ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

キース・リチャーズ TAKE IT SO HARD② 12インチ・シングル いろいろ!!

キース・リチャーズの『TALK IS CHEAP』からの第1弾シングル「Take It So Hard」はヨーロッパ各国で7インチの他に3曲入りの12インチ・シングルと3インチCDシングル(VSCD 1125)が作られました。現時点ではUK、ドイツ、イタリア盤を確認しています。UK盤は7インチより1ヶ月遅れの88年10月に12インチと3インチCDシングルが同時発売されました。ジャケット表側は3ヶ国共同じデザインで、7インチ・シングルと同じキースのアップの写真が使われています。

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裏ジャケです。これはUK盤ですが、他国も細かい部分を除いてこれと同じデザインです。

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曲目の部分です。この12インチはA面に「Take It So Hard」、B面に「I Could Have Stood You Up」「It Means A Lot」が収録されています。全てアルバムと同じヴァージョンです。 

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裏ジャケの右側にフォトグラファーSante D'orazioのクレジットがあります。

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裏ジャケは基本的に各国同じデザインですが細部が微妙に違います。右上の規格番号の部分です。上からUK盤、ドイツ盤、イタリア盤の順です。規格番号がそれぞれVST 1125、611690-213、VINX 225と違います。ドイツ盤だけバーコードがなくVirginのロゴが規格番号の下にあります。

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裏ジャケの下部の部分です。上からUK盤、ドイツ盤、イタリア盤です。ドイツ盤だけこの部分にPrinted in Western Germanyのクレジットがあります。

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右下の部分です。ドイツ盤以外はここにVirginのロゴがあります。

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UK盤です。規格番号はVST 1125でUK盤はドイツ、イタリアと比べて薄い紙質のジャケットが使われています。ラベルは右下にVirginのロゴがあります。リムの最後にMANUFACTURED IN THE UKのクレジットがあります。マトリクスは機械打ちでVST 1125 A-1U-1-1/VST 1125 B-1U-1-1です。

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UK盤にはテスト・プレスも存在します。プレーンのラベルですがリムの部分がうっすらと見えます。STONES WORLDWIDEに載っていたに写真ではラベルにペンでタイトルとキースの名前が書かれていましたが、私のは何も書かれていません。資料に載っていた写真もよく見るとリムがうっすらと印刷されています。マトリクスはレギュラー盤と同じく機械打ちでVST 1125 A-1U-1-1/VST 1125 B-1U-1-1です。

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テスト・プレスのA面のマトです。白いラベルにうっすらとリムが見えるのが分かると思います。

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テスト・プレスのB面のマトです。

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ドイツ盤です。規格番号は611 690(ジャケットは611 690-213)でUK盤より厚紙のしっかりとしたジャケットです。ラベルは当時一部の国で使われていたA面が緑色、B面がオレンジのVirginのラベルです。上部にラベルを横切るオレンジのラインがアクセントとなっています。マトリクスは機械打ちでDM611690 A-1/10-88//DM611690 B-1/10-88です。両面共末尾に10-88と日付が入っています。 

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B面はオレンジ色のラベルで緑色のラインがあります。この色のパターンはシングル盤でも使われています。

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イタリア盤です。規格番号はVINX 225でドイツ盤とUK盤の中間位の厚さのジャケットが使われています。ラベルはUK盤と違いVirginの文字がラベル全体に書かれています。3ヶ国でいろいろなラベルがあるのが面白いですね。規格番号はVINX 225です。回転数は45 GIRI、面表記はLato Aと現地語表記となっています。リムの最後にMADE IN ITALYがあります。マトリクスは機械打ちでVINX-225-A-23-9-88 Ⅰ△ K.RICHARDS/VINX-225-B-23-9-88 Ⅰ△ K.RICHARDSです。23-9-88と日付が入っています。

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同時に発売された3インチCDシングルという規格は今では無くなってしまいましたがヨーロッパの3インチCDって日本の縦長ケースと違い正方形の3位インチの大きさでコンパクトでかわいいですよね!3インチCDがUK盤しかないのはUK盤をヨーロッパ各国で発売していたのかも知れません。12インチはここで取り上げた3ヶ国のものしか見つからないですが、アナログからCDへ移行していた時代なので12インチは発売されなかったのかも知れませんね。シングルも7インチの他に12インチやCDシングルで発売されていたというのが新しい時代を感じさせますね!

