ローリング・ストーンズのアメリカでのデビューアルバム『ENGLAND'S NEWEST HIT MAKERS』モノラル盤です。USA盤のラベルは数多く存在するのでモノラルとステレオを別々に紹介します。モノラルは1964年5月20日(5月30日説もあり)に発売されました。規格番号はLL 3375です。UK盤のファーストから「Mona」を外して当時のアメリカでのシングル曲「Not Fade Away」を1曲目に持ってきています。そのためUK盤のA面が1曲ずつ下にずれています。70年代、私はこの"ENGLAND'S NEWEST HIT MAKERS"というのはグループ名の上に小さく印刷されているのでキャッチコピーだと思っていましたが最近はタイトルとして使われています。ただ、背はTHE ROLLING STONES表記、次回触れますがステレオのラベルにはタイトルが書かれていて"THE ROLLING STONES"となっているので、このレコードの正式なタイトルは多分『THE ROLLING STONES』なんでしょうね。初期の盤には付録でポスターが付けられブライアンの下にその表記があります。UK盤のジャケットと比べると派手な感じがアメリカっぽいですね!
裏ジャケです。基本的にはUK盤と同じデザインです。右上に規格番号、右側中央下にファンクラブの案内があります。
ジャケットにポスターのクレジットがある初期のプレスにはジャケットと同じ写真を使ったポスターが付いています。大きさはジャケットより一回り小さいです。
このモノラル盤にはジャケットの細かい違いが4種類存在します。左上からよく見かけるポスター付きのクレジットがある通常のタイプ。右上は写真全体が上にずれてミックの下にLL 3375 MONOのクレジットがあるタイプ。左下はポスターのクレジットがないものでブライアンの下にMONO LL 3375があり、ミックの下にLONDONのロゴがあるタイプ。右下はポスターのクレジットがなく、右上にLL 3375とLONDONのロゴがあるタイプです。ポスターのクレジットの有り無しのジャケットでは紙質が異なり前者は光沢のないソフトな手触りのもので、後者はそれ以降のロンドン盤同様ツルツルした光沢のある紙に変ります。ポスターのクレジットの有り無しからみて上2枚は初期型、下2枚は後期型で、これは私の全くの想像ですが中のレコードのラベルやマト、後で触れる裏ジャケのファン・クラブ有り無しから判断すると左上から時計回りに右上→右下→左下と変化していったのではと考えられます。
ポスター付きのジャケットでミックの下に規格番号があるジャケットだけロンドンのロゴが白黒反転しています。(上の写真では右上のジャケット)
また、ステレオが1年後の1965年5月21日に発売されたので初期のジャケットには規格番号の横に(also available in Stereo, PS 375)のクレジットがありません。
また一部のジャケットではこの部分が右下へ移動しているものもあります。これは上の4枚のジャケットの右上のポスター付きのジャケットでミックの下に規格番号があるタイプにありました。このタイプでも裏ジャケ右上にLL 3375が印刷されているものもあるので、この違いを入れると全部で5種類のジャケットがある事になります!
また、通常はキースの写真の上にファン・クラブの案内がありますがポスターのクレジットがないものでブライアンの下にMONO LL 3375があり、ミックの下にLONDONのロゴがあるジャケットではファン・クラブの案内がありません。上の4枚のジャケットでは左下のものですがこれが最も後期のものと思います。
16年10月8日にも紹介しましたがこのアルバムにはUKプレスのプロモ盤が存在します。マトリクスはXARL-6291-3A/XARL-6292-3Aです。もう一度ラベルの写真を載せておきます。
こちらも以前紹介しましたがUKプレスのテスト盤です。上部にMADE IN ENGLANDがあります。その下にFactory SampleとNOT FOR SALEがあります。手書きでマトとROLLING STONESと書かれています。マトリクスは機械打ちでXARL-6291-1A/XARL-6292-1Aです。プロモ盤が両面共3ですが、テスト盤は1となっています。
ここからレギュラー盤です。ロンドン盤はラベルの種類が数多く存在するので最初はUKプレスのものを、アメリカ・プレスのものはマトリクスから判断して順番に並べてみました。UKプレスのレコードでラベルの上部にMADE IN ENGLANDがあります。マトリクスの逆さ文字にカッコはありません。マトリクスは機械打ちでXARL-6291-1A/XARL-6292-1Aとプロモより若く、16年10月8日に紹介したUKのテスト・プレスと同じです。ジャケットにフォト表示あり、also available in Stereoなし、ファン・クラブありです。ポスター付きのものを以降フォト表示ありとします。
上と同じタイプで、マトリクスの逆さ文字にカッコがあります。曲目の文字のフォントが違います。マトリクスは機械打ちでXARL-6291-1A/XARL-6292-1Aのものと-3A/-3Aのものを確認しました。ジャケットにフォト表示あり、also available in Stereoなし、ファン・クラブありです。
