ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ ドイツ/オランダ盤 STICKY FINGERS いろいろ!!

ローリング・ストーンズのドイツ盤『STICKY FINGERS』です。ドイツでのローリング・ストーンズ・レコードの配給元は71年からKinney Music、73年からWEA RECORDS、78年からはEMI-ELECTROLA RECORDSと変わっていきます。また、オランダ盤の『STICKY FINGERS』はドイツ製のジャケットを輸入して自国プレスのレコードを使って販売していたので今回はドイツ盤とオランダ盤の移り変わりを同時に見ていこうと思います。両国共71年4月に発売され、規格番号はCOC 59100です。ドイツ盤のジャケットは全て本物のジッパーが付けられています。タイトル、グループ名のデザインはUK盤と同じです。

裏ジャケです。ここからはWEA盤、EMI盤同時に行きます。WEA盤はベロマークがあるだけで何も書かれていません。

右上の部分です。上がWEA盤、下がEMI盤です。EMI盤は規格番号の1C064-63152が書かれています。なお、EMIのオランダ盤は規格番号が1A064-63152にもかかわらずこのドイツ盤の1C064で始まるジャケットを使っていました。

左上の部分です。上の2枚がWEA盤です。真ん中のWEA盤はこの部分に規格番号とGermanyとあるタイプです。通常ドイツ盤は背にMade in Germanyとあるので、この2番目のジャケットは殆ど見かけません。この後のジャケットやジッパーの形などと照らし合わせるため1番上をWEA①、2番目をWEA②とします。3番目はEMI盤です。

右下の部分です。上からWEA①、WEA②、EMI盤です。WEA①はベロマーク以外何も書かれていませんが、WEA②はベロマークの下にレーベルコードが書かれています。EMI盤はPrinted in Germanyや著作権表示がクレジットされています。

WEA①は背の下部にPrinted in Germanyと書かれています。WEA②はこの部分は何も書かれていません。

ドイツ盤はジッパーの形が数種類あります。どれが初版とかは不明です。これは大きなジッパーです。PANと書かれています。ジャケットはWEA①です。

これも大きなジッパーですが上とは形状が違うものです。上と同様PANと書かれています。こちらもWEA①です。

わりと小さめでこじんまりした形のジッパーです。ZIPPと書かれています。こちらもWEA①です。

大きなジッパーですが、最初のものとは違いPANの文字がありません。このジッパーだけWEA②の裏ジャケ左上にGermanyのクレジットがあるジャケットのものです。また、このジッパーはドイツのEMI盤とオランダのEMI盤でも使われています。

オランダのEMI盤の一部に使われている長方形の形のジッパーです。ジャケットはドイツ製なのでも未確認ですがドイツのEMI盤にも使用されていたかも知れません。

シートです。基本的に各国盤と同じデザインです。こちらは写真側になります。

反対側です。ドイツ盤は左下に太い文字でtwenと書かれているのですぐに分かります。オランダに輸出されたシートもこれと同じものが付けられていました。

右上の部分です。著作権表示が書かれています。上がWEA盤、下がEMI盤です。

左上の部分はWEA盤、EMI盤共にジミー・ミラーの序文が書かれています。

右下の部分です。上がWEA盤で線の中にCOC 59100があり、下部にPrinted in Germanyがあります。下がEMI盤で線の中に1C-064-63 152が書かれています。EMI盤のオランダ仕様は1A~ですが、シートはドイツと同じこの1Cのものが使われています。

左下の部分です。WEA盤は大きくtwenとありますが、下のEMI盤は何も書かれていません。

ラベルです。最初はWEAのドイツ盤からです。上部に焼印風のタイトルとグループ名があります。左側にドイツの著作権協会GEMAとマトが、右側に規格番号があります。Side 1は曲目のすぐ上にあります。曲目は中央揃いになっています。マトリクスは機械打ちでCOC-59100-A4/COC-59100-B3です。両面に手書きのROLLING STONES RECORDSと機械打ちのManufactured in Germanyがあります。私のはA4/B3ですがこのラベルでもおそらくA3/B3があると思います。

B面のラベルです。

上のラベルと文字の配置は同じですが、こちらは規格番号がCOCがなく、59100だけのラベルです。このCOCが無い番号は一説にはオーストリアへの輸出仕様と言われていますが真相は分かりません。また、このラベルは曲前の数字が4 You Gotta Moveとミスっています。マトリクスは機械打ちでCOC-59100-A3/COC-59100-B3です。両面に手書きのROLLING STONES RECORDSと機械打ちのManufactured in Germanyがあります。 

