ローリング・ストーンズのUSA盤『HOT ROCKS』です。アメリカ独自(カナダ盤もあります)の2枚組の編集盤で、1971年12月20日に発売されました。規格番号は2PS 606/607です。ジャケットはストーンズのメンバーの横顔のシルエットが使われています。収録曲はブライアン時代の曲が殆どですがブライアンの写真は使われず、外側からミック、ビル、テイラー、チャーリー、キースの横顔のシルエットが重ねられています。ジャケットは見開きで表側にはグループ名やタイトルなどはありません。一部の盤には上部に写真のような曲目ステッカーが付けられています。
裏ジャケです。こちらはブライアンがいた頃の写真が使われています。下部にグループ名、タイトル、曲目などのクレジットがあります。曲目は収録順ではありません。
曲目の下にLONDONのロゴとABKCOのクレジット、住所があります。
右下に小さくQUEENS LITHO IN U.S.A.があります。
見開きの内側です。いろいろな年代のストーンズの写真がちりばめられています。
見開きの左側のページの左下に規格番号の2PS 606/7があります。
一部の盤にはアブコのレコードが載っている211 reasons whyというカタログが封入されています。
カタログの裏側です。
ラベルです。最初はShelly盤と呼ばれるニューヨークのShelley Products, Ltd.製です。以前も紹介しましたがこのラベルには「Brown Sugar」と「Wild Horses」のデモ別ミックスが収録されていました。D面のラベルは以前載せましたのでここではA面のラベルを載せておきます。左側にSTEREOと2PS 606が、右側にSIDE ONEとマトリクスがあります。マトリックスの最後にSHがあります。曲目は最初に発売年、曲名、作者、タイムに順に表記されています。一番下にMunufactured by Abkco Records Inc.があります。マトリクスは手書きでXZAL 11015/XZAL 11016/XZAL 11017 ③/XZAL 11018 11/18/71です。D面だけ日付があります。全部の面にSTERLINGの刻印があります。これ以降のラベルで指摘が無い場合は全てのラベルでマトは手書きで、STERLINGの刻印があります。
左側に2PS 6060とMade in U.S.A.が、右側にマトとSIDE ONEがあります。マトの最後にALがあります。これはペンシルバニア州のAllentown Record Co.製です。ラベルの色は鮮やかな青です。マトリクスはXZAL 11015 AL/XZAL 11016 AL/XZAL 11017 AL/XZAL 11018 12-3-71 ALです。D面だけ日付が入っています。
右側に縦長のフォントの2PS 606とSIDE ONEがあります。曲目は左揃いです。マトとMade in U.S.A.はラベルの下部にあります。マトの最後にPが付いています。これはニュー・ジャージー州のコロンビアの工場の事です。マトリクスはXZAL 11015/ZXAL 11016/XZAL 11017/XZAL 11018 GLです。A面からC面は枝番がありません。
右側に2PS 606とSIDE 1があります。下部のマトの最後にBWがあります。これはニュー・ジャージー州のBestway Products,Inc.製です。リムはありません。マトリクスはXZAL 11015 BEST ①/XZAL 11016 BEST ②/XZAL 11017 BEST ③/XZAL 11018 GL BESTです。
右側に太い文字で2PS 606とSIDE ONEがあります。ラベルの色は鮮やかな青です。リムはありません。マトの最後にWがあります。これはカリフォルニア州のH.V. Waddell製です。マトリクスはXZAL 11015-W ②/XZAL 11016-W ②/XZAL 11017-W ②/XZAL 11018 GL-W ①です。
上と同じ文字の配置ですが、リムがあります。レコードの溝からこちらを後期と判断しました。こちらもカリフォルニア州のH.V. Waddell製です。マトリクスはXZAL 11015-W ②/XZAL 11016-W ②/XZAL 11017-W ①/XZAL 11018 GL-W②です。2枚目のマトの枝番が上のマトと逆となっています。
左側に2PS 606が、右側にSIDE ONEがあります。曲目は左揃いとなっています。ラベルの色は濃い青です。マトの最後にTHがあります。これはインディアナ州のColumbiaの工場の事です。マトリクスはXZAL 11015-1/XZAL 11016-2/XZAL 11017-1/XZAL 11018-GLです。他に後期型のマトで枝番が-4/-4/-5/-6でABC面の頭にT1が、D面だけT2のものを確認しました。また、こちらのラベルの色は普通の青です。
薄い青のラベルで画像では判断しずらいですが左側に2PS 606とXZAL 11015 PHが、左側に小文字でside oneがあります。マトの後のPHはインディアナ州のPRC Recording Corp.製です。この工場は以前のPhilipsの工場です。マトリクスはXZAL 11015-1/XZAL 11016-1/XZAL 11017-2/XZAL 11018-GLです。
右側にSIDE ONEと2PS 606があります。黒っぽい濃い青です。プレス工場コードはMですが、どこの工場なのか不明です。ご存知の方がいらっしゃいましたらご連絡願います。マトリクスはXZAL 11015 ① △16598(1)/XZAL 11016 ② △16598-X(4)/XZAL 11017 ① △16599(3)/XZAL 11018-RE GL △16599-X(5)です。
(追記:2020年11月12日)レコード好きさんからこのレコードはカリフォルニア州のMonarch records製との情報を頂きました。△マークと採番時の裏面にXを入れる記入方法がMonarch Recordsの特徴だそうです。レコード好きさん、ありがとうございました!
薄い青で画像では判断しずらいですが、左側に2PS 606とXZAL11015 CJが、右側に小文字でside oneがあります。レコードの溝から後期のプレスと判断しました。CJというのはプレス工場コードなんですがどこの工場なのか不明です。マトリクスはImp⇔XZAL 11015-1-11//D-1⇔XZAL 11016 RE-1 P CR 10/81//C-3⇔XZAL 11017 P CR 9/81//Imp⇔XZAL 11018 PS 606・7-D-3-1 PRCです。B面とC面にそれぞれ10/81、9/81と日付があります。この日付の間にスラッシュがあるので各面の境は//です。またこのレコードだけSTERLINGの刻印はありません。
「Brown Sugar」と「Wild Horses」の2曲はスト-ンズ・レーベルの曲ですが、この2曲を録音したときはストーンズがまだデッカに所属していた時の録音というメチャクチャな理由でここへ収録されたそうです。最初にも書きましたがこの2曲は最初ラフ・ミックスが収録されていました。これは以前ブログで紹介しましたので最後にURLを書いておきます。アメリカの編集盤らしくアメリカ初のベスト10圏内に入ったヒット曲「Time Is On My Side」から始まっています。また、B面曲の「Play With Fire」が入っていますが、この曲はUSA盤の『BIG HITS』にも収録されていたのでアメリカでは人気があったんでしょうか?あとアルバムからは「Under My Thumb」が収録され、「Midnight Rambler」は『GET YER YA-YA'S OUT』のライヴ・ヴァージョンです。その他はシングル曲が収録されており60年代のストーンズを振り返るのは格好のアルバムだと思います。「Brown Sugar」と「Wild Horses」のラフミックスについては以前のブログで取り上げていますのでよろしかったらご覧になってください。↓