先月10月4日のカナダのクラブ・エディション盤、10月11日のカナダ・ロンドン盤のアルバムのラベルの変遷に続いて今回はカナダ・ロンドン盤のシングルのラベルの変遷を紹介します。「Satisfaction」のラベルを使うと初期のラベルから80年代まで全種類のラベルが見られます。タイトルによってはUSA盤のピクチャー・スリーヴが付けられていますが、これはごく稀で殆どはカナダ・ロンドンのカンパニー・スリーヴに入っています。このカンパニー・スリーヴも同様に変化していくので同時に紹介します。最初は64年から65年にかけて発売されたブルーのラベルです。これは最初の「Stoned」(昨年紹介しましたがカナダでは正式に発売されています。)から「Satisfaction」まで存在しますがその前の「The Last Time」だけこのラベルは存在しません。後で説明しますが、実は「Satisfaction」もこれは再発で次のオレンジ・スワルがオリジナルになります。このラベルのオリジナルは「Stoned」から「Heart Of Stone」までとなります。また、このラベルのデザインで白ラベルのプロモが存在しますが未入手です。
60年代初期につけられていたカンパニー・スリーヴです。
65年から69年までのオレンジ・スワルです。この色はアメリカではプロモ用に使われていましたが、カナダではレギュラー盤でプロモではありません。文字のフォントや配置はブルーのラベルと全く同じです。このラベルは再発が「Stoned」から「「Heart Of Stone」までとオリジナル盤で「The Last Time」から68年の「Street Fighting Man」まで存在します。先のブルーラベルで「The Last Time」が抜けていたのはこのせいです。「Satisfaction」はこちらがオリジナルで上のブルーラベルがミスプリントなのか分かりませんが後で発売されたのでセカンド・プレスになります。(ややこしい…)
初期の頃は上と同じこのカンパニー・スリーヴが使われていましたが、途中から次のブルー・スワルの時のスリーヴが使われています。
68年から73年頃までのブルー・スワルのラベルです。68年の「Jumpin' Jack Flash」と「Street Fighting Man」は上のオレンジ・スワルとほぼ同時に作られていたようです。このラベルは「Not Fade Away」から69年の「Honky Tonk Women」まで存在します。
65年から70年代初頭までのカンパニー・スリーヴです。オレンジ・スワルのレコードも大半はこのスリーヴです。
73年から77年までのグリーンのラベルです。このラベルは「The Last Time」から「Honky Tonk Women」まで存在します。
グリーンのラベル専用のカンパニー・スリーヴです。ラベルのデザインと合わせたデザインになっています。
78年からのサンセット・ラベルです。USA盤にもこのラベルがありますが、規格番号がL.9766なので見分けがつきます。また、アメリカ盤はMade in U.S.A.のクレジットがありますがカナダ盤にはMade in Canadaのクレジットはありません。
このラベルは次の白ラベルの時のカンパニー・スリーヴに入っていることが多いですが、一部の盤にこのスリーヴが使われています。
また、このサンセット・ラベルは各タイトル200枚ずつカラー盤のプロモが作られ、緑、赤、青の3種類の色があります。「Satisfaction」は緑でした。
おそらく80年頃からの白ラベルです。LONDONのロゴが立体的で面白いデザインになっています。白いラベルですがプロモではなくレギュラー盤です。
カンパニー・スリーヴです。これは先のサンセット・ラベルの盤もこのスリーヴに入っているのをよく見かけます。
シングルもアルバム同様にUSA盤のような文字のフォントや位置の違い等がなく、ラベルそのもののデザイン、色で変化していきます。約15年間で6回もラベルのデザインが変わったことになり、これは結構多いですね!なお、各ラベルの発売期間ですが、これはいろいろな説がありここではラベルによって発売されているタイトルと発売されていないタイトルから考えて独自に判断したもので一部の資料とは違う点もありますが参考にしてみてください。特にオレンジ・スワルとブルー・スワルで発売されなかったタイトルがあるのが不思議ですね。
カナダでは他に64年から66年にかけてイギリスで発売されていた3枚のEPが発売されています。UK盤と同じデザインのジャケットが付けられましたが、ジャケットが無くカンパニー・スリーヴだけのものも多いので最初だけ付けられたのかも知れません。カナダではEPの需要が少なかったのかこの3枚はあまり見かけません。規格番号は3枚ともUK盤と同じです。「THE ROLLING STONES」です。規格番号はDFE 8560でジャケット右上にLONDONのロゴがあります。
裏ジャケです。UK盤同様ビルのクレジットのbassをbase guitarとスペルを間違えています。
このレコードは最初の青いラベルとオレンジ・スワルがあります。
「5X5」です。規格番号はDFE 8590です。デザインはUK盤と同じですが周りに白い枠がないせいか印象が違います。右下にLONDONのロゴがあります。
裏ジャケです。こちらはよくあるMick JaggerがMikeになっている間違いはありません。
このレコードも最初の青いラベルとオレンジ・スワルがあります。
「GOT LIVE IF YOU WANT IT」です。規格番号はDFE 8620です。右下にLONDONのロゴがあります。
裏ジャケです。LONDONのロゴがあるだけでUK盤とは大分印象が違いますね!
このレコードも最初の青いラベルとオレンジ・スワルがあります。
75年のABKCOのシングルです。USA盤のABKCOのラベルと似ていますが、ロゴの上に小さくMADE IN CANADAとあります。また、「I Don't Know Why」と「Out Of Time」の2枚ともセンターの穴が大きいタイプとプッシュ・アウト・センターになっているものの2種類あります。「I Don't Know Why」の作者クレジットは合っています。
ABKCOのロゴの部分です。DISTRIBUTED BY LONDON RECORDS OF CANADA-MADE IN CANADAと小さくクレジットがあります。
プッシュ・アウト・センターのタイプです。私が持っている「I Don't Know Why」はセンターが抜けてしまっているのでここでは「Out Of Time」の写真を載せます。
ここまででカナダのロンドン盤のラベルの種類全部です。先ほども書きましたが15年間で6回もラベルのデザインが変わったとは驚きです。また変わるたびに発売されないタイトルもありどういった基準で選んでいるのか謎ですね。カナダでは「Stoned/I Wanna Be Your Man」があるのでアメリカよりシングルが1枚多いですが、ABKCOの「Out Of Time」までAB面同じです。また、カナダの規格番号は数字はアメリカと同じですが、アメリカの45-LONではなくL.で始まっているのでわかりやすいです。カンパニースリーブもカナダ独自のデザインで面白いですね。カナダではストーンズ・レーベルになってからもUSA盤とは少し違ったデザインのラベルなのでまたの機会に紹介します。