B面のラベルです。

ここからはオランダ盤のラベルです。ラベル下部にMade in Hollandがあります。他はドイツ盤のラベルとほぼ同じですが、左側にドイツの著作権協会のGEMAに代わってオランダの著作権協会のSTEMRAのクレジットがあります。マトリクスは手書きでST-RS-712189 E/ST-RS-712190 Fと他とは全く違うマトになっています。最初マトから考えて次に紹介するラベルよりこちらの方が後期型のラベルだと思ったんですが、Discogsで見るとこのラベルがオランダのオリジナルのようです。ジャケットはこれだけ②ですが最初のPANと書かれた大きなジッパーに入っている場合もあります。ドイツ・プレスではないのでランナウト・グルーヴにManufactured in Germanyの刻印はありません。

B面のラベルです。

Made in Hollandの部分です。

Discogsではこちらがセカンド・ラベルで、71年9月以降のプレスとなっています。ドイツの一番最初のラベルと文字の配置は同じですが、左側にあったドイツの著作権協会GEMAのクレジットが、オランダの著作権協会のSTEMRAのクレジットに変わっています。ドイツ盤と文字の配置は同じなので見分けるにはこの部分しかありません。上のラベルでMade in Hollandがあった部分は"A PROMOTONE N.V. RECORD"のクレジットに変わっています。マトリクスは機械打ちでCOC-59100-A/COC-59100-Bです。ROLLING STONES RECORDSはA面が機械打ち、B面が手書きとなっています。こちらもドイツ・プレスではないのでManufactured in Germanyの刻印はありません。

B面のラベルです。

ここからはEMI盤のラベルです。最初はドイツ盤です。規格番号は1C064-63152です。焼印風のグループ名とタイトルがやけに大きくなっています。その間に面表記、ベロマーク、STEREO、規格番号、GEMAなどが密集しています。面表記はSeite 1です。リムの最後にMADE IN GERMANYがあります。マトリクスは機械打ちで63152-A1/63152-B1です。ドイツ・プレスですが、この時期になるとROLLING STONES RECORDSとManufactured in Germanyの刻印は元々ありません。 

B面のラベルです。

ここからはEMIのオランダ盤です。規格番号が1A 064-63152となっています。文字の配置はドイツ・プレスとほぼ同じですが、面表記がSIDE 1、回転数が33 1/3 rpmなど微妙に表記が異なります。曲目の部分も違います。一番下にSTEMRAとMade in Hollandがあります。マトリクスは機械打ちでA面が062-63152-A//41857-3Y、B面が062-63152-B//41858-2Yです。

B面のラベルです。STEMRAとMade in Hollandは右側の規格番号の下にあります。

オランダ盤の後期プレスです。リムの最後にMADE IN EECとあります。そのためか著作権協会の表示もBEAM/STEMRAとドイツとオランダの両方が書かれています。その他のクレジットは上のラベルと同じです。マトリクスは上のラベルと同じでA面が062-63152-A//41857-3Y、B面が062-63152-B//41858-2Yです。

B面のラベルです。

結局オランダではEMIプレスになってからも自国ではジッパー付きのジャケットは製造せずにドイツから輸入して使っていました。このため中のレコードを確認しなければドイツ盤かオランダ盤か全く分からないという状態になっています。ラベルも似ているので著作権協会のGEMAかSTEMRA、またはランナウト・グルーヴにあるManufactured in Germanyの刻印の有る無しで見分けるしかありません。特にEMI盤はドイツは1C064~で始まり、オランダは1A064で始まっているので特にややこしいですね。また、ジッパーの形状もやたらと多いのも特徴です。各国盤を集め始めた頃はこのラベルのものは全てドイツ盤でオランダ盤は存在しないと思っていましたが、WEAのMade in Hollandと書かれたラベルを初めて見た時はドイツ盤と同じラベルなのにオランダで、しかもジャケットはドイツ製、と訳が分からなくなったのを覚えています(笑)。『サタニック』の3DのジャケットもUK盤ジャケットを使って各国で販売していましたが自国で作れないような特殊ジャケットはいろいろとややこしいですよね!