ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズUK盤 STICKY FINGERS①WEAオリジナル盤いろいろ!!

ローリング・ストーンズのUK盤『STICKY FINGERS』です。ローリング・ストーンズ・レコードの第1弾として1971年4月23日に発売されました。規格番号はCOC-59100です。ローリング・ストーンズ・レコードはアメリカではアトランティック傘下のアトコ・レコードから、イギリスではワーナー・グループのオーナーのキニー・コーポレションから配給されました。その後73年からはアトランティックから直に配給されています。ここではアトランティック時代をWEAとします。また、WEAの後EMI、CBS、Virgin、UMGと再発が多く話が長くなってしまうので今回は71年から77年までのWEA盤を紹介します。本物のジッパーが付いていて中学生の時レコード店で初めて見た時にビックリしたのを覚えています!ジッパーは下げることが出来て中のブリーフが見えるようになっています。また、UK盤はレコードの取り出し口が上部にあります。このUK盤はジッパーの大きさ、レコードのラベル、シートの印刷所等いろいろと入り混じっており、どれが初版か判らないほど適当な組み合わせです。

(追記)Oka Shinさんからご連絡頂き、ジャケットを手掛けた人はグラフィック・デザイナーのクレイク・ブラウンという人らしいです。つまりコンセプトはアンディ・ウォーホール、デザインはブラウンらしいです。Oka Shinさんありがとうございました。↓のサイトに詳しく載っています。

https://e-daylight.jp/fonts/blog/20180726.html

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UK盤は腰から足の付け根の辺にかけてグループ名とタイトルがあります。USA盤は左上のベルトの辺に小さくクレジットされていました。右がUK盤、左がUSA盤です。UK仕様で発売されたのはヨーロッパ各国、ニュー・ジーランドなど、USA盤仕様で発売されたのは日本、オーストラリア、南米各国です。

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裏ジャケです。こちらは後ろ姿になっています。UK盤は国名、印刷所などのクレジットが一切無く、ベロマークだけのシンプルなデザインです。

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裏ジャケ右下のベロのマークです。このベロマーク、私は長い間アンディ・ウォーホールがデザインしたと思っていましたが、ジョン・パッシュという人がデザインしたそうです。

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また、このジャケットの一部にはゲイトフォールド・カヴァーが存在します。私は最初、表側が外れてしまったか、糊をつけ忘れたんじゃないかと疑っていましたが、よく見ると通常のジャケットとは作りが違います。通常のジャケットはブリーフの部分を巻き込むように裏側から右側側面に折り返しがあり、その折り返しの部分に表側のジャケットを糊付けしてブリーフの部分が中に隠れるようになっていますが、ゲイトフォールド・カヴァーの方はその裏側から山折りにして糊付けする部分が元々ありません。これは糊付けの部分の裁断のミスなのか、意図的にやったのかは不明です。

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レコードは上だけではなく見開きの内側からも取り出せます。余談ですがニュー・ジーランド盤は元々見開きでブリーフ側の上下がフリップ・バックで糊付けになっておりこのように中央からしかレコードを取り出せないようになっています。

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また、ゲイトフォールド・カヴァーの方は通常のものと比べて背の上下が細く絞られています。

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日本やアメリカではレコードを入れるようになっていましたがUK盤はシートになっています。アンディー・ウォーホールによるメンバーのリラックスした写真が使われていますが、この写真ほんわかしてていいですね~。

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反対側です。大きなベロのマークと曲名、メンバーの楽器等のクレジットがあります。よく見るとベロマークが少し違いますね!!

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左上にジミー・ミラーの寄稿文があります。

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このシートは印刷所の違いで2種類あります。上の小さな文字の方がRichard Davis Ltd.で下の太い文字の方はGOTHIC PRINT FINISHERS LTD.となっています。

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ジッパーの形も2種類あり、こちらは多数出回っている小さな方のジッパーです。こちらの方のは印刷所がRichard Davis Ltd.のシートが入っていましたが私の持っているレコードですので中のシートやラベルなど違う組み合わせがあると思います。中のレコードのマトも-A3/-B3から-A4/-B4などいろいろ確認しました。

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こちらは大きな方です。中のシートの印刷所がGOTHIC PRINT FINISHERS LTD.で、レコードのマトは-A3/-B4でした。この大きなジッパーが初回という説もありますが、74年~77年に小さなジッパーと並行して作られたという資料もあります。その資料にある大きなジッパーの中のレコードのマトと私のレコードのマトが一致しているのでその説も正しいのかも知れません。

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ラベルです。ストーンズ・レコードのイエロー・ラベルです。焼き印を押したデザインがカッコいいです!こちらは初版のラベルで左側にA PROMOTONE N.V. RECORDのクレジットはありません。また、このレコードはラベルにMade in England、Made in UKなどのクレジットはありません。作者クレジットはMick Jagger,Keith Richardで、「You Gotta Move」の作者クレジットは空欄になっています。マトリクスは機械打ちでCOC 59100-A3/COC 59100-B3で、『スティッキー』はこの-A3/-B3が初回のマトになります。マトの他に手書きでROLLING STONES RECORDSと書かれています。

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B面のラベルです。A面では中央にあったベロマークがタイトルの上に移動しています。

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セカンド・プレスと言われている左側にA PROMOTONE N.V. RECORDのクレジットがあるラベルです。『スティッキー』でこのクレジットがあるものは74年~77年プレスという資料もあります。という事はキニー・コーポレションからアトランティックに替わったからこうなった?という事になりますがこれはあくまでも私の考えで確実な情報ではありません。マトリクスは機械打ちでCOC 59100-A3/COC 59100-B4、他には-A4/-B4と-A4/-B5を確認しました。-A4/-B5のマトはB面の-B5だけ手書きになっているので結構後のプレスだと思います。ゲイトフォールド・カヴァーの中もこのラベルが入っていて、今まで5枚確認したうち4枚が-A4/-B4、1枚が-A3/-B4だったのでゲイトフォールド・カヴァーは初版という事ではなく何らかの理由で途中で作られたものだと思います。

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B面のラベルです。こちらもベロマークが上部に移動しています。

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このアルバムは全曲ステージで演奏されているほどの名曲揃いですね。1曲目のギターのイントロを聞いた瞬間にストーンズの世界にどっぷりと浸ってしまいます。美しいバラードの「Wild Horses」、「Can't You Hear Me Knocking」でのサックスとテイラーのギターを中心としたジャム・セッション、キースのリード・ギターが聞けるパワフルな「Bitch」、ミックのソウルフルな歌が聞ける「I Got The Blues」、「Sister Mprphine」でのギター、ベース、ドラムなどが順番に暗闇の中から出てくるような緊張感、ギターとスチュのピアノで軽く流すカントリー調の「Dead Flowers」、そして最後は幻想的な「Moonlight Mile」で終わるという全く無駄のない素晴らしいレコードですね!2015年には1回のステージでは初のアルバム全曲演奏し、その時の映像と音源が2017年に『STICKY FINGERS LIVE』として発売されています。奇抜なジャケット、素晴らしい内容共にストーンズの代表作だと思います。