ローリング・ストーンズの2枚組の編集盤『GET STONED』です。このアルバムはイギリス、アイルランド、オランダ盤で発売されましたが、イギリスとアイルランドでは共通のジャケットが使われていたので今回はUK盤とアイルランド盤を同時に紹介します。内容はアメリカやカナダ、日本で発売された『30 GREATEST HITS』の内容を一部変えたものです。1977年10月21日に発売され、規格番号はADEP 32です。発売元はABCKOで販売はARCADE RECORDSという会社で、このレコードは通信販売で発売されていた説もあります。ジャケットは見開き仕様でベロマークに対抗したかのような唇をデザインしたものとなっていますが、このデザインいかにも行き当たりばったりでテキトーという感じですね!ジャケットはコーティング無で見開き仕様となっています。また、アイルランドではデッカ時代のシングルはイギリスに準じたタイトルが発売されていましたが、アルバムはこれ一枚のみです。(ストーンズ・レーベルのEMI盤はあります。)
裏ジャケです。こちらも唇のデザインで中央に曲目が書かれています。ジャケットの表裏にPrinted in Englandなどのクレジットが無いので外からはどこの国か判別できません。余談ですがUK盤では空白となっている裏ジャケ右上にオランダ盤はPrinted in Hollandとあります。よって何も書かれていないのがUK、アイルランド盤と分かります。
1枚目の曲目です。『30 GREATEST HITS』とは「It's All Over Now」と「Tell Me」の順番が逆になっています。また、「Heart Of Stone」の代わりに「Little Red Rooster」が、「I'm Free」の代わりに「I Wanna Be Your Man」が収録されています。
2枚目の曲目です。こちらも『30 GREATEST HITS』とは一部曲目が違い、「Child Of The Moon」の代わりに「Gimme Shelter」が、「You Can't Always Get~」の代わりに「Sympathy For The Devil」が収録されています。ここでもデッカ時代の曲の他に「Brown Sugar」と「Wild Horses」が収録されています。
左上にABCKOのロゴがあります。
右下に販売元のARCADE RECORDSのロゴがあります。このレコードにはDECCAの文字はジャケ、ラベルの何処にもありません。
左下にSTEREOと曲目に付いている疑似ステ、モノラルの記号の説明があります。
見開きの内側です。初期から70年代中期頃までのストーンズの写真がちりばめられています。
見開き内側左ページの下部にPrinted in Englandと印刷所のRobeert Staceのクレジットがあります。
見開きの内側右ページの下部にちょうどこの頃発売されたロイ・カーの本からの写真が使われているというクレジットがあります。この「The Rolling Stones, an illustrated record」という本は私も当時持っていましたが、デビューから77年頃までを写真で追った本で珍しい写真やアイテムが多数載っていました。
ラベルです。最初はUK盤のラベルです。上部にArcade Recordsのロゴがあります。その下にアメリカでのタイトル"30 GREATEST HITS"とMade from Masters of ABCKO RECORDS INC.があります。ABKCO RECORDSのクレジットはありますが、ラベルにはDECCAのクレジットは何処にもありません。左側に回転数とSTEREO、MONOの表示、右側に著作権表示と規格番号、面表記があります。下にタイトルと曲目があります。曲目はタイトル、作者、出版社の順に書かれています。一番下にMade in Englandがあります。マトリクスは機械打ちでADE-P-32.A-2/ADE.P-32.B-2/ADE-P-32.C-3/ADE-P-32.D-1です。B面だけADEの後のハイフンの部分がドットとなっています。
1枚目のB面のラベルです。
2枚目のA面のラベルです。
2枚目のB面のラベルです。
アイルランド盤のラベルです。UK盤のラベルと文字の配置等は全く同じですが、黒い文字なので大分印象が違います。ラベルの一番下にMade in Republic Irelandとあります。マトリクスは手書きでADEP 32-SIDE 1 STONES A7/ADEP 32-SIDE 2 STONES B7/ADEP 32-SIDE 3 STONES C7/ADEP 32-SIDE 4 STONES D7です。UK盤とは全く違うマトです。
B面のラベルです。
2枚目のA面のラベルです。
2枚目のB面のラベルです。
「Tell Me」はきれいにフェイドアウトするヴァージョンです。「Time Is On My Side」はギター・イントロです。このレコードは謎の多いレコードで本当に通販で発売されていたのかは正確には分かりません。結構中古で見かけるアルバムなので当時買った人が多かったと思います。アイルランドでは店頭に並んで売られていたか通販のみだったのかは不明です。また、デッカ時代のアイルランド・プレスのアルバムはこれ一枚のみで、逆に考えると何でこのアルバムだけアイルランドでプレスされたのも謎ですよね!この他にオランダでも発売されていますが、オランダ盤は資料によっては発売されていないことになっていますが、実際は存在するので次回はオランダ盤を取り上げます。