このブログでは初めてポルトガル盤を取り上げます。ローリング・ストーンズのポルトガル盤のEPはあまり市場に出回らなく、見つけても状態が悪いのが目立ちます。今回から何回かに分けて60年代にポルトガルのデッカから発売された4曲入りEP盤を発売順に紹介します。最初は『It's All Over Now+3』です。1964年秋頃発売され、規格番号はPEP 1081です。収録曲は「It's All Over Now」「Carol」「Tell Me」「Can I Get A Witness」の4曲です。ジャケットはファーストの裏ジャケで使われていた初期のメンバーの写真と下部に大きくTHE ROLLING STONESとあります。紙質は光沢のあるしっかりとした造りになっています。
右上にデッカのロゴと曲目があります。
裏ジャケです。大きくグループ名があり、曲目と解説だけのシンプルなデザインです。上下フリップバック仕様になっています。
左上にデッカのロゴがあります。表側は白抜きのロゴでしたがこちらは黒いロゴになっています。
曲目の部分です。表側同様「Can I Get A Witness」の"CAN"がここでは"CANT"となっています。
左下に規格番号と"CAPA DE HELDER PEREIRA"とジャケットをデザインしたヘルダー・ペレイラという人のクレジットがあります。
右下に印刷所の「monumental」のロゴがあります。このロゴはポルトガル盤によく見られます。
ラベルです。上部にデッカのロゴとその上に"FABRICADO EM PORTUGAL"とあります。これはポルトガル製という意味です。デッカのロゴの下に"MARCA REGISTADA"とありますがこれは登録商標の事です。左側にマトがあります。右側にこのEPのシリーズの名前と思われるSUPER 45と規格番号があります。下部に曲目とグループ名があります。マトリクスは手書きでDEP-336-1-A/DEP-337-1です。
B面のラベルです。
こちらは明るい青のラベルです。文字の配置は上のラベルと同じです。マトリクスは手書きでDEP-336-2-A/DEP-337-1-A-Bです。マトが上のラベルよりも末尾が進んでいるのでこちらを後に挙げましたが、どちらのラベルが最初なのか資料にもなく不明です。これは何か分かりましたら追記します。
B面のラベルです。
「Tell Me」はフェイドアウトせずに最後まで行っていきなり終わるヴァージョンが収録されています。これはポルトガル盤の『ファースト』でも同様のヴァージョンが収録されています。この頃のヨーロッパでは国によってきれいにフェイドアウトするヴァージョンが収録されていることもあるので、おそらくポルトガルではUK盤のマスターが送られて来てそのまま使っていると思います。そのせいかこのEP盤も音がいいです。ポルトガルでは60年代は2曲入りのシングル盤は発売されず、こういった4曲入りのEP盤が主流でした。これは以前紹介したフランスでも同じことが言えますね!また、ジャケットも『ファースト』の裏ジャケで使われていたメンバーの写真が使われており、まだストーンズの写真が入って来なかったことが窺えます。60年代のシングルやEPってそれぞれの国によって独自のピクチャー・スリーヴがあって面白いですよね。