベルのデザインから80年代のラベルだと思います。マトリクスの逆さ文字がなくなり、色も濃いブルーです。「Prodigal Son」のクレジットが(Rev. Robert Wilkins)、ジャケットは全曲Jagger/Richardです。内袋はImportant Noticeのもので1/81の表記があります。マトリクスはXZAL-8476-3K/XZAL-8477-3Kです。
最初にも書きましたが84年にトイレのジャケットで再発されました。今ではこちらの方が馴染みがありますがジャケットを載せておきます。DECCAではなくabkcoになってしまったのが惜しいです。
裏ジャケです。見開きの内側は文字のジャケットと同じデザインです。
前作までのサイケ調が全くなくなり、アコースティック調の曲が大半を占めています。ストーンズのアルバムの中でも人気があるアルバムですね!「Sympathy For The Devil」では製作過程の映像が見れます。「No Expectations」ではブライアンの素晴らしいスライド・ギターが聞けます。「Salt Of The Earth」の感動的な展開や各曲の流れが自然でいいですね~。ブライアンはここからだんだん外れて行ってしまいますがストーンズとしては現在に繋がる出発点となった傑作だと思います。