日本でのローリング・ストーンズの初期のアルバム6枚は1969年(昭和44年)3月から4月にかけて独自のジャケットで再発されています。見開きジャケで中にメンバーのポートレイトが付いている豪華な仕様となっています。今回は3回に分けて6枚全部を紹介しようと思います。まずは『ファースト』です。このシリーズでは『THE ROLLING STONES/1』というタイトルで発売され、規格番号はSLC-231です。内容は「Tell Me」から始まる日本独自の曲順のものです。ジャケットは初期のTVショーの写真が使われています。ブライアンがシタールを弾いているので「Paint It Black」を演奏中と分かりますね!写真の周りの鮮やかな色彩がサイケ時代を感じさせます。帯は赤帯と、壁掛けのプレゼントの帯の2種類が付いています。帯にどのメンバーのポートレイトが付いているか書かれています。ジャケットは見開きで厚紙の硬いしっかりとした紙質です。
帯を外した写真です。
右上のタイトルとロンドンのロゴ、規格番号の部分です。
裏ジャケです。こちらもサイケ調の独自のデザインとなっています。
曲目の部分です。
裏ジャケ左下に当時の値段¥2000があります。
見開きの内側です。左側のページに曲目と写真、その右側から右ページにかけて朝妻一郎さんのライナーと曲紹介が書かれています。この時期らしく麻薬事件やニューロックの台頭などが書かれています。
曲目の部分です。「テル。ミー」と「ルート 66」が入れ替わっている日本独自の曲順です。「愛しのモナ」にサブタイトルとして「アイ・ニード・ユー・ベイビー」が付いています。日本ではUK盤と同じ曲順になったのは82年なので、私はこちらの「テル・ミー」から始まる曲順が何となく馴染みがあります。
曲目の下にある白黒写真です。これは67年頃の写真だと思われますが衣装もおしゃれでカッコいいですよね!
見開き右ページの右上にSTEREOと回転数、規格番号があります。
右ページの左下にLONDONのロゴとキングレコードのクレジットがあります。
見開きの右ページの袖に糊付けでミックのポートレイトが付けられています。
歌詞カードです。
歌詞カードの反対側です。
歌詞カードの裏側に壁掛けの応募方法が書かれています。応募期間は昭和44年3月10日から7月31日となっています。
歌詞カードの右下に壁掛けの応募券があります。中古でこのシリーズを買うとこの部分が切り取られているのを全く見かけないので当時みなさん応募しなかったのでは?と思います。
ラベルです。上部にffssとLONDONのロゴがあります。中央にこの頃のキング盤によく見られるFULL FREQUENCY STEREOPHONIC SOUNDの文字があります。左側に回転数、面表記のNO.1が、右側に規格番号のSLC-231があります。タイトルはTHE ROLLING STONES/1となっています。曲目は中央揃いで、タイトル、作者の順にクレジットされています。マトリクスは機械打ちでSDLBT 744-1/SDLBT 745-1です。両面にJISマークがあります。ステレオとありますが疑似ステでボワーンとした感じの音です。
B面のラベルです。
次は『THE ROLLING STONES/2』です。これは『12X5』と同じ内容です。規格番号はSLC 232です。ジャケットは『BETWEEN THE BUTTONES』のジャケット撮影時の別ショットが使われています。帯のポートレイトにはキース・リチャードと書かれています。
帯を外した写真です。
右上にロンドンのロゴと規格番号のSLC 232があります。
裏ジャケです。おそらくTVショーでの写真だと思います。ミックとその後ろにビルが写っていますが、びわベースが珍しいですね。
右上の曲目の部分です。
見開きの内側です。1と同じレイアウトで左ページに曲目と写真、右ページにかけて八木誠さんの解説と曲紹介があります。
曲目の部分です。「スージーQ」が「スージー・キュー」という表記になっています。
曲目の下の写真です。ブライアンがピアノを弾き、他のメンバーはソファーでくつろいでいる珍しい写真です。
見開きの右ページの右上にSTEREOと回転数、規格番号のSLC 232と当時の値段¥2000があります。
ポートレイトはキースです。
歌詞カードです。
歌詞カードの裏側です。
ラベルです。キングの青ラベルです。マトリクスは機械打ちでSDLBT-746-3/SDLBT-747-1です。両面にJISマークがあります。
B面のラベルです。
帯にあったプレゼントの壁掛けですが、実物は一度も見た事がありませんが当時の雑誌の広告に載っているので挙げておきます。壁掛けは右下に小さく載っています。布製で『GOT LIVE~』の裏ジャケの写真が使われていてタテ87センチXヨコ56センチの結構大きなものだったんですね!
このサイケ・ジャケットでの再発盤は『ファースト』から日本独自の編集盤『ゴールデン・アルバム』まで6タイトル発売されました。今考えるとオリジナル・アルバムのデザインを完全に無視した面白いシリーズでしたよね!次回はこのシリーズの3(NOW)と4(OUT OF OUR HEADS)を紹介します。