ローリング・ストーンズのUSA盤『MORE HOT ROCKS』です。1972年12月20日(12月1日説もあり)に発売され、規格番号は2PS 626/7です。71年11月に発売された『HOT ROCKS』に続くアメリカ編集の2枚組です。『HOT ROCKS』はヒット曲ばかりを集めたものでしたがこちらはヒット曲+当時アメリカで発売されていなかった曲で構成されており結構マニアックな選曲となっています。ジャケットは見開き仕様で、表側は『BETWEEN THE BUTTONS』の写真のネガとなっています。
右上のタイトルの部分です。big hits & fazed cookiesというサブタイトルがあります。
シールドの上にアメリカで発売されなかった8曲が収録されているというステッカーが貼ってあります。
裏ジャケです。
A面、B面の曲目です。なおレコード盤面は変則的に収録されており、1枚目がA面とD面、2枚目がB面とC面となっています。
C面、D面の曲目です。D面の8曲が当時のアメリカでは初登場となります。
裏ジャケ下部のクレジットの部分です。ジャケットのデザインはAl Stecklerという人です。一番下にアブコの住所とPrinted in U.S.A.があります。
見開きの内側です。60年代のストーンズの写真がちりばめられています。
見開き内側の右側のページの右下にLONDON 2 PS 626/7とあるジャケットと無いジャケットがあります。これが書いてある方が圧倒的に少ないです。
インナーです。このレコードは2枚共別々の専用インナーが付けられています。こちらは1枚目のレコードのインナーです。『BETWEEN THE BUTTONS』のジャケットと同じ時に撮られた写真が使われています。
裏側です。
2枚目のレコードのインナーです。
裏側です。1枚目の裏側とは写真が反転しています。
裏側の左下にそれぞれの規格番号があります。
右下にQUEENS LITHO IN U.S.A.があります。
『HOT ROCKS』の時にも紹介しましたが一部の盤に211 reasons whyというアブコのカタログが付けられています。このレコードはインナーとこのカタログで完品です。
ラベルです。ロンドンのステレオ用の青ラベルです。右側に規格番号の2PS 626とSIDE ONEがあります。リムはありません。タイトルの後にBig Hits & Fazed Cookiesが付けられていますがこれ以降のラベルも全てそうなっています。マトリクスは手書きでSAHS 1636 W -16/SAHS 1639 W -16/SAHS 1677 W -1/SAHS 1638 W -1です。Wはカリフォルニア州のH.V. Waddellという工場です。A面→D面→B面→C面の順となっています。これ以降のマトも全て手書きです。
濃いブルーのラベルです。文字の配置は上とほぼ同じですがこちらはリムがあります。溝の形から後期のプレスだと思いますが、上のラベルとの関連性からここに入れました。マトリクスは手書きでSAHS 1636 W -1/SAHS 1639 W -16/SAHS 1677 W -1/SAHS 1638 W -1です。上と同じH.V. Waddell製です。
左側に2PS 626、P1972、ABCKO RECORDS. INC.が、右側にSIDE ONEとマトがあります。マトリクスはSAHS-1636-2 AL/SAHS 1639 2 AL/SAHS 1677 17 AL/SAHS 1638 17 ALです。ALはペンシルバニア州のAllentown Record Co.です。
左側に2PS 626、右側にSIDE 1とマトがあります。マトの末尾にBWがあります。ラベル下部にMade in U.S.A.があります。マトリクスはSAHS 1636-3 BESTWAY/SAHS 1639 3 BESTWAY/SAHS 1677-3 BESTWAY/SAHS 1638 3 BESTWAYです。マトのBESTWAYはニュー・ジャージー州のBestway Products,Inc.です。
左側に2PS 626、右側にSIDE ONEとマトがあります。上と同じでマトの末尾にBWがあります。中央のタイトルの活字が大きく横に長くなっており、曲目の文字も大きくなっています。ラベル下部にMade in U.S.A.があります。マトリクスは上と同じでSAHS 1636-3 BESTWAY/SAHS 1639 3 BESTWAY/SAHS 1677-3 BESTWAY/SAHS 1638 3 BESTWAYです。ニュー・ジャージー州のBestway Products,Inc.製です。
上と同じ文字の配置ですが、リムがありません。マトリクスはSAHS 1636-3 BESTWAY/SAHS 1639 X 14/SAHS 1677-3 BESTWAY/SAHS 1638 3 BESTWAYとD面のマトだけ変更されています。同じくニュー・ジャージー州のBestway Products,Inc.製です。