キース・リチャーズ TAKE IT SO HARD① 各国盤いろいろ!!

キース・リチャーズの88年のシングル「Take It So Hard/I could Have Stood You Up」です。1988年10月(9月説もあり)に発売されました。2曲共アルバム『TALK IS CHEAP』に収録されているキースとスティーヴ・ジョーダンの共作による作品です。ジャケットはキースのアップの写真が使われています。惜しいのは「Run Rudolph Run」の時と違い各国でジャケットの表側は全く同じデザインが使われていることです。裏ジャケは各国でクレジットなどが微妙に違うのでここでは各国盤の裏ジャケとラベルを紹介します。まずはジャケット表側です。キースの白黒のアップの写真と左側に赤でkeith richards、右下に白でTAKE IT SO HARDとあります。それぞれの文字に沿ってアクセントで赤のラインが引かれています。

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UK盤です。規格番号はVS 1125です。右上に規格番号とバーコードがあります。レコード取り出し口は上で丸くカットされています。ジャケットの造りは両サイドを巻き込んだ形のフリップバック仕様になっています。ヴァージンのロゴは赤で丸で囲まれています。このロゴは丸がなかったり、白だったりと各国でいろいろ違います。

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UK盤のラベルです。ソリッド・センターで、右側にSIDE ONE、規格番号のVS 1125とヴァージンのロゴがあります。左側は各クレジットとなっています。マトリクスは機械打ちでVS 1125 A-1U-1-/VS 1125 B-1U-1-1です。各面のAとBの後に番号をXや線で消した跡があります。その他に判読不明ですがおそらく人の名前(?)が手書きで書かれています。

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USA盤です。規格番号は7-99297です。バーコードは無く左上に7-99297があります。右下にヴァージン・アメリカの住所が書かれています。レコード取り出し口の切り込みが深いです。また、UK盤と違いヴァージンのロゴは丸で囲まれていません。

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USA盤のラベルです。上部にプロモにもあった逆三角形のマークがあり、右側にバーコードが印刷されています。マトリクスは手書きでSTVR 56053-2 1-1/STVR 56055-1 1-1です。両面共STERLINGの刻印があります。

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USA盤のプロモ盤白ラベルです。前回紹介したプロモ12インチでは青の逆三角形となっていましたがこちらは黒になっています。左側にPROMOTIONAL COPY NOT FOR SALEがあります。両面「Take It So Hard」が収録されておりラベルは両面同じものが貼られています。マトリクスは手書きでSTVR 55053-2 1-1/STVR 55053-2 1-1とレギュラー盤のA面と同じです。このプロモ盤はレギュラー盤と同じピクチャースリーヴが付けられています。

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カナダ盤です。レコード取り出し口の角が丸くカットされています。規格番号はVS 1456です。バーコードが無く左上にVS 1456とあります。右下のクレジットの最後にMade in Canadaとあります。

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カナダ盤のラベルです。左下にヴァージンのロゴがあるくすんだ感じの青いラベルです。小さな文字で読みずらいですがリムがMADE IN CANADAで始まっています。マトリクスは手書きでVS-1456-A/VS-1456-Bです。その他両面の離れたところに手書きでSTL-TLCとあります。A面は同じマトが2つ書かれており1つは線で消されています。

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ドイツ盤です。ドイツ盤のピクチャースリーヴはやや薄い紙で印刷もつや消しのような感じです。規格番号は111690-100です。ヴァージンのロゴは右上にあります。下部にPrinted in Western Germanyのクレジットがあります。

