ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ 英米プロモ・オンリーPROMOTIONAL ALBUM!!

1969年10月31日、プロモ用として1枚のアルバムがリリ-スされました。レコード・ミラー誌69年11月15日号の1面にこのレコードのジャケットが掲載され、「THIS IS THE COVER OF A NEW STONES' ALBUM,BUT YOU CAN'T BUY IT!」と書かれこのレコードが紹介されています。英米各200枚ずつしか製作されなかった「PROMOTIONAL ALBUM」です。選曲は裏ベストといった感じで、当時まだ『LET IT BLEED』の発売前ですが「Love In Vain」が収録されています。80年代にこのレコードの「Love In Vain」が別ミックスだといった噂がありましたが、UK盤がモノラルだったせいだと思います。規格番号はUK盤がRSM 1でモノラル、USA盤はRSD 1でステレオ(A面は殆どの曲が疑似ステレオ)です。フロント・カヴァーは両国共同じです。

f:id:jukeboy:20160823203315j:plain

最初はUK盤からいきます!これはリア・カヴァーです。ミックの左半分に曲目が書かれています。曲名、作者、タイム、プロデューサー、発売年の順にクレジットされています。右下にDECCAのロゴ、PRINTED IN U.S.A.とあります。UK盤、USA盤ともにジャケットはアメリカで作られたようです。ジャケットの作りがアメリカ盤特有の2枚の段ボールを印刷した紙で巻いた作り(最近のCD紙ジャケでA式なんて呼ばれています)となっています。アメリカで作られたせいか、USA盤の規格番号RSD 1とありますがレコードはRSM 1です。ジャケット下部にABKCOのクレジットがありますが、もうこの頃にアブコが関与し始めたんですね。USA盤は右側全体に過去のアルバムの紹介がありますが、UK盤は右側が何もなくシンプルな感じです。

f:id:jukeboy:20160823205050j:plain

DECCAのロゴの部分の拡大した画像です。PRINTED IN U.S.A.とあります。

f:id:jukeboy:20160823205217j:plain

リア・カヴァー下部中央です。USA盤の規格番号RSD 1(ミスクレジット?)とあります。そしてABKCOのクレジットです。

f:id:jukeboy:20160824142700j:plain

UK盤にはRATED RELEASESと書かれたタイプで打った紙が入っています。12月に発売される『LET IT BLEED』のことや、このアルバムのスリーヴがUSAで作られたことと、200枚限定等。一般の人は入手できなかったので放送局や関係者の人に宛てた言葉でしょうか ?このレコードをエンジョイしろ、なんて書かれています。

f:id:jukeboy:20160823205954j:plain

レコードの内袋です。周りが赤い当時のDECCAモノラル専用のものが使用されています。

f:id:jukeboy:20160823210232j:plain

レコードのラベルです。通常、デッカのモノラルは赤いラベルが使用されますがブルーのラベルです。最初期のBOXED DECCAに当たるかと思います。マトリクスは機械打ちでXARL-9205-2A/XARL-9206-1Aです。「Everybody Needs Somebody To Love」はジャケットでは2'57"と『NOW』のヴァージョンのタイムが書かれていますが、ここでは『No.2』に収録されていたロング・ヴァージョンが収録されています。なお、オープン・デッカでホワイトラベルのプロモ盤が存在する(プロモ盤のプロモ?)といった資料がありますが未確認です。

f:id:jukeboy:20160823211309j:plain

 ここからUSA盤です。USA盤のリア・カヴァーはUK盤では空欄だったミックの右側にそれまでのストーンズの全アルバムのタイトル、曲目が載っているのでUK盤より全体に細かい文字が敷き詰められてミックの周りのバランスがいいような気がします。右下にLONDONのロゴ、下部にアブコとロンドンのクレジット、PRINTED IN U.S.A.、そして規格番号RSD 1 STEREOとあります。

f:id:jukeboy:20160824220121j:plain

LONDONのロゴの部分を拡大した画像です。先にも書きましたがこちらは一部疑似ステのステレオ盤となっています。

f:id:jukeboy:20160824220438j:plain

レコードの内袋です。ロンドン専用のカンパニー・スリーヴです。『BEGGER'S BANQUET』まで載っている当時の最新のものです。この頃になると規格番号はモノラルが消え、ステレオのみとなっています。

f:id:jukeboy:20160824220646j:plain

レコードのラベルです。LONDONステレオ用の青ラベルです。マトリクスは手書きでZAL-9241-1/ZAL-9206-A1です。左側にNOT FOR SALEのクレジットがあります。「Everybody Needs Somebody To Love」はUK盤は『No.2』のヴァージョンでしたが、こちらは2'57"の『NOW』のヴァージョンが収録されています。また、UK盤と収録曲は同じですが曲順が一部入れ替わっています。

f:id:jukeboy:20160824221006j:plain

と、ここまで英米のPROMOTIONAL ALBUMを紹介しましたが、オーストラリアでは1979年に正式にリリースされました(規格番号RS 3006)。このオーストラリア盤はプロモではありませんし、曲目も違うので別の機会に触れようかと思います。一応ジャケットの写真を載せておきます↓。

f:id:jukeboy:20160824222344j:plain

私は70年代中期に本でPROMOTIONAL ALBUMのことを知りましたが、当時は日本盤ばかり買っていたのでこんなジャケットのものもあるんだ、といった程度で気にも留めませんでした。その後プロモ盤と知り86年に原宿にあった専門店で初めて現物を見ました。当時は今よりも安く売ってましたが、最近の値段は恐ろしいことになっています。しかも見つけても状態が良くないのが難点です。ここ数年リイシューとかレプリカと称して20~30ドル位でUSA盤が売られていますがブートですので気を付けてください!