ローリング・ストーンズのドイツ盤『BIG HITS』です。今まで同内容のドイツ・クラブ・エディション盤を何枚か紹介しましたが、今回は通常のオリジナル・ジャケットのレコードを紹介します。オリジナル盤は1966年11月に発売され、規格番号はTXS 1です。ドイツではステレオのみの発売です。ドイツでは最初ジャケットはイギリスの初回ステレオ用のジャケットを輸入して使われていましたが途中からドイツ製のジャケットになります。ドイツ盤はUK盤のようにコーティングはされていませんが、表裏艶のあるジャケットです。見開きですがUK盤のような中のとじ込み写真はありません。
裏ジャケです。右上にTXS 101 STEREOとあります。UK盤の後期にもこのタイプのジャケットがありますが文字の大きさが全く違いドイツ盤の方が大きな文字です。また、タイトルと曲目のクレジットがUK盤と比べて全体に下に下がっています。
裏ジャケ右上の部分をUK後期盤のジャケットとドイツ盤を比べてみました。上がドイツ盤、下がUK盤の後期型です。ドイツ盤の方が圧倒的に文字が大きいです。またSTEREOと規格番号の表記の順番が逆です。UK盤のジャケットの変遷はUK盤BIG HITSのページに載せてあります。
見開きの内側です。ブックレットの写真がなく最初と最後のページだけとなっています。これはとじ込みが外れてしまったのではなくドイツ製のジャケットは元々中のブックレットがありません。
見開きの右側の右下にMade in GermanyとTELDECの住所があります。
オリジナルのえび茶にゴールド文字のラベルです。このタイトルからラウンド・デッカではなくなりボックスト・デッカが初回盤となります。左側にRoyal Sound Stereoのロゴがあります。右側に規格番号と面表記があります。面表記はSeite 1です。その下にA面の合計の収録時間があります。マトリクスは機械打ちでK ZAL-7503-Ⅳ X/K ZAL-7504-Ⅳ Xです。両面にManufactured in Germanyの刻印があります。このレコードはUK製のジャケットに入っています。
B面のラベルです。
67年7月からの赤ラベルです。文字の配置やクレジットは上のラベルと全く同じです。マトリクスは機械打ちでK ZAL-7503-Ⅴ X/K ZAL-7504-Ⅷ Xです。両面にManufactured in Germanyの刻印があります。このレコードはUK盤で60年代の終わりに使われていた裏ジャケにモノラル、ステレオを見分ける穴が開いているジャケットに入っていました。
B面のラベルです。
1973年からの赤ラベルです。左側にあったRoyal Sound Stereoのロゴがなくなり、右側にSTEREOのクレジットがあります。その下に規格番号、面表記があります。グループ名が大文字になり、曲名の文字のフォントが変わっています。マトリクスは機械打ちでK ZAL-7503-Ⅴ X/K ZAL-7504-Ⅷ Xと、上と同じです。両面にManufactured in Germanyの刻印があります。このレコードはドイツ製のジャケットに入っていました。ちょうどこの頃UK盤も見開き内側の写真集がなくなったのでこのドイツ製のジャケットと同じになっています。
B面のラベルです。
ここからNOVAレーベル盤です。『BIG HITS』は76年3月に発売されました。ジャケットの左下のDECCAのロゴの部分がNOVAのロゴに変更になっています。NOVAのジャケットは見開きではなく、シングル・ジャケです。
裏ジャケ右下の部分です。裏がDECCA盤、下がNOVA盤です。NOVAのロゴにMade in Germany、TELDECの住所等のクレジットがあります。
裏ジャケ左下の部分です。上がDECCA盤、下がNOVA盤です。NOVAのロゴやクレジットは右下にあるのでここでは空欄となっています。よく見るとDECCAのロゴを消してコンクリートの部分を継ぎ貼りした跡があります。
ラベルです。上部にNOVAのロゴがあります。その左下に小さくDECCAのロゴとSide 1があります。右側にSTEREOと規格番号があります。規格番号は6.22159です。曲目のクレジットは左揃いとなっています。マトリクスは機械打ちで6.22159-00-1/6.22159-00-2です。両面にManufactured in Germanyの刻印があります。また、両面共今までのK ZAL~で始まるマトをXXXXXXXXと消してあります。
B面のラベルです。
このドイツ盤はUK盤と比べると音圧がやや低く音のメリハリが欠けますが、その分マイルドな印象を受けます。各楽器の音がしっかりしているのはさすがドイツ盤といった感じです。『BIG HITS』と『サタニック』は特殊なジャケットのせいか当時イギリスからジャケットを輸入してレコードは自国プレスのものを販売していた国が多く、ドイツでも最初はUK盤のものが使われていました。時期によっては裏ジャケの穴あきのものが使われていたりするのでイギリスでの生産時期によってジャケットが違うのだと思います。そのせいか純粋なMade in Germanyのジャケットは数が少ないような気がします。ドイツではこの『BIG HITS』は別ジャケのクラブ・エデイション盤が多く出回っており、かえってこのオリジナルジャケットの方が珍しいような気がします。『BIG HITS』のドイツ・クラブ・エディション盤の記事は↓にあります。
http://jukeboy.hatenablog.com/entry/2017/06/24/141507
http://jukeboy.hatenablog.com/entry/2017/07/07/203840
http://jukeboy.hatenablog.com/entry/2017/07/11/201346