ローリング・ストーンズのドイツ盤『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』です。ドイツではオリジナルの他規格番号を変えて何度も再発されているので順を追って紹介していきます。最初はオリジナル盤です。1967年12月に発売され、規格番号はTXS 103です。ジャケットは当初はUK盤の3Dのものを輸入していましたが、途中から3Dではありませんがドイツ独自のジャケットが作られています。ドイツではステレオのみの発売でしたが、稀にUK盤のモノラル用のジャケットに入っているものを見かけたことがあります。モノラル用のジャケットのせいかDiscogsではレコードもモノラルと紹介されていますが、モノラルはありません。もっともDiscogsでも注意書きでモノラルがあるか不明と書かれています。モノ、ステレオ両方のジャケットを使っているので当時はその辺がテキトーだったんでしょうね。UK製のジャケットはUK盤の時の紹介済なのでここでは省略してドイツ製のジャケットからいきます。最初に書いたように純粋なドイツ製のジャケットでは3Dは存在しません。表側は各国盤同様のデザインとなっています。コーティングは無く、見開き仕様となっています。
裏ジャケです。右上に大きくTXS 103とSTEREOと書かれているのが特徴です。
右上の規格番号とSTEREOの部分です。ぱっと見でここでドイツ盤と判別できます。
裏ジャケ中央のDECCAのロゴの下にMade in Germanyとドイツでの配給元のTELDEC (Telefunken-Decca)の住所があります。最後にⓅ1967があります。
UK製のジャケットは右下にMONO、STEREOと規格番号が書かれていましたが、この部分が似たような色で違和感なく消されています。この部分はドイツの80年代のジャケットまで変わりません。
見開きの内側です。各国と同じ仕様となっています。
インナーです。ドイツではUK盤と同じ紅白のインナーが付けられていましたが、一部にドイツ独自の赤/マゼンタの格子のデザインのインナーが付けられていました。この赤/マゼンダのインナーの方は数が少なく滅多に見た事がありません。このインナーやUK盤と同じ紅白のインナーが付けられていたのはドイツでは初期盤のみです。上部レコード取り出し口は山型になっています。
インナーの反対側です。こちらも表側と同じデザインです。
ラベルです。royal sound Stereoのロゴがある初回盤のラベルです。上部に黒いDECCAのロゴがあります。左側にroyal sound Stereoのロゴ、ドイツの著作権団体GEMA、マトリクスがあります。右側に規格番号のTXS 103と面表記があります。面表記はSelte 1/Selte 2です。作者クレジットはJagger-Richardの曲は下にまとめて、「In Another Land」だけタイトルの後にWymanとあります。また、グループ名の下に米印でBill Wymanとあります。この書き方は最終プレスまで続きます。マトリクスは機械打ちでK ZAL-8126-Ⅳ X/K ZAL-8127-Ⅰ Xです。両面にMunufactured in Germanyの刻印があります。このラベルはUK製の3Dのジャケットに入っており、インナーも紅白、または上に挙げた赤/マゼンダのインナーが付けられています。
B面のラベルです。
上のラベルからroyal sound stereoのロゴがなくなったセカンド・ラベルです。上のラベルにはなかったSTEREOが右上にあります。その他の文字の配置は上のラベルと同じです。マトリクスは機械打ちでK ZAL-8126-Ⅳ X/K ZAL-8127-Ⅰ Xです。両面にMunufactured in Germanyの刻印があります。 これは上のラベルと同じです。このラベルはドイツ製のノーマルなジャケットに入っており、インナーも白い袋になっています。
B面のラベルです。
76年からは規格番号が6.22160と変わりジャケットも画像のようにメンバーの写真の上にTHE ROLLING STONESとグループ名が、写真の下にタイトルが入ります。2003年のCDでシールドの上に貼ってあったシールにこのタイトル文字と同じフォントの文字が使われていましたね。このタイトルとグループ名が入ったジャケットは年代によって大まかに3種類ありますので後で番号を振って細部を紹介します。
ジャケットの下部の部分にDECCAやNOVAなどの発売元のロゴがありますが、この部分が年代によって違います。後で紹介するレコードのラベルと照らし合わせるために番号を振っておきます。上から順に①76年2月からのNOVAラベルです。②80年からの再発DECCA赤ラベルです。③88年9月12日からの発売元がポリグラムに変ってからのジャケットでこの部分が消されています。③はラベルがDECCAからLONDONに変わります。
裏ジャケです。大まかなデザインはオリジナル盤と同じですが年代によって細部が異なります。右上の部分です。上から①NOVAラベル、②再発デッカ赤ラベル、③ポリグラム盤です。①②は規格番号が6.22160ですが、③は820 129-1と変わります。
左上の部分です。①②は何もありませんが③だけLONDONのロゴがあります。
裏ジャケ下部中央の部分です。これは①NOVAから発売されたジャケットです。
②80年からの再発デッカ赤ラベルのジャケットです。
③88年からのポリグラム盤のジャケットです。
ラベルです。76年2月に発売されたNOVAのラベルです。上部にNOVAのロゴがあります。左側にGEMA、Side 1、DECCAのロゴがあります。右側にSTEREOと 規格番号の6.22160があります。曲目は左揃いで、1曲毎に作者クレジットがあります。一番下にAN ORIGINAL DECCA RECORDINGとあります。ジャケットは①です。マトリクスは機械打ちで6.22160-00-1/6.22160-00-2です。今までのK ZALから始まるマトをXXXXXXと消してあります。Munufactured in Germanyの刻印はありません。
B面のラベルです。
80年に再発された赤ラベルです。上部にDECCAのロゴがあります。左側にGEMAとマトリクスがあります。右側に規格番号と面表記、STEREOがあります。曲目は中央揃いになっており、1曲毎に作者クレジットがあります。ジャケットは②です。マトリクスは機械打ちで6.22160-00-1/6.22160-00-2です。今までのK ZALから始まるマトをXXXXXXと消してあります。Munufactured in Germanyの刻印はありません。これは上のラベルと同じです。
B面のラベルです。
88年9月12日に発売されたシルバーラベルです。ロゴもDECCAからLONDONに変わっています。上部に80年代から使われている青赤のLONDONのロゴがあります。その下に面表記1とあります。左側にMade in West GeramnyとSTEREOがあります。右側に規格番号の820 129-1があります。曲目は中央揃いで1曲毎に作者クレジットがあります。ジャケットは③です。マトリクスは機械打ちで6.22160-00-1/6.22160-00-2です。今までのK ZALから始まるマトをXXXXXXと消してあります。Munufactured in Germanyの刻印はありません。これはNOVAのラベル以降のマトと全く同じなので、結局LONDONに変わっても70年代以降はマトの変更はなかったようです。
B面のラベルです。
ドイツ盤は初期から80年代のジャケットまでキースのクレジットが全てRichards、ラベルではRichardとなっています。これはUK盤などと同じです。音はUKステレオ盤と比べると多少音圧が低いような気もしますがそれでもすっきりしたいい音です。初回盤は先にも書きましたがUK盤の3Dのジャケットにroyal sound stereoのロゴがあるラベルのレコード、そして紅白または赤/マゼンダのインナーが付いたものです。やはり最初のroyal sound stereoのロゴがある初回盤はドイツらしい安心のステレオマーク?で格調が高く、80年代のシルバーのラベルは安っぽいのは否めないですよね!