キース・リチャーズの88年のシングル「Take It So Hard/I could Have Stood You Up」です。1988年10月(9月説もあり)に発売されました。2曲共アルバム『TALK IS CHEAP』に収録されているキースとスティーヴ・ジョーダンの共作による作品です。ジャケットはキースのアップの写真が使われています。惜しいのは「Run Rudolph Run」の時と違い各国でジャケットの表側は全く同じデザインが使われていることです。裏ジャケは各国でクレジットなどが微妙に違うのでここでは各国盤の裏ジャケとラベルを紹介します。まずはジャケット表側です。キースの白黒のアップの写真と左側に赤でkeith richards、右下に白でTAKE IT SO HARDとあります。それぞれの文字に沿ってアクセントで赤のラインが引かれています。
UK盤です。規格番号はVS 1125です。右上に規格番号とバーコードがあります。レコード取り出し口は上で丸くカットされています。ジャケットの造りは両サイドを巻き込んだ形のフリップバック仕様になっています。ヴァージンのロゴは赤で丸で囲まれています。このロゴは丸がなかったり、白だったりと各国でいろいろ違います。
UK盤のラベルです。ソリッド・センターで、右側にSIDE ONE、規格番号のVS 1125とヴァージンのロゴがあります。左側は各クレジットとなっています。マトリクスは機械打ちでVS 1125 A-1U-1-/VS 1125 B-1U-1-1です。各面のAとBの後に番号をXや線で消した跡があります。その他に判読不明ですがおそらく人の名前(?)が手書きで書かれています。
USA盤です。規格番号は7-99297です。バーコードは無く左上に7-99297があります。右下にヴァージン・アメリカの住所が書かれています。レコード取り出し口の切り込みが深いです。また、UK盤と違いヴァージンのロゴは丸で囲まれていません。
USA盤のラベルです。上部にプロモにもあった逆三角形のマークがあり、右側にバーコードが印刷されています。マトリクスは手書きでSTVR 56053-2 1-1/STVR 56055-1 1-1です。両面共STERLINGの刻印があります。
USA盤のプロモ盤白ラベルです。前回紹介したプロモ12インチでは青の逆三角形となっていましたがこちらは黒になっています。左側にPROMOTIONAL COPY NOT FOR SALEがあります。両面「Take It So Hard」が収録されておりラベルは両面同じものが貼られています。マトリクスは手書きでSTVR 55053-2 1-1/STVR 55053-2 1-1とレギュラー盤のA面と同じです。このプロモ盤はレギュラー盤と同じピクチャースリーヴが付けられています。
カナダ盤です。レコード取り出し口の角が丸くカットされています。規格番号はVS 1456です。バーコードが無く左上にVS 1456とあります。右下のクレジットの最後にMade in Canadaとあります。
カナダ盤のラベルです。左下にヴァージンのロゴがあるくすんだ感じの青いラベルです。小さな文字で読みずらいですがリムがMADE IN CANADAで始まっています。マトリクスは手書きでVS-1456-A/VS-1456-Bです。その他両面の離れたところに手書きでSTL-TLCとあります。A面は同じマトが2つ書かれており1つは線で消されています。
ドイツ盤です。ドイツ盤のピクチャースリーヴはやや薄い紙で印刷もつや消しのような感じです。規格番号は111690-100です。ヴァージンのロゴは右上にあります。下部にPrinted in Western Germanyのクレジットがあります。
ドイツ盤のラベルです。シルバーのラベルとなっており、リムはランナウトグルーヴの部分に英語とドイツ語で刻んであります。マトリクスは機械打ちでDS111690 A-1/10-88//DS11690 B-1/10-88です。途中に/があるのでAB面の境目は//で表記してあります。
オーストラリア盤です。規格番号はVS 1125です。これはUK盤の番号と同じです。裏ジャケのクレジットはUK盤と全く同じですが、こちらはフリップバック仕様ではありません。また、UK盤はレコード取り出し口が丸く凹んでいましたがこちらは取り出し口の凹みはありません。
オーストラリア盤のラベルです。左側に大きくAとあります。タイトルやキースの名前の文字が大きいです。オーストラリア盤はEMIなどヴァージン以外のラベルも面表示やタイトルの文字が大きいのが特徴ですね!マトリクスは手書きでVS 1125 A/VS 1125 Bです。
UK盤と同じデザインのピクチャースリーヴが付いている国は以上です。日本では3インチCDシングルで発売されアナログ盤は発売されず、アナログ盤はプロモ盤だけ作られています。スティーヴ・ウィンウッドの「Don't You Know What The Night Can Do?」とのカップリングとなっています。規格番号はVJP-9で右上に「見本盤」とあります。ピクチャースリーヴの裏側は何も印刷されていません。
日本盤プロモのラベルです。最小限のクレジットしかないシンプルなラベルです。
マトリクスはVJP-9A 111/VJP-9B 111です。
イタリア盤です。イタリアではジュークボックス用のシングルが作られました。規格番号はJBV 303でA面はボーイ・ジョージの「Don't Cry」のエデイット・ヴァージョンが収録されています。キースの曲はB面となっています。マトリクスは機械打ちでVIN-45285-A 30-8-88 Ⅰ B. GEORGE/VIN-45290-A-23-9-88 Ⅰ K.RICHARDSです。マトにアーティストの名前があるのは珍しいですよね!
メキシコ盤です。メキシコではピクチャースリーヴが元々無くカンパニー・スリーヴに入っています。が、メキシコのヴァージンの販売元がRCAなのかは不明です。
メキシコ盤のラベルです。ヨーロッパの一部の国の12インチやLPで使われていたヴァージンのA面が緑、B面がオレンジのラベルです。規格番号はRX-625です。このレコードはプロモ盤で左側に小さくDisco Promocional Prohibida su ventaとあります。タイトルはスペイン語で書かれておりAB面共「Take It So Hard」が収録されています。マトリクスは手書きでRX-625 SP 1 MX 判読不能/RX-625 SP 1 MX 判読不能です。
B面のオレンジのラベルです。こちらも「Take It So Hard」が収録されていますが規格番号のクレジットはRX-625-Bと一応B面になっています。メキシコでレギュラー盤が出ていたのかは不明です。
この時代になるとレコードからCDへの移行が進んでおり、シングル盤を発売した国が少ないのはCDシングルで流通したせいもあるのかもしれません。A面はイントロといい、途中のコーラスといい、バンド主体の曲構成がいかにもキースといった感じでライヴ向けの名曲ですね!このシングルでB面に収録された「I could Have Stood You Up」にミック・テイラーが参加しているのはお馴染みですが、当時は73年頃のアンサンブルが聞けると思って期待してアルバムが発売されるのを待っていた記憶があります。テイラーは派手なソロは弾いていませんがキースとの絡みはサイコーですね。ブランクを感じさせず、すぐにキースとの感覚を取り戻したようにいきいきと弾いています。曲が終わった時に聞けるギターはまさにテイラーらしいフレーズでいいですよね!もうすぐ『TALK IS CHEAP』の30周年記念盤が発売されますがボーナス・ディスクにテイラーが参加した曲が収録されるそうなので楽しみですね!