60年代から70年代初頭、日本では海外からレコード、ジャケットだけを輸入して日本で解説や歌詞カード、帯を付けたものがあります。これをメーカー直輸入盤(メ直盤)と呼んでいます。ストーンズではキング時代に英国DECCAから輸入したレコードが有名ですね。『FLOWERS』『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』『BEGGER'S BANQUET』『STONEAGE』の全部で4枚存在します。特に『サタニック~』の3Dや『ベガーズ~』の付録のフォノシートなど日本盤にはないものもありコレクターズ・アイテムとなっています。またUK盤なので音がいいのが嬉しいですね!今回は『FLOWERS』を紹介します。日本では『フラワー』のタイトルで発売されました。
発売は68年4月との資料がありますが、純粋な日本盤が67年9月20日に発売されているのでここでは保留にしておきます。USA盤は67年6月、イギリスでは発売されず輸出仕様だけ作られ67年8月に発売されています。メ直盤はUSAのステレオ盤のカタログ・ナンバーPS-509がそのまま使われています。ジャケットは日本向けに作られ右上にLONDONのロゴ、左上にStereo PS 509とあります。表面コーティングされています。帯はジャケットを1周するのではなく表面だけの1枚の紙になっています。これは他のメ直盤全てに共通しています。
UK盤のカタログ・ナンバーと同じ所にPS 509とあります。UK輸出仕様はここにLK 4888(モノラル)、SKL 4888(ステレオ)とあります。
リア・カヴァーです。UK輸出仕様はDECCAですが、ここではLONDONのロゴ、右上のカタログ・ナンバーもPS 509となっています。ジャケットはイギリスで作られ印刷所はRobert Staceです。
インナーです。日本初回盤と同じく朝妻一郎さんの解説と歌詞が載っています。
と、ここで歌詞の部分でPS 509 ¥2200、そして歌詞の下の部分に©1968が!日本初回盤のその部分には©1967とあります。となるとあながち68年4月発売というのは正しいのかも知れません!
上がメ直盤で©1968、下が日本初回盤で©1967となっています。
レコード袋はUSAロンドン盤のUKプレスに使用されていたffrrのものと同じです。
レコードのラベルです。初期ロンドンUKプレスのステレオ盤に使用されていたものと同じデザインです。マトリクスはZAL 7752-1W/ZAL 7753-1Wです。
他のメ直盤と違いこのレコードはあまり見かけることがありません。発売日が正しいとすると日本盤より半年遅れの発売で買った人が少なかったからでしょうか?当時UK盤と日本盤の音の違いにこだわる人はいなかったと思いますし、200円の差は今より大きかったと思います。日本初回盤の帯に特典付き(対象のレコード2枚の応募券で昭和43年の手帳がもらえた)有効期限42.9.10~43.1.20とありますが、特典が終わり紺帯に切り替わるまでの間急遽このレコードが輸入されたのでしょうか?いずれにしろメ直盤の中では一番謎のレコードです。