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ドイツ盤のラベルです。シルバーのラベルとなっており、リムはランナウトグルーヴの部分に英語とドイツ語で刻んであります。マトリクスは機械打ちでDS111690 A-1/10-88//DS11690 B-1/10-88です。途中に/があるのでAB面の境目は//で表記してあります。

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オーストラリア盤です。規格番号はVS 1125です。これはUK盤の番号と同じです。裏ジャケのクレジットはUK盤と全く同じですが、こちらはフリップバック仕様ではありません。また、UK盤はレコード取り出し口が丸く凹んでいましたがこちらは取り出し口の凹みはありません。

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オーストラリア盤のラベルです。左側に大きくAとあります。タイトルやキースの名前の文字が大きいです。オーストラリア盤はEMIなどヴァージン以外のラベルも面表示やタイトルの文字が大きいのが特徴ですね!マトリクスは手書きでVS 1125 A/VS 1125 Bです。

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UK盤と同じデザインのピクチャースリーヴが付いている国は以上です。日本では3インチCDシングルで発売されアナログ盤は発売されず、アナログ盤はプロモ盤だけ作られています。スティーヴ・ウィンウッドの「Don't You Know What The Night Can Do?」とのカップリングとなっています。規格番号はVJP-9で右上に「見本盤」とあります。ピクチャースリーヴの裏側は何も印刷されていません。

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日本盤プロモのラベルです。最小限のクレジットしかないシンプルなラベルです。 
マトリクスはVJP-9A 111/VJP-9B 111です。

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イタリア盤です。イタリアではジュークボックス用のシングルが作られました。規格番号はJBV 303でA面はボーイ・ジョージの「Don't Cry」のエデイット・ヴァージョンが収録されています。キースの曲はB面となっています。マトリクスは機械打ちでVIN-45285-A 30-8-88 Ⅰ B. GEORGE/VIN-45290-A-23-9-88 Ⅰ K.RICHARDSです。マトにアーティストの名前があるのは珍しいですよね!

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メキシコ盤です。メキシコではピクチャースリーヴが元々無くカンパニー・スリーヴに入っています。が、メキシコのヴァージンの販売元がRCAなのかは不明です。

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メキシコ盤のラベルです。ヨーロッパの一部の国の12インチやLPで使われていたヴァージンのA面が緑、B面がオレンジのラベルです。規格番号はRX-625です。このレコードはプロモ盤で左側に小さくDisco Promocional Prohibida su ventaとあります。タイトルはスペイン語で書かれておりAB面共「Take It So Hard」が収録されています。マトリクスは手書きでRX-625  SP 1 MX 判読不能/RX-625 SP 1 MX 判読不能です。

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B面のオレンジのラベルです。こちらも「Take It So Hard」が収録されていますが規格番号のクレジットはRX-625-Bと一応B面になっています。メキシコでレギュラー盤が出ていたのかは不明です。

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この時代になるとレコードからCDへの移行が進んでおり、シングル盤を発売した国が少ないのはCDシングルで流通したせいもあるのかもしれません。A面はイントロといい、途中のコーラスといい、バンド主体の曲構成がいかにもキースといった感じでライヴ向けの名曲ですね!このシングルでB面に収録された「I could Have Stood You Up」にミック・テイラーが参加しているのはお馴染みですが、当時は73年頃のアンサンブルが聞けると思って期待してアルバムが発売されるのを待っていた記憶があります。テイラーは派手なソロは弾いていませんがキースとの絡みはサイコーですね。ブランクを感じさせず、すぐにキースとの感覚を取り戻したようにいきいきと弾いています。曲が終わった時に聞けるギターはまさにテイラーらしいフレーズでいいですよね!もうすぐ『TALK IS CHEAP』の30周年記念盤が発売されますがボーナス・ディスクにテイラーが参加した曲が収録されるそうなので楽しみですね!

キース・リチャーズ TALK IS CHEAPからのプロモ12インチ いろいろ!!

