ローリング・ストーンズのUSA盤『BIG HITS』です。ストーンズとしては初のベスト・アルバムで66年4月2日に発売されました。規格番号はモノラルNP-1、ステレオNPS-1です。今回はモノラルを取り上げます。ジャケットは没になったアルバム『COULD YOU WALK ON THE WATER?』用に作る予定だったもので見開きの中に8ページの写真集が付いている当時としては豪華なジャケットです。UK盤は7ヶ月遅れの11月に違う内容、フロント・カヴァーも別のデザインで、USA盤のフロントがバック・カヴァーで発売されています。
このモノラル盤にはMONO NP-1のクレジットがジャケットの上部にあるものと下部にあるものの2種類あります。2つのジャケットを並べてみました左のジャケットは下にMONO、右のジャケットは上にMONOがあります。
右側もLONDONのロゴの位置やタイトルなどでジャケット全体が上下にずれているのが分かります。
左上の部分を拡大した写真です。
左下の部分を拡大した写真です。
背の部分もずれています。これは背の上部で上にMONO、NP-1がある方は上に規格番号があります。下にある方はこの部分は何も書かれていません。タイトルもかなりずれていますね。
背の下の部分です。両方共NP-1と印刷されていますがLONDONのロゴの位置がずれています。印刷所が違うのか、同じモノラルで何故2種類のジャケットがあるのか謎です。
初期盤には曲目が印刷されたステッカーが貼られていました。これはモノラル、ステレオ共通です。
裏ジャケです。
昨年も紹介しましたが、このアルバムの試作品のジャケットです。タイトル、グループ名がシンプルになっています。また、こちらの方が湖の色が青く正規版の方は曇り空の時のような水面の色をしています。
写真集の最初のページです。ミックとブライアンのステージ写真です。
ミックの下にPRINTED IN U.S.A.があります。
2番目のページです。チャーリーとキースのアップの写真です。
3番目のページです。ビルのステージ写真と、右側はミックとブライアン、曲目になっています。
最後のページです。メンバーのいろいろな写真がちりばめられています。
ラベルです。最初はマルーンのラベルから行きます。Side 1が2行に渡っています。その横にNP-1と大きく規格番号があります。曲目は左揃いです。マトリクスは手書きでARL 7167-(10) ARC 3 66/ARL 7168-9 ARL 7168-(9) ARC 3-7-66です。B面はマトが2つ書かれています。また、3-7-66というのは日付と思われます。マトリクスはこれ以降全て手書きです。ジャケットはMONOが上にあります。
こちらもマルーンのラベルです。面表示はSIDE ONE、曲目は中央揃いになっています。リムはありません。マトリクスはARL 7167-BW-2/ARL 7168-BW-1です。ジャケットはMONOが上にあります。BWはプレス工場コードでニュー・ジャージー州のBestway Products,Inc.です。『BIG HITS』のモノラルはこれ以降もBWのものが多いです。
マルーンのラベルです。上と同じ配置ですが一番下にMade in U.S.Aが追加されています。マトリクスは上と同じでARL 7167-BW-2/ARL 7168-BW-1です。ジャケットはMONOが下にあります。
ここから赤ラベルです。面表示はSIDE ONEです。曲目は中央揃いになっています。マトリクスはARL 7167-1/ARL 7168-1です。ジャケットのMONOは上です。
面表示はside one、曲目は左揃いになっています。同じラベルでマトリクスを3種類確認しました。ARL 7167-(XⅠ)/ARL 7168-(XⅡ)、ジャケットはMONOが上、ARL 7167-(XⅠ)/ARL 7168-(XⅡ)、ジャケットはMONOが上、ARL 7167-(XⅢ)/ARL 7168-(XⅠ)、ジャケットはMONOが下、ARL 7167-(XⅢ)/ARL 7168-(XⅢ)、ジャケットはMONOが上の3枚です。ラベルの文字の色がシルバーではなく赤っぽいのもありましたが、単なる印刷の加減だと思いますのでここでは省略しました。
面表示はside one、曲目は中央揃いになっています。このラベルだけプロデューサー・クレジットが2列になっています。マトリクスはARL 7167-8 △8925/ARL 7168-8 △8925-Xです。ジャケットはMONOが下にあります。
朱色に近い赤のラベルです。面表示はSIDE 1です。リムはありません。マトリクスはARL 7167-BW-2/ARL 7168-BW-1です。ジャケットはMONOが上にあります。
規格番号、タイトルなどの文字のフォントが縦長になっています。マトリクスはARL-7167-1D NP-1 A/ARL-7168-1D NP-1-Bです。両面共ARL~の部分だけ機械打ちです。ジャケットのMONOは下にあります。
レコードとジャケットのMONOの位置の組み合わせは私の持っているレコードのものですので違う組み合わせもあると思いますので一応の参考にしてください。ここに収録されている「Tell Me」はシングル・ヴァージョンではなく通常のヴァージョンです。また、アメリカでは「Play With Fire」が人気あったらしくチャートインもしているのでアルバムの最後に収録されています。「Good times, Bad Times」は何で収録されてるのか分かりません(笑)。ジャケットのMONOの位置が2種類あるのも謎ですが、『BIG HITS』のステレオ盤は上にSTEREOとあるのでもしかしたら印刷するときに間違えて両方モノラルにしてしまったのではないでしょうか?上にMONOとクレジットがあるジャケットの下の部分を剥がしてMONOと出てきたら面白いですが、剥がす勇気はありません(笑)。イギリスと違ってアメリカではシングル曲をアルバムに入れていたのでこれらの曲は普段から聞く機会が多かったと思いますが、イギリスよりも7ヶ月も早くリリースするなんてベストとはいえ没になったアルバムのジャケットを使ったアルバム乱発の一環で出来たアルバムなのかも知れませんね!