ラベルの上部が、MADE IN ENGLAND BY THE DECCA RECORD CO, LTD.とクレジットされているタイプです。マトリクスは機械打ちでXARL-6291-2A/XARL-6292-1Aです。曲目の文字の形は最初のものと同じです。ジャケットにフォト表示なし、also available in Stereoなし、ファン・クラブありです。フォト表示なしでMADE IN ENGLANDのラベルという珍しい組み合わせです。
ここからはUSAプレスです。USAプレスにもffrrの耳のマークのものがあります。中央に2本のラインが入っていて上の線の上にRECORDED IN EUROPEとmade in u.s.a.のクレジットがあります。このラベルは『NOW』にもありますがいつ頃のプレスかはハッキリしません。マトリクスは手書きでARL 6291 LL 3375A/ARL 6292 LL3375Bと他の盤とは違うものになっています。ジャケットにフォト表示あり、also available in Stereoなし、ファン・クラブありです。ラベルの色はマルーンです。
マルーンのオープン・ロンドンです。面表示はSIDE 1と大文字です。マトリクスは機械打ちでARL 6291 T1/ARL 6292 T1です。ジャケットにフォト表示あり、also available in Stereoなし、ファン・クラブありです。また、「Honest I Do」の作者クレジットがそれまでのラベルは(Reed)となっていますが、このラベル以降は(Hurron,Calvert)となります。ジャケットのクレジットは全部(Hurron,Calvert)です。
上と同じデザインですが、面表示がSide 1となっています。マトリクスは機械打ちでARL 6291 T1/ARL 6292 T1で同じです。ジャケットにフォト表示あり、also available in Stereoなし、ファン・クラブありです。
こちらもマルーンのオープン・ロンドンですが、下部のMade In U.S.A.がなくなり、マトリクスの表示のカッコがないタイプです。5、6曲目の曲名と作者が2行に渡っています。面表示はside 1と全部小文字になっています。マトリクスは機械打ちでARL 6291 T2 △6645/ARL 6292 T3 △6645-Xです。△以降は手書きです。ジャケットはMONOが下、フォト表示あり、also available in Stereoなし、ファン・クラブありです。
上と同じデザインですが、ラベルの下部にMade In U.S.A.が加わったタイプです。マトリクスは機械打ちでARL 6291 T2 △6645/ARL 6292 T3 △6645-Xです。△以降は手書きです。ジャケットにフォト表示あり、also available in Stereoなし、ファン・クラブありです。
ここからはラベルがレッドに変わります。これは順番がわからないので、ジャケット、マトから判断して紹介します。面表示がside 1と小文字です。このラベルは他の赤より明るく濃い色です。マトはマルーンの最後のものと同じ機械打ちでARL 6291 T2 △6645/ARL 6292 T3 △6645-Xです。△以降は手書きです。ジャケットにフォト表示なし、also available in Stereoなし、ファン・クラブありです。
面表示がSIDE ONEになり、グループ名が曲名より上に表記されているタイプです。マトリクスは機械打ちでARL 6291 T2 △6645/ARL 6292 T3 △6645-Xです。△以降は手書きです。ジャケットにフォト表示なし、also available in Stereoなし、ファン・クラブありです。
レッドの最初のラベルに近いですがマトとジャケットの表示が違うのでここに入れました。曲目が中央寄りになり、曲名と作者のクレジットが横一列になっています。面表示もSide 1とSだけ大文字です。マトリクスは機械打ちでARL 6291 T1/ARL 6292 T9です。ジャケットはMONOが下にあるタイプです。フォト表示なし、also available in Stereoあり、ファン・クラブなしです。
上のラベルの面表示がSIDE 1になったラベルです。マトも同じく機械打ちでARL 6291 T1/ARL 6292 T9です。ジャケットはMONOが下にあるタイプです。フォト表示なし、also available in Stereoあり、ファン・クラブなしです。
アメリカでは『サタニック』までモノラルが存在しているのでおそらく67年頃まではこのモノラル盤がプレスされていたと思います。USA盤のモノラルは音圧が高くデカい音で聞くと迫力があります。ジャケットとラベルとマトで順番を判断しましたが、私のものと組み合わせが違うものや同じラベルでもマトリクスが違うものもあると思いますので一応の参考にしてみてください。ステレオ盤は次回触れます。
プロモ白ラベルとテスト盤はこちらで紹介しています↓