ローリング・ストーンズの編集盤『STONES』です。このアルバムはオーストラリアとニュージーランドで発売され、ジャケットの作りや付録のポスター等ほぼ同じ作りなので両国のレコードをまとめて紹介します。規格番号はオーストラリア盤はSCA. 005、ニュージーランド盤はSKL-6102で、両国とも1976年7月に発売されています。ジャケットはミックのアップの写真で上部に大きくSTONESとタイトルがあるだけのシンプルなデザインです。白黒写真でミックの唇だけピンクに着色されています。ジャケットは艶のないペラペラな柔らかい紙質です。
ニュージーランド盤も同じジャケットですが、一部の盤にはステッカーが貼ってあります。
ステッカーには18 HIT TRACKS by the ORIGINAL ROLLING STONESと書かれています。
裏ジャケです。オーケストラ、ニュージーランド共に同じデザインです。タイトル文字は表と違いSTONESのOの中心の丸が表のミックの着色した唇を模っています。この当時のステージの後ろからライトを当てるストーンズのステージ写真が使われています。
裏ジャケ右上に規格番号が書かれています。上がオーストラリア盤、下がニュージーランド盤です。
裏ジャケ下部の部分です。上がオーストラリア盤、下がニュージーランド盤です。オーストラリア盤はDECCAのロゴが上にあり、その下にオーストラリアでの配給元のEMIのクレジットがあります。ニュージーランド盤はそれぞれ両側にDECCAのロゴとEMIのロゴがあり、MARKETED BY EMI (NEW ZEALAND) LTD.のクレジットと住所があります。
両国ともにポスターが付属しています。表側は同じデザインですが裏側のディスコグラフィーがそれぞれ違っています。こちらは表側です。LP2枚分の大きさでジャケットと同じデザインが使われています。ミックの唇は着色されていません。
ポスターの左下にOther Albums Available From DECCAとあります。このクレジットはオーストラリア、ニュージーランド共通です。
オーストラリア盤のポスターの裏側です。1stから76年までオーストラリア・デッカから発売されたアルバムが全部載っています。下に2枚のEPも載っています。
ニュージーランド盤のポスターの裏側です。オーストラリア盤のポスターと比べるとレコードの数が少ないです。ニュージーランドでは初期のアルバムもリリースされていますが何故かここでは省略されています。
ラベルです。オーストラリア盤は赤のボックスト・デッカのラベルです。面表記が左側と右側の両方にあるのが特徴です。左側に回転数、右側に規格番号のSCA-005があります。下部内側のリムにMADE IN AUSTRALIA~があります。珍しく「Down The Road Apiece」の前に(That Place)とサブタイトルが付けられています。マトリクスは機械打ちでSCA 005 A-3/SCA 005 B-4です。
B面のラベルです。
ニュージーランド盤のラベルです。青のボックスト・デッカのラベルです。左側に面表記の数字が大きく書かれています。右側に規格番号のSKL 6102があります。内側のリムにMANUFACTURED BY EMI (NEW ZEALAND) LIMITED~とあります。オーストラリア盤同様こちらも「Down The Road Apiece」の前に(That Place)とサブタイトルが付けられています。マトリクスは手書きでSCA 005A/SCA 005Bです。
B面のラベルです。
最初にこのレコードを見た時はジャケットにタイトルのSTONESしかなく、ミックのどアップ写真に唇だけを着色したあまりにも安っぽいデザインなので一瞬ブートレグかと思いました。収録された曲も64年から69年までのヒット曲やレアな曲で統一性のない選曲でまあ逆に言えば新鮮な感じもします(笑)。オーストラリア盤よりもニュージーランド盤の方が音圧が高いです。また、「Let's Spend The Night Together」や「Ruby Tuesday」などのリアル・ステレオの曲は極端に音が小さくなります。「Tell Me」は疑似ステでものすごくエコーが効いていて、まるでお風呂の中で演奏しているようです。「Poison Ivy」はUKのファーストEPのヴァージョン、「Fortune Teller」は歓声無しで当時はUKオムニバス盤でしか聞けなかった珍しかったヴァージョンです。「Little Queenie」は『GET YER YA-YA'S OUT』からのライヴです。そしてなんといっても変わり種は編集盤としては珍しく「Heart Of Stone」と「Out Of Time」はアルバム『METAMORFOSIS』からのヴァージョンが収録されています。メタモは前年発売されていますが何でこのヴァージョンを、と考えてしまいますね!ただの寄せ集めのようなアルバムですが聞いてみると意外なヴァージョンが使われていてなかなか面白いアルバムです。