左側に2PS 626があります。その下のP1972とABCKO RECODS INC.が一列になっています。右側にSIDE ONEとマトがあります。マトの最後にSHがあります。これはニュー・ヨークのShelley Products, Ltd.製です。マトリクスはSAHS 1636-3 SHELLY/SAHS 1639 4 SHELLY/SAHS 1677-4 SHELLY/SAHS 1638 4 SHELLYです。A面だけBESTWAYを線で消して横にSHELLYと書かれています。
濃いブルーのラベルです。左側に2PS 626が、右側にSIDE ONEがあります。全体の大きな文字です。曲目は左揃いになっています。マトのクレジットが下にあります。その下にMade in U.S.A.があります。マトリクスはT1 SAHS-1636-5 LH/SAHS 1639-1D 10 LH/T1 SAHS 1677-5 LH/T1 SAHS 1638-1D 10 LHです。
薄いブルーのラベルです。左側に2PS 626、P1972、ABKCO RECORDS, INC.が、右側にSide Oneとマトがあります。このタイトルでSide One表記は珍しいです。マトリクスはSAHS-1636-6-1-1/SAHS 1639-18-11-11/SAHS 1677-6-11-1-6/SAHS 163818-111-1です。
タイトルが大きな見字でラベル左右に渡っています。左側に2PS 626、P1972、ABKCO RECORDS, INC.があります。ABKCOだけ2行目にあります。左側にSIDE 1があります。マトリクスはSAHS-1636-7/SAHS 1639 7/SAHS 1677-7/SAHS 1638 7です。
上と似ていますがタイトルが一番上にあります。その下に2PS 626、面表記SIDE 1などののクレジットがあります。曲目や下部のクレジットは上のラベルと全く同じです。マトリクスは上と同じでSAHS-1636-7/SAHS 1639 7/SAHS 1677-7/SAHS 1638 7です。
左側にRECORD 1がある珍しいラベルです。右側にSIDE ONE、2PS 626、P1972、ABKCO RECORDS, INC.と左右に分かれていたクレジットが一つにまとまっています。マトリクスはSAHS-1636-8/SAHS 1639 8/SAHS 1677 13/SAHS 1638-13です。
濃いブルーのラベルで全体の文字が縦長のフォントになっています。右側に2PS 626、SIDE ONEがあります。曲目は左揃いになっています。マトリクスはSAHS-1636-9/SAHS 1639-9/SAHS 1677-9/SAHS 1638 11です。
左側にSTEREOとSIDE 1が、右側に2PS 626とABKCO RECORDS, INC.があります。溝の形から70年代後期~80年頃のラベルだと思います。マトリクスは2PS 626-A-PRC-C-1 SAHS-1636 X 14 SHELLY/2PS-627-D-PRCC-1 SAHS 1639 X SHELLY/2PS-626-B-PRCC-1-1 SAHS 1677 4 SHELLY/2PS-627-C-PRCC-1 SAHS 1638 14 SHELLYです。ニュー・ヨークのShelley Products, Ltd.,製です。
左側に2PS 626とマトが、右側にSIDE ONEがあります。タイトルがMORE HOT ROCKSで改行され、Big Hits & Fazed Cookiesと2行になっています。マトリクスはC-1 ⇔ SAHS Re-1 TR CR 10/81//C-1 ⇔ SAHS 1639 Re-1 TR CR 10/81//B-1 ⇔ SAHS 1677 TR CR 9/81//B-1 ⇔ SAHS 1638 TR CR 9-81です。各面の境は//です。1枚目が10/81、2枚目が9/81と日付があるので80年代にプレスされたものと思います。このレコードだけSTERLINGの刻印がありません。
この時代になってもラベルの種類が数多くあるのには驚きです。1枚目のAD面に割と初期の曲を、2枚目のBC面に60年代後期の曲が収録されています。それにしてもD面の8曲が当時のアメリカでは未発売だったとは驚きです!一部の曲を除いてステレオがある曲はステレオで、モノラルのみしか存在しない曲はモノラルで収録されています。「Tell Me」は間奏のないシングル・ヴァージョンで強めのエコーがかかっていて疑似ステのように聞こえます。「Out Of Time」は『FLOWERS』に収録されていたフェイドアウトが早いショート・ヴァージョンです。「She's A Rainbow」はイントロ前の街頭のざわめきがありません。「Dandelion」と「We Love You」はモノラルで、「We Love You」のイントロ前に小さくピアノのフレーズが聞こえます。これは「Dandelion」のシングル・ヴァージョンの元々最後にくっついていたもので、正確に言うと「We Love You」の前に付いているイントロではありません。また、このアルバムは曲と曲の間があまりありません。ヒット曲も収録されていますが、裏ベストといった感じで結構面白いアルバムです。