キース・リチャーズの『TALK IS CHEAP』関連第3弾はアメリカでプロモ用に作られた3枚の12インチ盤です。それぞれ独自のジャケットが付けられコレクターズ・アイテムになっています。最初は「Take It So Hard」です。当時アルバムからの第1弾シングルとしてリリースされた曲ですね!ジャケットはアルバムのインナーにあったキースの写真が使われており、中央にキースの名前とタイトルが印刷されています。規格番号はPR 2395です。

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裏ジャケです。『TALK IS CHEAP』収録曲の曲名をコラージュ↓デザインになっています。AB面共「Take It So Hard」のアルバム・ヴァージョンが収録されています。

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ラベルです。上部に青い逆三角形のマークがあるヴァージンのプロモ用の白ラベルです。上部にPROMOTIONAL COPY NOT FOR SALEがあります。左側にSTEREOと回転数、右側に規格番号のPR 2395とA SIDEがあります。両面に同じ曲が収録されているので片面のラベルもこちらと全く同じものが使われており、そちらもA SIDEとなっています。マトリクスは手書きでSTPR 56053-1  1-1 です。片面も同じマトです。また、これ以降紹介する全てのレコードにSTERLINGの刻印があります。

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次は「You Don't Move Me」です。ジャケットはアルバムにもシングルにもなかった写真が使われています。規格番号はPR 2558で両面共同曲が収録されています。

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裏ジャケです。こちらは文字だけのシンプルなデザインです。

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裏ジャケ右下にフォトグラファーのAlastair Thainのクレジットがあります。

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ラベルです。Virginのプロモ用の白ラベルです。両面共「You Don't Move Me」が収録されています。両面同じ曲が収録されているので片側のラベルも全く同じで面表記も両方A SIDEです。マトリクスは両面共手書きでSTPR 56057-1 1-1です。

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次は「Struggle/Make No Mistake」です。こちらは元々専用のジャケットが無く、黒いカンパニー・スリーヴに入っています。ジャケットはありませんが、この12インチは2曲共貴重なエデイット・ヴァージョンが収録されています。

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A面は「Struggle」が収録されています。こちらは3:20のエデイット・ヴァージョンで、2コーラス目のYou're not the only oneの繰り返し部分からその後の演奏部分と、It's a struggle baby baby babyまでカットされています。このヴァージョンはこの12インチとプロモCDでしか聞けません。マトリクスは手書きでSTPR 56551-56064-1 1-1/STPR 56567-1 1-1です。 

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B面は「Make No Mistake」です。こちらは3:29のエデイット・ヴァージョンが収録されています。イントロの前半をカットし、What shallからNever meまでのサラの歌の部分をカット。その後のIt's Not からa manまでのキースの歌の部分がカットされ、フェイドアウトが早くなっています。このヴァージョンはヨーロッパで発売されたシングル盤やレギュラー盤の12インチにも使われています。

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前回紹介した「Big Enough」のテスト盤に書かれていた規格番号はPR 2726なのでこの3枚の後で「Big Enough」もプロモが作られる予定だったんでしょうね。「You Don't Move Me」「Struggle」「Make No Mistake」はそれぞれプロモCDも作られそちらでもこの12インチと同じヴァージョンを聞くことが出来ます。また、レギュラー盤の12インチの時に触れますが「Make No Mistake」はヨーロッパでは尺が長いExtended Virsionが作られています。これらの12インチは当時入手しましたが今回久しぶりに聞き、1曲1曲盤をひっくり返して聞くとアルバムを通して聞くのと違いそれぞれの曲の良さがよくわかったような気がします。キースのリフで始まりそこへドラムが絡むという構成が多いですが共同で曲を書いたスティーヴ・ジョーダンがドラマーなのでキースのリフの良さを引き出してくれたような気がします。「Take It So Hard」と「Struggle」の2曲は「サタディ・ナイト・ライヴ」での映像が残っていますが、この時のキースカッコいいですよね!