ローリング・ストーンズ アナログ盤蒐集生活!

ただひたすらにローリング・ストーンズのレコードを紹介しているブログです。

ローリング・ストーンズ スペイン盤 ファースト いろいろ!!

ローリング・ストーンズのスペイン盤『ファースト』です。1964年に発売され、規格番号はLK 4605です。スペイン盤の『ファースト』はジャケットの作りやラベルの変遷が激しいのでここでは順を追ってまとめてみようと思います。スペインでは最初から最終プレスまでモノラルのみの発売です。ジャケットは他国と同じ写真が使われていますが、メンバーの写真を切り取って黒い台紙に貼り付けたような感じで、メンバーの部分だけ浮き出ているようになってしまっています。上部に大きくTHE ROLLING STONESとあります。最初は初期盤のジャケットからいきます。初期盤のジャケットは背の上下が絞ってあり、薄い紙質のいわゆるぺらジャケです。表側だけコーティングされています。

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右上にDECCAとMONO、規格番号のLK 4605が一つの枠の中に納まっています。

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裏ジャケです。UK盤と同じデザインで、初期盤は上下フリップバック仕様となっています。

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最初期のジャケットはレコード取り出し口の部分に丸く凹みがあります。

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曲目の部分です。「Mona」は「I Need You Baby」表記となっています。「Honest I Do」の作者はReedとなっています。

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右下の部分はUK盤の印刷所がそのまま書かれていますが、これはUK盤の版下を使ったためと思われます。その右側に縦書きでPENTACROM-MADRIDとありますがこちらがスペインでの印刷所と思われます。

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左下のコーティングのクレジットもUK盤と同じです。ただ、スペイン盤のコーティングはどこでやったのか不明です。

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ラベルです。初回盤のオレンジに黒文字のラベルです。後で説明しますがこの初回盤の初期プレスは「Can I Get A Witness」が「Can’t I Gent A Witness」とミスクレジットがあります。リムの上部にFABRICADO EN ESPANAがあります。オレンジに黒文字、そしてリムの上部にこのFABRICADO EN ESPANA(スペイン製の意味)とあるのが初回盤です。左側にLONG PLAYINGと回転数、右側にffrrの耳のマークとマトリクス、規格番号があります。マトリクスは機械打ちでLCCI 596/LCCI 597です。「Tell Me」はUK盤同様フェイドアウトしないで延々と続くヴァージョンです。

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ちょうどレコード盤の溝と重なって良く見えませんがFABRICADO EN ESPANAの部分です。

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B面のラベルです。最初期盤の「Can I Get A Witness」を「Can't I Gent A Witness」とミスっている方です。

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こちらは「Can I Get A Witness」と修正されたラベルです。この部分が修正されただけで文字の配置やマトリクスは上のラベルと同じです。

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「Can't I Gent A Witness」と間違えている拡大写真です。

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こちらは「Can I Get A Witness」と修正されたセカンド・プレスです。

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67年以降のラベルです。ミスクレジットをカウントするとこれがサード・プレスとなります。リムの上部にDISCOS COLUMBIAのクレジットがあります。これはスペインのレーベルで南米のコロンビアではありません。ラベルにはスペインの文字は何処にもなく、南米のコロンビアの事だと思いがちですがこれはスペインのレコード会社の事です。また、レコードの溝の形も違いこちらはフラットになっています。マトリクスは機械打ちでLCCI 596/LCCI 597と上と同じです。このラベルまでオリジナルのジャケットに入っています。

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DISCOS COLUMBIAの部分です。

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B面のラベルです。

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60年代の終わりからジャケットが今までのぺらジャケから硬く厚い紙質に変わります。裏側のフリップバックがなくなり、レコード取り出し口の丸い凹みもありません。表裏コーティングされています。裏ジャケ右下のクレジットがUK盤のものとスペイン独自のものが加わっています。

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裏ジャケの右下の部分です。上から下へ60年代の終わりから80年代最終プレスまでです。後期盤はクレジットの最後に(1981)と販売された年が書かれているのでいつ頃の再発盤なのかプレス時期が分かって便利です。どのジャケットにどのラベルか照会できるように上から①②③④とします。①小さくDISCOS COLUMBIAとマドリードの住所があります。②Graf. FOCO, S.A. Avda America, s/nとクレジットがあります。③DISCOS COLUMBIAとマドリードの住所があります。最後に発売年が書いてあるんですが元の持ち主が白いマジックで消してしまってあります。④DISCOS COLUMBIAとマドリードの住所があります。最後の発売年は(1981)となっています。 

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裏ジャケ左下の部分です。上の写真と同じ並び順です。上から①おそらく印刷所だと思います。最後にマドリードとあります。②空欄となっています。③MADE IN SPAINのクレジットがあります。④空欄となっています。

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81年の最終プレスだけ規格番号がLK 4605から63 99 148と変わるので右上の部分が変更となっています。上が①~③、下が④です。

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72年からのオレンジにシルバー文字のラベルです。再発盤は文字の色が黒からシルバーに変更となっているのですぐに見分けが出来ます。資料では72年となっていますが他のタイトルなどで(1970)と書かれたジャケットにこのラベルが入っている事があるのでもっと早くにこのラベルに切り替わったかも知れません。左側に面表記が、右側にMade in Spain、マト、規格番号があります。マトリクスは機械打ちでLCCI-596 A/LCCI-597 Bです。①のジャケットに入っていました。「Tell Me」はフェイドアウトしないヴァージョンです。

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B面のラベルです。

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上部にDISCOS COLUMBIAがあります。右側にマトの逆さ文字、LK 4605、面表記があります。面表記はCara Aです。マトリクスは機械打ちでXARL-6271-2A/XARL-6272-5Aです。このマトはUK盤のマトと同じです。ジャケットは②の右下にGraf. FOCO S.A. Avda America, s/nと書かれたものです。また、これと同じラベルでオイルショックの頃と思われるペラペラの薄い盤が③のジャケットに入っていました。マトリクスも同じです。この③のジャケットにだけMADE IN SPAINのクレジットがあります。両方とも「Tell Me」はフェイドアウトしないヴァージョンです。 

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B面のラベルです。

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81年の青ラベルです。右側に新たな規格番号63 99 148が追加されています。マトリクスは機械打ちでXARL-6271-2A/XARL-6272-5Aとひとつ前のオレンジのラベルと同じマトです。④のジャケットに入っていました。「Tell Me」はフェイドアウトしないヴァージョンです。

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B面のラベルです。

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上のラベルとジャケットの組み合わせは私の持っているレコードのものなので、ラベルやジャケットの細部の変更の時期によっては違う組み合わせもあるかと思います。それにしてもスペイン盤はジャケットのデザインは同じですが細部のクレジットやラベルなどが細かく変わっていって驚きです!音はUK盤と同じようないい音です。また、ラベルの時にも触れましたが最初から最終プレスまで全部「Tell Me」がUK盤と同じフェイドアウトしないヴァージョンが収録されています。スペイン盤はメンバーが浮き出ているように見えるジャケットが面白いですよね!